定年後に「通訳案内士」として働きたいです。インバウンド需要で稼げると聞きましたが、実際の「年収」はいくらですか?
通訳案内士はどんな仕事か
通訳案内士とは、国家試験に合格した人に与えられる資格です。「通訳案内士法」の定義は以下の通りです。
「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることをいう。)を業とする。」
通訳案内士と聞くと、外国語を通訳する通訳者をイメージするかもしれません。通訳も業務の1つですが、より多くの業務が求められます。業務内容には以下のような内容が含まれます。
通訳案内士には積極的な行動が求められます。外国人観光客が旅程を可能な限り順調にこなせるようサポートしなければなりません。ハプニングが起きても、冷静沈着に処理することが求められます。
また観光客をできるだけ喜ばせられるよう、エンターテイナーになった気持ちで接客することが大切です。
1日の報酬相場と年収目安
国土交通省が発表しているアンケートによると、2023年における通訳案内士の見込み年収は表1の通りです。
表1
出典:国土交通省「通訳案内士に対するアンケート調査 集計結果まとめ」を基に筆者作成
ボリュームゾーンは「10~50万円未満」の22.9%でした。400万円以上の見込み年収がある人は、全体の6.0%しかいません。この結果を見ると、国家資格とはいえ、平均的には高い年収を得られる人は少数のようです。
なお1日1案件あたりの平均収入は、「2万~3万円未満」がボリュームゾーンで35.5%でした。次点が「3万~5万円未満」で24.6%です。1日の報酬単価としては高いですが、年収ベースでみると高額ではなさそうです。
定年後に始める際の注意点
上記のアンケートによると、全国通訳案内士として活躍している人の年代は、60代以上が半数以上を占めています。また居住地については、関東や近畿の大都市圏に偏在しているようです。
ある程度稼ぐためには、大都市圏に近い場所にいる方が有利になる可能性があります。また試験内容が難関である点にも要注意です。2023年の受験者数は3638人でしたが、1次試験の合格率は22.7%しかありませんでした。また最終合格率は12.0%です。
また登録言語は、英語が約8割とほかの言語と比較して圧倒的です。定年後にこれまでのスキルや経験を生かして全国通訳案内士になろうとしても、英語以外の言語ではさほど仕事の受注を見込めない可能性もあるでしょう。
平均見込み年収は「10~50万円未満」がボリュームゾーン
全国通訳案内士へのアンケート結果によると、見込み年収は「10~50万円未満」がボリュームゾーンでした。400万円以上の見込み年収がある人は、全体の6.0%に過ぎません。
居住地や使用する言語などによっては、思うような年収を得られない可能性もあります。定年後に得意の言語を生かして働きたいと思う場合は、どれほどの需要がありそうか事前に調べておくとよいでしょう。
出典
e-GOV法令検索 通訳案内士法(昭和二十四年法律第二百十号)
一般社団法人日本観光通訳協会 通訳案内士になりたい方へ
国土交通省 通訳案内士に対するアンケート調査 集計結果まとめ 1、3ページ
日本政府観光局(JNTO)2023年度 受験者数及び合格者数
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

