バケツ1杯で衣類きれいに 能登地震受け洗浄剤開発

バケツ1杯分の水で衣類をきれいに―。災害時の衛生用品を開発する名古屋市の「Ethical Japan(エシカルジャパン)」は、洗濯機が使えなくても少量の水で洗える粉末洗浄剤を販売している。2024年元日の能登半島地震で断水などにより洗濯が十分にできなかったとの声を受け、会社が設立された。犬塚耀規総務部長(48)は「被災後、洗濯に困る状況があったことを知ってほしい」と語る。(共同通信=西村優汰)
能登地震に関する報道が徐々に減っていく中で現地の様子を知りたいと考え、2024年7月、石川県珠洲市などに行った。被災者と話していると、川の水を使ったり、車で数時間かかる金沢市のコインランドリーに出向いたりして、苦労しながら衣類を洗っていると知った。
停電や断水、自宅の被災で洗濯機が使える状況ではなく、既存の洗剤で手洗いしてそのまま流せば環境へ悪影響が出る可能性もあった。そのため少量の水でも効果があり、環境への負荷も低い洗浄剤を作ろうと考えた。
開発した洗浄剤は1袋(20グラム)で衣類5キロに対応。水を入れたバケツに入れ2〜3時間つけ置きすれば、こすり洗いをせずに皮脂などが落ちるとしており、独自に配合した酵素などが効果を発揮するという。商品化に携わった同社の岩間大徹取締役(25)は「洗うというよりは分解する」と説明する。
自治体からの購入を中心に3万5千袋以上が売れた。岩間さんは、少しでも清潔な環境は災害関連死の予防にもつながると指摘し「洗浄剤を通じて、被災後の衛生環境を良くしていきたい」と語った。
