富山県庁で打ち合わせをする高田莉玖さん(左から2人目)ら「県庁DX推進サポーター」の学生=2026年3月18日

 富山県は、専門知識を持つ学生と協力し、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務の効率化に力を入れている。国政選挙の作業の一部をデジタル化し成果が出た。財政課では書類整理に生成人工知能(AI)を活用する取り組みも進めており、県は「画期的だ」と手応えをつかんでいる。(共同=石飛哲平)

 「お互いに足りない部分を補い、ウィンウィンの関係だ」。学生は富山県立大の学生団体「POLYGON(ポリゴン)」のメンバー。デジタル化を進めたいが民間エンジニアの十分な確保が難しいと考えた県が連携を呼びかけた。2021年に大学との協働事業として始まり、翌年から学生を会計年度任用職員として雇用。現在は8人が「県庁DX推進サポーター」としてデジタル化推進室と協力し、授業の合間に業務に当たっている。

 今年3月、庁内で開かれた報告会で大学4年の高田莉玖さん(23)は取り組んだ事例を紹介し「成功例を作ってDXの輪を広げていく」と意気込んだ。

 国政選挙の際に得票数や有権者数を手動で集計していた県選挙管理委員会。市町村との連絡に電話やファクスを用いており、労力削減が課題だった。米マイクロソフトのアプリ導入により、昨夏の参院選では人員を7人削減。「反対もあったが、やっていくうちに浸透した」との職員の声も。今年2月の衆院選でも報道機関への情報提供がスムーズに行えたという。

 財政課への予算要求では、書類の作成時期や部署ごとにファイル形式が異なっていた。形式を統一して生成AIに読み込ませると財政課職員が情報を探しやすくなるため、予算査定での実用化に向け作業を進めている。

 高田さんは「自分の業務でDX化できるかもという発想が大切だ」と指摘。県のデジタル部門を統括する滑川哲宏地方創生局長は「デジタル化やAIの進歩が止められない中、地方自治体としてとても大きな一歩だ」と話している。

富山県庁で打ち合わせをする高田莉玖さん(中央)ら「県庁DX推進サポーター」の学生=2026年3月18日

富山県庁で開かれた報告会=2026年3月3日