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日本人ファースト、日本の外交姿勢、イスラム教徒の土葬墓地問題――。全く異なるバックグラウンドを持つ女性たちが、それぞれの立ち位置から一斉に声を上げた。SNSや草の根展開で沸き起こる伝統的な保守政治への揺さぶり。盤石を誇ってきた自民重鎮・岩屋毅氏(68)の足元で、いま何が起きているのか。

【写真を見る】自民重鎮に女性4人が挑む特異な構図 争点に「外交」「土葬墓地」…揺らぐ伝統の保守政治 衆議院選挙大分3区

牙城に走る亀裂

衆院選大分3区。前回に続き自民前職の岩屋氏と、新党「中道改革連合」から挑む小林華弥子氏(58)が火花を散らす。前回は岩屋氏が約2万7000票の差をつけて勝利したが、今回の構図は一変した。

カギを握るのは、3区に1万~1万5000票あるとされる「公明票」の行方だ。前回の調査では、公明支持層の約8割が岩屋氏に投票したが、今回は公明と立憲が結成した新党「中道」の影響で、小林氏への大幅な上積みが見込まれている。

岩屋氏は「基本的には危機感を持っている。公明党の立場を尊重しつつ、丁寧にお願いしたい」と、足元の引き締めに必死だ。

揺れる伝統の保守政治

もう一つの焦点は、保守系候補の乱立。岩屋氏の政治姿勢と異なる意見を持つ新人女性3人が名乗りを上げた。

参政党の野中貴恵氏(41)は、大分1区に立候補した野中しんすけ氏の妻。前回の衆院選(福岡1区)に続く2度目の挑戦となる。『日本人ファースト』を掲げ、消費税の段階的減税を主張。「子どもたちが安心して大人になれる日本にしたい」と夫婦での当選を目指し、支持拡大を図る。

日本保守党の岩永京子氏(64)は、父親が岩屋氏の後援会長を務めていたという縁を持つが、今回は「岩屋氏の政治姿勢について日本の国益に反する」と対決姿勢を示す。移民制限や物価高対策を掲げ、「日本の国益を損ねる岩屋議員を当選させてはいけない」と訴える。

無所属の平野雨龍氏(31)は、去年夏の参院選東京選挙区で23万を超える票を獲得した実績を持つ。「誰かを批判する選挙ではなく、大分の未来を語り合う選挙にしたい」と強調。議論となっているイスラム土葬墓地計画への反対や、外国人帰化制度の厳格化を訴える。

序盤の情勢調査では、岩屋氏と小林氏が接戦を展開。重鎮による11回目の当選か、それとも「中道の波」と「保守の地殻変動」が下克上を起こすのか。大分3区冬の陣は、終盤を迎えようとしている。