《土佐のfood記》初ガツオ豊漁に沸くカツオの町中土佐町【高知】
高知の豊かな風土が育む食の魅力を紹介します。第一回は早くも初ガツオの季節を迎えた中土佐町です。
■揚田アナウンサー
「中土佐町久礼の大正町市場にやってきました。久礼といえばカツオ。ことしは早くも初ガツオシーズン」
大正町市場で創業100年以上の田中鮮魚店を営む田中隆博さんにお話を聞きました。
■田中鮮魚店・田中さん
「ことしは少し早めにはじまった 小さいけど美味しいカツオが獲れているので お客さんもよろこんでもらえている」
しかも味も良いそうで。
■田中鮮魚店・田中さん
「大体5月くらいに出るちょっと脂の甘みの多いもちもちしたカツオが3月から出ている 特に地元の漁師さんが大喜びでカツオばっかり食べている」
漁師もよろこぶ美味しさだという今シーズンの初ガツオ。
しかし消費者に美味しく提供するには鮮魚店も大事な役割を担います。
■田中鮮魚店・田中さん
「とにかく『はずれ』を出さないというのが魚屋の使命」
「美味しいのを選ぶというのもあるけど とにかくカツオでがっかりさせない」
田中さんが「はずれ」というのが「ゴシ」と呼ばれるかたいカツオの身。
食感が悪く生臭いとされ、プロの目利きで「ゴシ」を省いていきます。
見た目では分かりづらいですが触ってみると。
■田中鮮魚店・田中さん
「かたい」
「肩こりの芯がぐりぐりってあるみたいな 打ち身によって生じるのは経験値から出ているが それがどういう変化を起こしているのか それがどういう味に変化するのか カツオもそこまでいくと面白い」
プロの目利きで仕分けたカツオは自家製のワラで炙ります。
いざ、藁焼き初挑戦です。
実はこの藁焼きにもカツオを美味しく食べる漁師町ならではの特徴があります。
■田中鮮魚店・田中さん
「漁師さんが多いのでまず(調理の)時間が短いこと 即できるというのが せっかちな漁師町の要件なので けどしっかり強い火力で焦がして焼ききる その代わり刺し身はしっかり残したいので焼きを薄めにする 強火で短時間でパリッと焦がして赤身をしっかり残すというのがうちの特徴」
強火で短時間に焼き上げた藁焼きの初ガツオ。その味は?
■揚田アナウンサー
「間違いない美味しさ 火が入っているのは周りだけなので 食感の違いも楽しめるし 刺し身の部分はもちもちして美味しい 身のほどけ感が違いました」
■田中鮮魚店・田中さん
「新しいのをちゃんと氷を効かせて獲ってきてくれる漁師さんがいてのぼくたち どんどんクリアしていったすえに いまの高知のカツオの食文化 美味しいカツオを食べる食文化が残っている」
この初ガツオの美味しさは先人たちによって育まれてきたものでもあります。
■田中鮮魚店・田中さん
(久礼のカツオ文化はいつから?)
「400年以上前から1本釣りがはじまった時点で 小さな船で10人くらい乗って エンジンもないから手漕ぎで ここから活きえさを持って 行けるくらいの距離で釣れていたんだろう 高知は1年のうち半分くらいはカツオ(の漁期)だから いかに美味しく食べて残すかというのは生活の一番大事な部分だったのだろう 」
そんなカツオの町・久礼には至る所にカツオの姿が。道路を見ればマンホールにはもちろん。
地元の神社・久礼八幡宮にはカツオの絵馬を奉納。よく見ると刺身も藁焼きも盛り合わせていてカツオ愛にあふれています。
さらに中土佐町教育委員会はカツオの町の歴史を伝えるあるものを保管しています。
また中土佐町はシン・鰹乃國プロジェクトを打ち出し、今後ますます「かつおの町」のブランド化に力を入れることにしています。
プロジェクトのメンバーでもある田中さんはカツオの町の未来を次の世代につなぐには「楽しさ」が必要だといいます。
■田中鮮魚店・田中さん
「カツオで稼いで豊かになるというよりは カツオとともに楽しく暮らすっていうのが最終目標 次の世代に引き継ぐには楽しんでもらわないと続かない 『日本のトップランナーを久礼のカツオで走るんだ』っていう楽しみがあるなかで お金も稼げて 田舎でゆっくりというか 自分なりのペースで暮らせるっていうのが 次世代の子どもたちに引き継げる条件なのかなと 高知もハッピー カツオもハッピーっていうのが1番いい」
400年の歴史と地元の漁師、そして目利きのプロが支える久礼の初ガツオの美味しさはことしも人々に幸せを運びます。
