黄河上流で自然と文化を生かした農村振興 中国青海省尖扎県

【新華社西寧4月17日】中国青海省黄南チベット族自治州尖扎(せんさつ)県では、生態保護を前提に、観光と文化資源を組み合わせた地域づくりが進められている。青蔵高原では珍しい谷あいの地に位置し、黄河上流が県内を約96キロにわたり蛇行する地理的条件を生かした取り組みが特徴だ。
地質変動によって形成された独特の景観でも知られる同県では、赤い堆積岩が隆起した丹霞地形が広がる景勝地・坎布拉(カンブラー)が2025年4月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界ジオパークに認定された。これを契機に、保護を優先しつつ遊歩道や展望台、観光サービス拠点の整備が進められ、自然環境の価値を観光資源として活用する動きが強まっている。

同県はまた「民族弓道の郷」としても知られる。弓術は日常生活に根付いた伝統文化で、「五彩神箭(ごさいしんせん)」のブランドの下、民間の活動から国際的な競技大会へと発展し、地域の文化資源としての活用が進んでいる。
黄河沿いでは、水辺や景観を生かした観光型の農村振興が具体化している。徳吉村では約6平方キロの水面資源を生かし、砂浜広場や親水型レジャー施設、農家民宿の整備を進め、観光拠点としての機能を高めた。来玉村では、河岸の景観を生かし、民宿や果物狩りなどを組み合わせた「宿泊・体験・レジャー」一体型のモデルを構築し、住民の地元就業と収入増につなげている。

こうした取り組みにより、点在していた自然・文化・観光資源は次第に線でつながれ、黄河沿いに民宿帯が形成されつつある。25年の観光客数は延べ325万人を超え、観光収入は10億9千万元(1元=約23円)を上回った。生態環境の保護を前提に、その価値を地域の発展へと結び付けるモデルが形になりつつある。(記者/白瑪央措、張竜)








