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内閣府が2025年に公表した「令和7年版 高齢社会白書」によると、今後、男女とも平均寿命は延びて、令和52年には、男性85.89年、女性91.94年となると見込まれているそうです。「人生100年時代」と言われますが、未来への不安を感じているという方も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、82歳にして現役内科医の菅沼安嬉子先生の著書『80歳、これからが人生本番 現役内科医の一生輝く生き方のコツ』から一部を抜粋し、菅沼先生が実践してきたいつまでも輝くための知恵をお届けします。

【写真】82歳で現役内科医として活躍する菅沼安嬉子先生

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合言葉は「骨密度と筋肉を落とさない」

骨密度低下に「待った!」をかけましょう

60代からの人生をイキイキ過ごすには、心のフットワークと肉体的なフットワークの両方が大事。肉体的なフットワークのよさを支えてくれるのが、「丈夫な足腰」です。

閉経で女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ると、骨の形成と骨の吸収のバランスが崩れ、骨密度が急激に低下します。一般的に閉経後10年くらいで骨形成が低下し、そのまま減り続けると、場合によってはいずれ骨がスカスカ状態に。下のグラフを見ればわかるように、60代は、骨粗鬆症予備軍なのです。


<『80歳、これからが人生本番 現役内科医の一生輝く生き方のコツ』より>

骨密度が低下すると、転んだ際に骨折するだけではなく、ちょっとしたはずみで腰椎圧迫骨折などを起こしかねません。寝たきりになる原因の第2位が骨粗鬆症にともなう骨折ともいわれているので、骨粗鬆症予防は高齢になってからのクオリティ・オブ・ライフを落とさないために欠かせません。

グラフにあるように、成長期や30歳までの成人期にカルシウムを十分に摂取し、加えてしっかり運動をするなどして「骨貯金」がある方は、骨が丈夫なまま寿命を全うできる確率が高くなります。骨貯金に自信がない人は、とにかくこれ以上、貯金を切り崩さないことが大事です。

さぁ、今日から骨粗鬆症対策

特に過去にダイエットを経験した人は要注意。どのくらい体重を減らし、食事制限をしたかにもよりますが、本来、骨を増やさなくてはいけない時期にダイエットをすることで、若い時期から低骨密度になっている可能性があるのです。

そのためダイエット経験者は経験していない人に比べて骨密度が低い可能性があります。「ダイエットをしたのはずいぶん昔、若い頃のことだから」などと、あなどることはできません。「要注意人物を通り越して危険人物なのだ」と、肝に銘じましょう。


『80歳、これからが人生本番 現役内科医の一生輝く生き方のコツ』(著:菅沼安嬉子/世界文化社)

でも、過去に戻ることはできません。とにかく「今できること」を「今すぐ」始めて、「100歳まで踏みとどまる」という決意をしましょう。

では、どのようして予防すればよいのでしょう。

ポイントは「カルシウムの摂取」と「骨に刺激を与える運動」の2点。さぁ、今日から骨粗鬆症対策を開始です。

カルシウムは毎日の食事から

まず大事なのが、毎日、食事でカルシウムを摂取することです。カルシウムは骨の原料と思いがちですが、それだけではありません。神経の伝達、脳の働き、筋肉の収縮、血液凝固、心臓の拍動調整などに必要な、人体に欠かすことができない物質なのです。

そんなわけで体内では生命維持のために常にカルシウムが必要ですが、食べ物で摂取しないと、貯金を下ろすように骨からカルシウムを取り出してしまいます。アフター更年期は、放っておくと骨がもろくなりがち。そのうえ、カルシウム不足で骨貯金から引き出していたら、骨粗鬆症が加速しかねません。そうならないためには、毎日カルシウムを摂取する習慣が大事なのです。

成人が一日に必要なカルシウム量は650〜750mg、高齢女性なら600〜700mg。乳製品はカルシウムを多く含み、なおかつ吸収率が高いので、できれば毎日摂取したいものです。

牛乳コップ1杯(200ml)約200mg
ヨーグルト1個(200g)約200mg
三角チーズ(2個)約200mg

その他、小松菜、チンゲン菜、大豆製品などにもカルシウムが含まれています。

なお小魚や海藻類はカルシウムが豊富ですが、どちらも腸からの吸収が悪いので、思ったほどカルシウムが摂れない場合もあります。

ビタミンDやビタミンKも積極的に

カルシウムの吸収を促すビタミンDやビタミンKが含まれる食材も積極的に摂りましょう。

ビタミンDは卵、牛乳、チーズ、椎茸やキクラゲなどのキノコ類、鮭、サンマ、イサキ、ウナギなどに多く含まれています。また、ビタミンKは緑茶、納豆、小松菜、ほうれん草、
海老、ブロッコリーなどに含まれます。

ビタミンDは、日光を浴びることで体内でもつくられます。ただし浴びすぎると肌が老化してシワが増えるので、顔は紫外線対策をしたうえで、ウォーキングなどで毎日15〜30分ほど屋外で過ごすといいでしょう。

※本稿は、『80歳、これからが人生本番 現役内科医の一生輝く生き方のコツ』(世界文化社)の一部を再編集したものです。