人も福も呼ぶ招き猫7千点「ニャロメ」も 愛知・瀬戸の専門ミュージアムが人気

焼き物のまち・愛知県瀬戸市の「招き猫ミュージアム」には全国から集めた招き猫約7千点が収蔵されている。大正末期製造のものや故赤塚不二夫さんが人気キャラクター「ニャロメ」を描いた一点ものなど、個性豊かで貴重な作品が並ぶ。招き猫は右手でお金、左手で人を呼ぶとされる。同館を立ち上げた猫専門カメラマン板東寛司さん(75)=新潟県村上市=は「多面的に招き猫の魅力を感じられる場所」と語り、来館を呼びかける。(共同通信=渋谷菜七)
ミュージアムは板東さんと妻のライター荒川千尋さん(66)が2000年、群馬県嬬恋村で設立した。集めた作品を収蔵しきれなくなったことなどから移転を検討。瀬戸市で招き猫や干支の置物を製造販売する「中外陶園」が運営することになり、2005年にリニューアルオープンした。
ミュージアムによると、招き猫は江戸末期にだるまなどと並ぶ縁起物として生まれた。明治時代に瀬戸市で量産が始まり、つやのある磁器製で本物のネコそっくりに描いた「古瀬戸タイプ」が作られた。昭和に入り、小判を抱えた2頭身の「常滑タイプ」が主流となり、全国に広まった。
館内では各時代に作られた作品の他、英語圏で使われる「カモン」のハンドサインのように手のひらを内に向け、ドルを持つ輸出用招き猫も展示されている。今年2月、東京都内から訪れた大学2年生の男性2人は「想像以上に種類がある」と圧倒された様子だった。
ここ数年は年間1万人超が来館する。愛好家に「招き猫のふるさと」と呼ばれ中国や台湾など海外からの観光客も目立つ。学芸員の井上美香さん(65)は「招き猫をきっかけに、焼き物をはじめものづくりの楽しさを知ってほしい」と語った。

