将棋の第11期叡王戦本戦トーナメント準決勝が3月5日、大阪府高槻市の関西将棋会館で行われ、藤井聡太竜王・名人(王位、棋聖、棋王、王将、23)が永瀬拓矢九段(33)に107手で敗れた。この結果、藤井竜王・名人の叡王戦敗退が決定。伊藤匠叡王(王座、23)への挑戦権は永瀬九段と斎藤慎太郎八段(32)によって争われることとなった。

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 叡王再挑戦、奪還を目指していた藤井竜王・名人が、準決勝で姿を消した。厚い壁となって立ちはだかったのは、現在王将戦七番勝負を戦う永瀬九段だ。準決勝での激突では、先手番となった永瀬九段が角換わりを志向。藤井竜王・名人はやや変化球の3三金型を選び、早繰り銀を採用した。

 互いの深い研究がぶつかる序盤から、永瀬九段の積極的な攻めが刺さる進行に。受けに回った藤井竜王・名人だったが、しのぎ切ることができず苦しい時間を過ごすこととなった。容赦無く持ち時間を削られる苦しい流れに追い込まれ、考慮を重ねても永瀬九段の背中は遠い。効果的な勝負手を繰り出すことができず、静かに投了を告げることとなった。

 勝利した永瀬九段は、「判断が難しいと思っていたので、攻めを防がれる形にされないように気をつけていた」と一局を総括。12日に予定されている挑戦者決定戦に向けて、「しっかり準備をしたい」と意気込みを語った。

 一方、藤井竜王・名人は「本局は中盤以降ずっと苦しい展開になってしまい、実力不足だったと思う」と肩を落とした。過密日程でのコンディションを問われると、「体調は問題ないが、ミスの多い将棋が続いてしまっているので修正していかないといけない」と厳しい表情を見せていた。

 2024年度、同い年のライバルである伊藤七段(当時)に敗れ失冠した藤井竜王・名人。今期は「八冠復帰」へ向けた重要なリベンジロードだったが、前期に続き無念の準決勝敗退という結果に終わった。さらに、2つのタイトル防衛戦でも苦しい“ダブルカド番”を迎えており、直近10局の公式戦成績は5勝5敗に。2025年度の通算成績は36勝13敗で勝率は.735と高勝率をキープしているが、負けが重なるまさかの事態となっている。

 両者は、中2日の8日から王将戦第5局に臨む。シリーズ成績は、挑戦者の永瀬九段が3勝1敗でタイトル奪取に“王手”をかけており、藤井竜王・名人は試練の時を迎えている。この超難局をどのように乗り切るのか。若き絶対王者の戦いからますます目が離せない。

(ABEMA/将棋チャンネルより)