古河電工三重事業所(三重県亀山市)内に解説された光ファイバケーブルの第2工場(画像: 古河電工の発表資料より)

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●古河電工、フジクラが過去最高益

 中東情勢で相場が不安定な中、電線大手3社(古河電工、フジクラ、住友電工)は好調な動きを見せている。

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 特に、古河電工とフジクラは過去最高益を記録しており、上値追いの動きが顕著となっている。

 古河電工の株価は6日、25年半ぶりに株式分割考慮後の過去最高値を記録し、フジクラも4月13日に上場来高値を更新、時価総額も初めて10兆円を超えた。

 この数年、生成AI需要に伴う光ファイバーや電線の需要増加で好決算、株高となっているが、これからもAIブームを追い風に上値を追い続けるのだろうか?

●単なる電線需要だけではない?

 株式市場に好感されているのは、AI向けのデータセンターの需要だけでない。

 データセンター内では、サーバー同士を超高速で繋ぐ必要があり、光ファイバーに求められる基準が劇的に変化した。

 フジクラが持つ完結固定型ファイバーリボン(SWR)や、それを収容するWrappable Tube Cable(WTC)などが高く評価されている。

 NTTが提唱するIOWN(光電融合)構想により、電気で行っていた処理を光に変える光電融合デバイスの開発が進んでおり、古河電工とフジクラは光コネクタや特殊ファイバーは供給源として強みを持つ。

 古河電工は、原材料費高騰分を適切に販売価格へ転嫁する新しい契約体制への移行が進むことも、利益の増加につながり、株式市場では株価への影響も期待される。

●中東情勢のリスクに注意

 米半導体大手のエヌビディアが好調なことから、AI需要はまだまだ強い。

 ただ、中東情勢の緊迫化というリスクはある。

 両社ともに直接中東との取引比率は高くないが、ホルムズ海峡封鎖などの影響でサプライチェーンへの影響が懸念される。

 物流の面では、紅海を通るルートも危険となり、喜望峰を回るルートに変更されれば、輸送日数も伸び、コストも上がる。

 電線メーカにとっては生命線の銅の価格が乱高下すれば、価格転嫁できるとは言え、利益圧迫になる。

 製造コストも原油・天然ガスの価格が上がれば、大量の電力を消費する光ファイバーや電線の製造に大きな影響が出る。製造をストップせざるを得ないとなれば、株価の大きな下落要因となる。

 実力を伴った期待感はあるが、株価の価格調整リスクには注意が必要だ。