仕事で成功するためには、何にお金を使うのが効果的なのか。実業家の堀江貴文さんは「僕は、ランチではうな重を食え、と言いたい。安くてそこそこ腹を満たせるひとりメシを続けている人は、ライフステージを上げるチャンスを失っている」という――。

※本稿は、堀江貴文『あり金は全部使え』(マガジンハウス新書)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/bee32
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■酒食にはお金を惜しまなかった

起業後、社長になってからは、酒食にはお金を惜しまなかった。

多少の資産を持つようになっても、貴金属や不動産を買ったりせず、もっぱら美味しいお酒と料理を味わうのに消費した。

海外旅行で、お金を使う大部分は、現地のグルメだ。

土産などは、ほとんど買わない。日本料理から世界各地、数えきれないほど、最高のレストランで食べてきた。

あまり人に自慢するようなものはないのだけれど、美食に関しては、一般的なグルメ通より、だいぶ詳しいと自負している。

僕がそこに浪費をいとわないのは、純粋に美味しいものが好きだから。

もうひとつは、人生を楽しくする投資として、リターンが良いからだ。

食は文化であり、歴史を知ることができる。例えば中国で料理技術が発展したのは、中国皇帝の権勢の顕示欲が背景となっているとか、日本での発酵食品の発達には、湿度の高い国土で保存の利く料理をつくりだす必要があったからなど、料理と歴史は密接に関わっている。

美味しいものを突きつめていけば、歴史通の道にも通じるのだ。

ワインや日本酒など各国のお酒の歴史や蘊蓄も、ずいぶん学べた。これらは後に小説を書くのにも役立っている。

■美食の場には経済的な成功者が集まる

酒食にお金を費やすことで得られる一番のものは、幅広い人間関係だ。

美食の場には、経済的な成功者が集まっている。彼らとの新鮮で刺激的な会話も、ご馳走だ。

またグルメ好きは、分野の垣根を越える。仕事しているだけでは出会えない、各界の著名人やタレント、インフルエンサーと知り合えるのが面白い。

僕は毎晩のように、彼らと酒席を囲み、魅力的な情報を教えてもらい、しばしば熱いディスカッションを交わしている。

新しい発想が生まれ、ビジネスを立ち上げる機会にもなる。TERIYAKIアプリや、WAGYUMAFIAの活動は、酒食にお金を投じた長年の経験の賜物だ。

「起業するためにお金を貯めています!」といって、食事はすべて吉野家の牛丼かマクドナルドで済ませている若者がいる。牛丼もマクドナルドも別に不味くはないが、あまり推奨できるスタイルではない。

食には、ケチらずお金を注ぎこむべきだ。

投じた以上の機会創出と、知識を満たすリターンが得られる。そして何より、あなたのブランド価値を高める。

安くてそこそこ腹を満たせる、ひとりメシを続けていると、その回数ぶん、ライフステージを上げるチャンスを失っているのだと気づいてほしい。

僕は、ランチではうな重を食え! と言いたい。

■老舗店のうな重を食べてほしい

それもチェーン店の数百円のうな重ではなく、浅草や日本橋など、老舗店のうな重を食べてほしい。5千円以上するが、その金額ぶんの学習代金だ。

写真=iStock.com/JUNICHI HIRAISHI
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ランチに老舗のうな重を食べられる人たちは、まずお金持ちだ。会話のレベルも高い。そういう人たちに囲まれる環境に身を置けば、思いがけない出会いのチャンスが増える。

ランチに、名店のうな重食べてるの?」「面白いヤツだ。別の店にも連れてってやるよ」など、声を掛けられるようになるだろう。

5千円のうな重を食べる、それ自体が情報のシャワーだ。

このご時世に、なぜ一食に5千円もの値段がついているのか? 味を維持する方法とは? 経営がどうやって回っているのか? 情報を集めて、知りたくなるだろう。

高額のランチは、外食産業の構造を考えるのに、格好の機会となる。舌を通して考えるので、思考はより深まり、学びの質も上がるだろう。

うな重を食べるには、健康であることも大事だ。体調のバロメーターとしても、役に立つ。美食への出費は、いいことづくめなのだ。

■僕が今10代ならスマホジャンキーになっていた

僕が小さかった頃、家の周りには遊具がなかった。整った公園もなかった。

近所ですべり台や砂遊びをしたという記憶が、あまりない。

自然が豊かなのはいいけれど、40年ほど前の福岡県八女市には、子どもの好奇心を満たすような娯楽が限られていた。

小学校に通う前は、家にある百科事典を、ひたすら読んでいた。

親を含めて周りに知的な大人がひとりもいなかったのもあるが、僕の好奇心を満たしたのは、未知の情報だった。

百科事典を読みふける子ども時代の読書体験は、情報を浴びる原体験だ。

幼稚園ぐらいから、知的好奇心がひと一倍、強い性格だった。

情報の価値を先んじて感じ取っていたわけではない。知らないことを知りたい。原始的な欲求で、いっぱいだった。

知らないことを知れば、世界は広くなり、やりたいことも増えていく。情報を獲得し続けなければ、得られない感覚だ。

情報によって、自分の視界が拓けていく喜びに、子どもの頃から夢中になった。

中学生でパソコンにハマり、知的好奇心はさらに爆発していく。

僕がいま10代だったら、間違いなくスマホジャンキーになっていただろう。

■スマホに罪はない

近年「スマホを使えば使うほど学力が破壊されてしまう」という説が問われている。

海外の大学などで、研究データにもまとめられている。スマホの長時間使用で、子どもたちの偏差値は大幅に下がり、精神的にも悪い影響が出るのだとか。若者のうつ病の発生には、スマホの長時間利用が影響しているという発表もある。

データ自体は、否定も肯定もしない。けれど「悪影響だから子どもたちにスマホは禁止!」とさけぶのは、非常に短絡的だと思う。

スマホ利用で悪い影響があるのは、間違いなく使い方だ。スマホに罪はない。

大人たちはまず、このツールを有益に使うための正しい教養を与えなくてはダメだ。スマホを禁止しても、子どもの学力は上がらない。

漫画ばかり読んでいても東大へ入る学生が多いように、学ぶ子は放っておいても勝手に学び、賢くなるのだ。ツールの方を制限するのは、悪手だと思う。

■常に最新・最高スペックのスマホを選ぼう

意欲的な子どもの知的好奇心を満たすのに、スマホはなくてはならない。

堀江貴文『あり金は全部使え』(マガジンハウス新書)

スマホなんかなくても良い情報や出会いは得られる、という意見も間違いではない。だが、スマホがあればもっと便利にできますよ、と普通のことを教えるのが、賢い大人ではないか。

使いたい放題、使わせればいい。周りが変に邪魔しないことだ。

昔は、漫画を読んだらバカになる、テレビは勉強の邪魔になると、口酸っぱく言われた。勉強しなくなるからと、親にパソコンを捨てられたこともある。

好きなことを、何度となく封じられてきた。

けれど結局、大人になって役に立ったのはパソコンの知識であり、テレビマンガで培った感性だった。

楽しいことのネガティブな面しか見られない、親や教師の意見に従っても、いいことはないのだ。スマホは好きなだけ使いまくっていい! と強く述べておこう。

できれば格安スマホではなく、大手キャリアの回線を使ってほしい。

格安スマホは設定が面倒だし、使用制限もある。

大事な情報入手のツールを、安く済ませようという意識では、入ってくる情報の質も比例して低くなりがちだ。

情報こそが、あなたの価値の源泉だ。

値段ではなく、常に最新で、最高スペックのスマホを選ぼう。

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。
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(実業家 堀江 貴文)