柔道の全国高校選手権が27、28の両日、東京・日本武道館で開かれる。女子57キロ級に挑む香椎(福岡)の川分花(3年)は「どんな相手でも前に前に、強気で攻めていきたい」と、初の大舞台で躍動を誓う。 (学年は新学年)

 福岡県篠栗町出身の川分は両親と姉2人の影響で4歳から柔道を始めた。幼少期から頭角を現し、篠栗中で2度出場した全国中学校柔道大会では2年で16強、3年で8強入り。強豪校から勧誘もあったが、高校は3学年上の長姉、舞依(20)=国際武道大=が稽古を積んだ香椎を選んだ。

 精鋭ひしめく福岡で、得意の内股を武器に高校1年から上位に食い込むも、昨年秋に試練を味わった。頂点を狙った県新人大会の直前、練習中に右膝を負傷。山崎新太監督(44)に泣いて出場を訴えたが「柔道人生の将来を考えると無理をさせられない」と諭され、切り替えるしかなかった。

 足腰を強化できない分、上半身を徹底的に鍛えた。苦手だったベンチプレスは20キロから最高45キロを持ち上げられるまでに成長。「組み手を切られることが減り、内股も最後まで手を離さずに投げられるようになった」。成果を裏付けるように今年2月の全国選手権県予選で優勝を飾り、日本一への挑戦権を獲得。山崎監督は「自分の努力で逆境をプラスに変えて成長した」と目を細める。

 男子66キロ級で世界選手権を2度制覇し、昨年2月に現役引退した丸山城志郎さん(32)=福岡・沖学園高出身=に憧れる。小学5年だった2019年4月、福岡市で行われた全日本選抜体重別選手権を家族で観戦。同級決勝で丸山さんが宿敵の阿部一二三(パーク24)と闘い、13分を超える熱戦の末に勝った場面を今も忘れられない。「あんなふうに格好良くて切れのある内股を」と、丸山さんの映像を繰り返し見て技を磨いた。

 試合に勝った日に父の顕さん(48)が作ってくれるオムハヤシライスが大好物だ。全国選手権が行われる日本武道館には家族全員が応援に駆け付けてくれる予定という。「きつい時も家族や仲間たちのサポートがあったから柔道を続けられた。みんなの前で投げて勝ちたい」。強い決意を胸に抱き、17歳が勝負の畳に立つ。 (山崎清文)

 川分 花(かわわけ・はな)2008年10月1日生まれ。5人きょうだいの三女で、両親も含めて家族全員が柔道をする。福岡県篠栗町の篠栗道場で鍛え、小学4年から3年間はフェンシングも経験した。目標とする女性柔道家は新井千鶴(三井住友海上)。156センチ。