不動産の売却益が「2000万円」でも手取りは「1400万円」しか残らなかった…!こんなに税金って引かれるの?
「売却益=そのまま手取り」ではない理由
多くの人が誤解しているのが、「売却益(譲渡益)」はそのまま手元に残るお金ではない、という点です。不動産の売却において利益が出た場合、一定の税金が課されるため、実際に使えるお金=手取り額はそこから差し引かれた金額になります。
この税金の正体が、「譲渡所得税」と呼ばれるもので、所得税・住民税・復興特別所得税の3つを合算した形で課税されます。たとえば2000万円の売却益が出た場合でも、最大で約30%前後が税金として徴収されることがあるため、手取りは大幅に目減りします。
不動産売却にかかる税金の仕組みを理解する
不動産を売却した際の税金は、売却価格ではなく、「譲渡所得」に対してかかります。ここでいう譲渡所得は、単純な売却価格ではなく、取得費や譲渡費用を差し引いた“実質的な利益”を指します。
計算式は以下の通りです。
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費+譲渡費用)
譲渡所得が出た場合、その金額に対して表1の税率が適用されます。
表1
※筆者作成
つまり、2000万円の譲渡所得が出た場合でも、5年以内に売却した場合は約800万円、5年超でも約400万円以上が税金として差し引かれる可能性があるのです。
手取りが「1400万円」になるまでのシミュレーション
表2では、実際に譲渡所得2000万円が出たと仮定して、5年超所有の場合の手取りをシミュレーションしています。
表2
※筆者作成
※諸経費や控除を加味すると、さらに減少して「1400万円前後」になるケースも想定されます。
このように、「2000万円の利益が出た」と聞くと、つい全額が自由に使えるお金だと思いがちですが、実際には最大で4割近くが税金で消えてしまう可能性があることを覚えておきましょう。
節税のポイントは「控除の適用」と「所有年数」
ただし、税負担を軽減する方法も存在します。代表的なのが「3,000万円の特別控除」です。これは、自宅を売却した場合に限り、譲渡所得から最大3000万円まで控除される制度です。
この制度が適用されると、譲渡所得が3000万円以内であれば税金が一切かからず、手取りがほぼ全額残ることになります。条件としては、居住用の住宅であることや、売却後の一定期間内に住まなくなったことが確認できるなどがあります。
また、「長期譲渡所得(5年超)」のほうが税率が低くなるため、売却のタイミングによって税額が大きく変わることにも注意が必要です。たとえば、所有期間が4年11ヶ月だった場合、あと1ヶ月待てば約20%近く税率が下がることになります。
まとめ
不動産を売却して「2000万円の利益が出た」としても、そのすべてが自由に使えるわけではありません。実際には譲渡所得税や住民税が差し引かれ、手取りは1400万円前後に減ることも珍しくありません。特に、所有期間や控除の有無によって税額が大きく異なるため、事前のシミュレーションと税務知識が不可欠です。
後悔しない不動産売却を実現するためには、「いくらで売れるか」だけでなく、「いくら残るのか」を意識することが大切です。税金の仕組みを理解した上で、最適なタイミングと戦略を練りましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

