アメリカドナルド・トランプ大統領は2025年4月2日、世界各国からの輸入品に一律10%の関税をかけたうえで、国や地域ごとに異なる税率を上乗せする「相互関税」をかけることを発表しました。この関税により、アメリカ人の食費がどのように変動するかについて、海外メディアのAxiosが概算しています。

Trump tariffs could cause coffee, shrimp, other foods to soar in price

https://www.axios.com/2025/04/03/trump-tariffs-food-prices-coffee



トランプ大統領は「まもなく世界中の国々に対して相互関税を導入する歴史的な大統領令に署名します。つまり、相手が我が国に対して行うことを我が国も相手に対して行うということです。これほど単純な話はありません」と述べ、貿易相手国の関税率や非関税障壁などを踏まえて自国の関税を引き上げる「相互関税」を導入する考えを示しました。なお、相互関税の下では日本は24%の関税が課せられることになります。

今回の関税導入を受けたイェール大学予算研究所の概算では、ホワイトハウスがすでに輸入品に課している他の税金に加えて、今回の相互関税を導入すると、生鮮食品の価格が4%、食品全体の価格が2.8%上昇することが明らかになっています。

しかし、一部の食品の価格はさらに上昇する可能性が指摘されています。

アメリカではスターバックスやタリーズコーヒーなど、数多くの世界的な喫茶店チェーンが生み出されたほか、成人の70%以上が毎週コーヒーを飲んでいるという報告もあるほどコーヒーはアメリカ人にとって一般的な飲料ですが、アメリカではハワイやプエルトリコを除くとコーヒー豆の栽培が行われておらず、99%をブラジルやコロンビアなどの海外からの輸入に頼っています。そのため、今回の関税導入による価格上昇は避けられません。



また、アメリカは国内で流通するエビの94%以上をエクアドルやインド、インドネシア、ベトナムなどからの輸入に頼っています。これまで、エビの輸入に対する関税は課せられていませんでしたが、今回の関税導入により、これらの国から輸入されたエビにも10%から最大46%の関税が課せられることになります。

公共政策シンクタンク・Progressive Policy Instituteの貿易ディレクターであるエド・グレッサー氏は「エビを含む魚介類は今回の関税によって大きな打撃を受けると思います」と述べています。一方で漁業組合のSouthern Shrimp Allianceでエグゼクティブディレクターを務めるジョン・ウィリアムズ氏は「これまで、アメリカ政府はアメリカの地では決して受け入れられないような慣行に従事する企業に、私たちの食糧供給をアウトソーシングしてきました。私たちは、今回のトランプ政権の行動に感謝しています。これにより、アメリカの雇用や食糧安全保障、そして倫理的な生産へのコミットメントが維持されます」と語っています。Southern Shrimp Allianceによると、2021年以降、輸入エビの価格は大幅に下落し、その価値は15億ドル(約2180億円)以上減少したとのこと。この結果、アメリカのエビ産業は市場価値の50%近くを失い、多くのエビ養殖業者が閉鎖を余儀なくされました。



このほか、アメリカの国民食とも呼べるハンバーガーも値上げの危機にひんしています。あるオーストラリアの農家は「オーストラリア産牛肉は、脂肪分が少なく、脂肪分の多いアメリカ産牛肉と組み合わせることで、理想的な脂肪含有量のハンバーガーを製造できるため、多くのアメリカのファストフードチェーンに重宝されています」と述べるとともに「今回トランプ政権が課した関税による追加コストを値上げという形でアメリカの消費者に転嫁します」と語っています。

今回の関税導入を受け、オーストラリアの貿易大臣であるドン・ファレル氏は「オーストラリアからアメリカに輸出された牛肉の大半は、ファストフード大手のマクドナルドに流れています。そのため、新たな関税が課せられれば、アメリカ人がチーズバーガーやビッグマックに支払う価格が必然的に上昇するでしょう」と警告しました。なお、今回の関税導入に対し、マクドナルドはコメントしていません。