AdobeがPhotoshopやPremiereなど向けのAIツールを発表、画像生成AIのFirefly Image Model 5ではネイティブ4MP解像度での画像生成が可能に

現地時間の2025年10月28日、Adobeが世界最大のクリエイティブカンファレンスである「Adobe MAX 2025」を開催しました。Adobeは主力製品であるAdobe ExpressやAdobe Firefly、Adobe Photoshopといったソフトウェア全体に、AI機能やAIアシスタントを導入すると発表しています。
Adobe Expands Creative Possibility with AI for Every Creator at Adobe MAX 2025
Adobe Delivers New AI Innovations, Assistants and Models Across Creative Cloud to Empower Creative Professionals
https://news.adobe.com/news/2025/10/adobe-max-2025-creative-cloud
Adobe Firefly Delivers Groundbreaking AI Audio, Video and Imaging Innovations and New Models in All-In-One Creative AI Studio
https://news.adobe.com/news/2025/10/adobe-max-2025-firefly
Adobe Introduces New AI Assistant in Adobe Express that Unlocks Creativity for All with Conversational Creation and Editing
https://news.adobe.com/news/2025/10/adobe-max-2025-express-ai-assistant
Adobe Firefly Foundry Delivers Proprietary and On-Brand Generative AI Models for Businesses
https://news.adobe.com/news/2025/10/adobe-max-2025-firefly-foundry
Our View on Agentic AI: AI Assistants That Work For You, In Your Favorite Apps | Adobe Blog
https://blog.adobe.com/en/publish/2025/10/28/our-view-agentic-ai-assistants-that-work-you-in-your-favorite-apps
Adobe GenStudio Introduces New Scaled Content Production Capabilities, Enhanced Model Customization with Adobe Firefly Foundry and a Growing Ecosystem of Ad Delivery Partners
https://news.adobe.com/news/2025/10/adobe-max-2025-genstudio
Adobe and YouTube Partner to Empower Creators to Produce Amazing Content and Grow Their Audiences
https://news.adobe.com/news/2025/10/adobe-max-2025-youtube
◆Creative Cloud
AdobeはPhotoshop、Lightroom、Illustrator、PremiereといったツールがまとまったツールキットのCreative Cloudに、生成AIや対話型エージェントAIを大規模導入すると発表しました。これにより、クリエイターは作業を効率的に、高精度に、短時間で実施できるようAIからサポートを受けることができます。
Photoshopの場合、生成塗りつぶし機能でパートナー企業のAIモデルが利用可能となります。生成アップスケールでは、低解像度画像やトリミングされた素材を、AIを用いて実質的に4K相当まで高画質化できるオプションが追加されることとなります。AIアシスタントを使えば、Photoshop上でチャット形式で操作を指示することが可能となり、例えば「この写真の背景を明るくして、雰囲気をもっとフォーマルに」といった指示を与えると、AIが適切なツール・手順を提示し、ユーザーが手動調整できる形で支援してくれるそうです。
Premiereではパブリックベータ版としてAIオブジェクトマスク機能が追加され、動画フレーム内の人物やオブジェクトを自動的に識別・分離し、手動のロトスコープ処理を必要とせずに編集・トラッキングすることが可能になります。これにより、動く背景へのカラーグレーディングやぼかし、特殊効果の追加といった処理が迅速かつ容易になるわけです。さらに、動画フレームの特定の領域を分離するための精密ツールとして、「Rectangle, Ellipse and Pen Masking(長方形、楕円、ペンマスキング)」という機能をパブリックベータ版としてリリース。より高速なトラッキング、双方向トラッキング、3Dパースペクティブトラッキングを提供するための再設計されたマスキングツールもパブリックベータとしてリリースされます。
Lightroomではさまざまなレベルのフォーカス、角度、鮮明さでフィルター処理する「アシストカリング」機能がパブリックベータ版としてリリースされます。この機能はクリエイティブプロフェッショナルが大規模な写真コレクションから最適な画像をすばやく特定するのに役立つ、高度にカスタマイズ可能なツールです。
◆Adobe Firefly

画像生成ツールとして登場したAdobe Fireflyですが、アイデア創出から制作、納品までを支援するオールインワンのクリエイティブAIスタジオへと進化を果たしています。
Adobe FireflyではAdobeの独自AIモデルであるFirefly Image Model 5のパブリックベータが公開されるだけでなく、GoogleのGemini 2.5 Flash ImageやBlack Forest LabsのFLUX.1 Kontextといったパートナー企業のAIモデルも利用可能となります。
また、Adobe Fireflyにはオリジナルのサウンドトラックを生成することができるAI機能の「Generate Soundtrack」や、テキストからナレーション音声を生成できるAI機能の「Generate Speech」、タイムラインベースのAI動画エディター「Firefly video editor」などがパブリックベータ版として追加されます。
◆Adobe Firefly Foundry

Adobe Firefly Foundryは企業向けにブランド独自の生成AIモデルの構築を提供するサービスです。企業が保有する知的財産を使ってブランド基準に沿った生成AIモデルをAdobeの協力のもとトレーニングし、商用利用可能な形で企業に提供します。
モデルのトレーニングや実装は、Adobeの専門チームと企業が共同で行い、モデルの品質・安全性・ブランド整合性を確保します。作成されたAIモデルはAdobeの他製品(GenStudio、Creative Cloud、Firefly、Express)とシームレスに統合され、企業の「大量・高速・高品質」なコンテンツ生産を支援します。
これにより企業のデザインチームは反復的なブランドアセット(広告バナー、SNS用動画、3D製品ビジュアル等)を、従来より短時間かつ低コストで作成できるようになります。
◆AIアシスタント

Expressに導入されるAIアシスタントは、会話形式でのコンテンツ作成や編集体験をサポートします。レイヤー構成されたデザインの中で、フォント・画像・背景といった任意の要素だけを変更しつつ、その他の部分は維持するといった編集が可能です。つまり、「この部分だけ変えて、他はそのまま」といったきめ細かな編集が可能となるわけ。会話モードからスライダーやカラーセレクターといった手動ツールへの切り替えも滑らかに行え、AIの提案をベースにユーザー自身がデザインを微調整することができます。企業向け機能も予定されており、今後は「ブランド基準に沿ったセルフサービスでのコンテンツ作成」「大量素材を一括生成・編集」といったワークフローの支援も強化される見込みです。
◆Project Moonlight

さらに、複数のAdobeアプリやそれ以外のアプリ間で連携できる、パーソナルなオーケストレーションアシスタントの「Project Moonlight」も計画されています。Adobeアプリ内のAIアシスタントは、画像編集はPhotoshop、動画編集はPremiere、写真編集はLightroomといった具合にそれぞれが専門分野に精通しています。Project Moonlightはオーケストラの指揮者のように、それらすべてを調和させ、一体化させます。Project Moonlightに必要な情報を伝えるだけで、AIアシスタントが1つのクリエイティブチームとして連携し、ユーザーのビジョンを実現するお手伝いをしてくれるわけです。
◆GenStudio
GenStudioは企業やマーケティングチーム向けにコンテンツ供給チェーン(企画・制作・管理・配信)をAIによって統合・効率化するソリューションです。
GenStudioには「Firefly Design Intelligence」という新機能が導入され、ブランドガイドラインを反映したデザイン構造(StyleIDs)をAIが理解・生成し、ブランド一貫性を保ったコンテンツ制作が可能になります。
「Firefly Creative Production」も強化され、数千点規模の素材を一括でリサイズ・再構成できるワークフロービルダーや、既存アセットの読み込み・書き出しを支援する機能などが追加されました。
さらに、パブリックベータ版として「Content Production Agent」が発表され、マーケティングにおける企画指示を読み取り、チャンネル別・用途別に最適化された広告・メール・クリエイティブ素材を自動生成・配置するモードが提供されます。
加えて、広告配信プラットフォームとの統合が広がっており、Amazon Ads、LinkedIn、Google マーケティング プラットフォーム、TikTokとの連携も強化されています。これにより、制作した素材をそのまま広告配信に活用できるフローが実現されるわけです。
◆YouTubeとの提携

AdobeはYouTubeと、YouTubeショート向けのコンテンツ制作のための提携を発表しました。Adobeのモバイル向け動画編集アプリであるAdobe Premiere Mobileには、YouTubeショートに直接編集・投稿できる新機能「Create for YouTube Shorts」が間もなく追加されます。
この機能では、FireflyのAI生成機能、プロ仕様のオーディオ・サウンドエフェクト、マルチトラック編集、テンプレート・トランジション・タイトルプリセットなどが統合されています。また、編集した動画はワンタップでYouTubeショートに投稿可能です。つまり、クリエイターは動画制作から配信・共有までを一貫してモバイル端末上で行えるようになるわけ。
Adobeが1万6000人のクリエイターを対象に実施した調査によると、クリエイターの76%がクリエイティブ生成AIがビジネスと個人ブランドの成長に役立ったと回答しており、クリエイターの85%が自分の創作スタイルを学習するAIエージェントに頼ると回答したそうです。
Photoshop、Illustrator、Creative Cloud Express、Premiere、Acrobat Proなど20以上のCreative Cloudアプリを利用できるCreative Cloud Proは、月額税込9080円で提供されており、Amazon.co.jpでは12カ月プランが税込9万2664円で購入可能です。
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