2025年の新車販売は全体的に前年の横ばい! 圧倒的シェアを誇る「トヨタ次第」な新車の売れ行き

この記事をまとめると
■2025年の新車販売は登録車・軽自動車ともにほぼ横ばいであった
■トヨタの計画供給ともいえる販売状況と顧客の購買行動の変化が市場を固定化させた
圧倒的シェアを誇るトヨタの計画供給で新車市場は安定化
2026年1月5日、自販連(日本自動車販売協会連合会/登録車)、全軽自協(全国軽自動車協会連合会/軽自動車)からそれぞれ2025年12月単月の新車販売台数が発表された。それとともに2025暦年締め(2025年1〜12月)での年間新車販売台数も発表となった。
まずは2025年12月単月締めでの新車販売台数を見ていこう。登録乗用車の販売台数は18万1628台(前年同期比98.4%)、軽四輪乗用車は9万6440台(前年同期比100.7%)となった。登録乗用車、軽四輪乗用車ともにほぼ前年同期比で横ばいとなっている。

登録乗用車については依然としてトヨタ車全般において納期遅延や断続的な新規受注停止が続いている。トヨタがここ数年において半ば「計画供給」とも表現できてしまうような生産及び販売状況が続いているなか、前年同期比横ばいということは、統計数値だけを見れば、トヨタより速やかに納車できる体制下で販売しているトヨタ以外のメーカーへお客が流れていないことを意味しているともいえるだろう。
軽四輪乗用車は、2025年11月比で91.4%となっている。11月に少し頑張ったぶん、12月はやや抑えめといえる数字となっているように見える。軽自動車の場合は販売台数での最後の調整は自社届け出(新規届け出[売り先の決まっていない在庫車にディーラー名義などでナンバープレートだけつけて販売台数の上乗せを行う])となるので、自社届け出を抑えた結果ともいえるかもしれない。
諸物価高騰もあり、自社届け出の副産物ともいえる届け出済み未使用中古車(以下未使用中古車)は、本来当年もの(2026年なら2026年式)であっても、新車で買うより割安というのがウリとなっているが、当年ものでは新車で買う場合とほぼ同等かそれ以上購入費用がかかってしまっている。当然売り上げもいままで並みというわけにもいかないので、市場における未使用中古車の流通在庫数が多めになっており、それもあって2025年12月は自社届け出に抑制がかかったのかもしれない。

続いて2025暦年締め年間新車販売台数を見ていこう。まず登録乗用車の2025暦年締め年間新車販売台数は253万3523台(前年同期比100.4%)となった。2025年12月単月締めのところでも触れたが、圧倒的なシェアで国内販売ナンバー1のトヨタが計画供給を続けているため、前年同期比横ばいとさせている面は多かれ少なかれあることは否定できないだろう。
加えていえば、いまの新車販売では流動性が少ないともいえるかもしれない。昭和のころならば、欲しいクラスでライバル車5台ぐらいを比較商談しながら値引きを吊り上げるといった買い方が一般的であったが、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する令和では、若い世代ほど事前にネットなどで独自に調べて購入車種を本命一本に絞り込み、そのまま購入条件を調整して契約となるケースが多いようだ。

そのため、数台を比較検討していくなか、値引きなどの違いもあり本命車ではない車種を最終的に購入するといった流動性がなくなってきているのである。事前調査ではもちろん「好き・嫌い」という趣向性もあるが、やはり「よく売れているのか」とか、それこそ残価設定ローンを使っての新車購入が多いとされているので、再販価値なども考慮していけば、トヨタ車に流れやすくなっているともいえる。
2026年は軽自動車の販売台数トップ争いに注目
納車まで時間がかかるというのも、新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いたころに、世界中の自動車メーカーで生産遅延が発生し、トヨタに限らず納車まで待たされる事態を経ているので、「来月車検切れになる」といった切迫した状況で新車購入を検討するひとは珍しい存在となっているとも聞いており、購入希望者も「新車は納車まで待たされても仕方ない」という認知が定着しているようにも見える。

登録車に比べれば、メーカーや個別車種にこだわりをもたずに購入する傾向のある軽自動車は流動性が登録車より高いとされている。ただそれもひとつの場所で複数メーカーの軽自動車を販売している未使用中古車専業店に限った話ともいわれている。軽自動車でも純粋に新車として購入する際の購買行動は登録車と同じとなり、ホンダはN-BOXの販売台数にこだわり、スズキとダイハツはブランド別販売台数ナンバー1を競い合うのも、それをアピールすることで本命車に絞り込んでもらいやすくなることを狙っているのである。
その軽四輪乗用車の年間新車販売台数は130万2857台(前年同期比108.4%)となっている。2024年はダイハツが途中まで認証問題による出荷停止などの影響で販売減が目立っていたが、2025年は復調傾向が目立ったことが販売台数を押し上げているのは間違いない。
2025年12月単月をみると、軽四輪車総台数ではダイハツがわずか183台差でトップとなっている。軽四輪乗用車では、5000台ほどの差でスズキがトップで、軽四輪貨物ではダイハツが5000台ほど差をつけてトップとなっている。単月締めでは2025年10月にはダイハツが軽四輪総台数、軽四輪乗用車、軽四輪貨物それぞれで販売ナンバー1となる三冠を達成している。まだまだ様子を見る必要はあるものの、ダイハツの完全復調も時間の問題なのかもしれない。

気になるのは軽自動車販売における、スズキとダイハツでのブランド別年間販売台数争いの結果となる。2025暦年締めでのブランド別年間販売台数では、軽四輪総台数では56万8547台を販売したスズキがトップだ。軽四輪乗用車では45万4308台を販売したスズキが、そして軽四輪貨物車では15万5533台を販売したダイハツがそれぞれトップとなった。2024暦年締めでは約23万台差をつけスズキがトップだったが、2025暦年締めは約5.7万台差となっている。
2025暦年では、ダイハツはまだまだ認証問題の影響をひきずっていたので前半伸び悩んでいたものの、後半からは復調傾向が目立っていた。それでもスズキを抜き去ることはできなかった。認証問題、そしてそれによる出荷停止の間は、ダイハツからスズキに流れたお客も目立っていたと聞いている。今後はこの流れたお客を取り戻す努力をしないと、トップ争いを展開するとはいえ、自社届け出による販売台数の上乗せが顕著となるだけともいえる。

まずは2025事業年度締め(2025年4月〜2026年3月)での年間新車販売台数におけるダイハツの復調ぶりに期待したいところである。2026暦年締めではスズキがトップを維持できるかが注目のポイントとなるだろう。


