日本で「年収600万円」は意外と高年収? 平均年収は「460万円」だけど、上位何パーセントに入る?“具体的な立ち位置”を確認

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「高年収」と聞くと、年収1000万円以上を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、実際のデータを見ると、もう少し低い年収でも「高年収」と言えるのかもしれません。 本記事では、日本の平均年収や年収分布を確認し、年収600万円がどのような位置づけにあるのかを見ていきます。

日本の平均年収と年収分布

まず、日本の平均年収を確認してみましょう。国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、2023年の民間企業における給与所得者の平均年収は約460万円でした。次に、年収ごとの割合を見てみます。同調査によると、以下のような分布になっています。


・100万円以下:8.1%
・100万円超200万円以下:12.3%
・200万円超300万円以下:14.0%
・300万円超400万円以下:16.3%
・400万円超500万円以下:15.4%
・500万円超600万円以下:10.8%

このデータから、年収600万円以下の人は全体の76.9%ということになります。そのため、年収600万円超の場合、全体の上位25%以内に入っているということです。年収600万円超は日本全体で見ると比較的高い水準だといえるでしょう。
 

年収600万円の具体的な立ち位置

年収600万円がどのような立ち位置にあるのか、さらに詳しく見てみましょう。前記のとおり、日本の給与所得者の平均年収は約460万円です。年収600万円はこれを大きく上回り、平均より約140万円高いことになります。
また、平均年収は高所得者の影響を受けやすいため、中央値も参考にすることが重要です。同調査では中央値の明確な金額は分かりませんが、前記した年収ごとの割合を参考にすると、年収400万円以下の人が50.7%います。
そのため、中央値は大体400万円に少し届かない程度だと思われます。年収600万円はこの中央値よりも200万円以上高く、中央値よりもかなり上位の水準であることがわかります。
また、年齢によっても平均年収は異なります。例えば、40代の平均年収は500万円台前半、全年代の中で最も水準が高い50代の平均年収は500万円台中盤です。年収600万円はこれらの平均を上回り、40代や50代でも高年収の部類に入ると言えるでしょう。
 

年収600万円を稼ぐにはどうすれば良い?

平均よりも高い水準の年収600万円ですが、どの会社でも年収600万円を稼げるとは限りません。会社によっては、どれだけ出世しても500万円台までしか昇給できなかったり、逆に入社初年度から世間的な平均を大きく上回る金額を稼げたりする場合もあるでしょう。
「令和5年分民間給与実態統計調査」では、14業種別の平均年収も公開していますが、業種によって平均年収は大きく異なります。平均年収が600万円を超えているのは、「電気・ガス・熱供給・水道業」の775万円、「金融業・保険業」の652万円、「情報通信業」の649万円の3つの業種だけです。
就職や転職で年収600万円超を目指す場合、これらの業種から高収入の会社を探してみても良いかもしれません。
もちろん、ほかの業種でも平均年収が600万円以上の会社は多くあります。どの会社においてもですが、年収を上げたいと思う場合、市場で評価されるようなスキルや資格を身につけたり、社内で評価されるように努力したりすることを心がけましょう。
 

まとめ

年収600万円超は、日本において高年収の部類に入ると言えます。平均年収や中央値を大きく上回り、全体の上位25%以内に位置することから、経済的な余裕を持っている家庭もあるでしょう。
ただし、年収の感じ方や生活水準は、個人の価値観や生活環境によって異なります。例えば、都市部と地方では生活費が異なるため、同じ年収でも感じ方が変わるでしょう。
また、家族構成やライフスタイルによっても必要な収入は変わってきます。本記事を参考にしつつ、ケースバイケースということは認識しておきましょう。
 

出典

国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー