ESSEonlineで2024年11月に公開された記事のなかから、ランキングTOP10入りした記事のひとつを紹介します。

2024年もドラマに映画、舞台と大活躍されている天海祐希さん(57歳)。年齢を重ねた今もエネルギッシュな魅力を放つ天海さんに、最新出演映画のこと、毎日の暮らしやお金の使い方について聞きました。

※記事の初出は2024年11月。年齢を含め内容は執筆時の状況です。

「この役を天海祐希で」と言ってもらえることが幸せ

『これからの暮らし by ESSE vol.9』にて凛とした佇まいで表紙を飾ってくれた天海さん。12月公開の映画『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』で、主人公の紅子を演じ話題です。原作は、全世界で累計発行部数1100万部を超える大ヒット作。悩みを抱える人が訪れると、店主の紅子が、その人にぴったりの駄菓子を選んでくれる…という、ふしぎな駄菓子屋さんのお話です。

「私が演じた紅子は、どこか人間を超越したような存在。悩んでいる人には手を差し伸べますが、決して最後まで助けようとはしません。なにかの手助けがあったとき、それをプラスにできるか、マイナスにしてしまうかはその人次第。本当にその人のためになることを考えて、力を引き出そうとする紅子さんは、優しい人だと思います」

映画の中では人間の止まらない欲望や他人への悪意も描かれ、そこにつけ込む存在も出てきます。天海さん自身は、人の欲や悪意について、どのように考えているのでしょうか。

「昔は『こんな役も、あんな役も演じてみたい』という欲は、もっと強かった気がします。でも、今は『この役を天海祐希で』と言っていただけるだけで幸せ。『こう演じてみようかな』という演技への欲は強いですが、それ以外の欲は薄れているかもしれません」

悪意は発した人に戻っていくもの

一方で悪意については、「人からの悪意なんて、受け取らなければいいんですよ」ときっぱり。

「人の悪意はどうしたってなくならないじゃないですか。他人はもちろん、自分自身の中にも、嫌なことがあれば『なによ!』という気持ちが湧いてきます。ただ、60歳も近づいた今思うのは、『発したものは結局自分に戻ってくる』ということ。だから他人の悪意も、受け取らなければ発した人に戻っていくし、自分の悪意もいつかは自分に返ってきます。そう考えて、最近は滅多にないですが『なによ!』と思うことがあっても、その場でムッとして、終わりにできるようになりました」

ときには本音もぐっと我慢

3時間を要したという特殊メイクには、「なかなかキツかったですよ」と苦笑しつつ、紅子役での撮影はとても楽しかったと天海さんは振り返ります。

「ずっとご一緒したかった中田(秀夫)監督に声をかけていただいたこともうれしかったですし、上白石萌音さんをはじめ、勢いのある若い方が一生懸命演じている姿を見るのも楽しかったです。子役の方たちが監督のアドバイスを受けて奮闘している姿はとても愛おしく、つい転ばぬ先の杖でいろいろ言いたくなってしまいました。でも、紅子さんではありませんが、手を出しすぎるのもよくないので、そこはぐっと我慢(笑)。ただ、紅子さんと違って私はもっと心配性。すっかり大人になった弟のことを今でも心配してしまうので、『お姉ちゃん、僕ももういい年だよ』と笑われることもあって(笑)。映画は昭和世代には懐かしい雰囲気もありますし、ご家族で楽しめる作品になっていますので、ご覧いただいたあとに、皆さんでいろいろ話していただけたらうれしいですね」

普段の食事は和食が基本

ドラマに映画にと映像作品への出演が続いたかと思えば、年末にかけては舞台作品に取り組むなど、エネルギッシュに活躍する天海さん。健康な心身のための心がけを聞くと、

「ストレッチは毎日していますが、自分を整えるもののベースは食事です」とのこと。

「普段の食事は、ご飯、おみそ汁、お漬物に、焼き魚や納豆、季節の野菜を加えた和食が基本。手の込んだものは外でいただくので、家では簡単なものばかりです」

天海さんの“老けない体”には、その食べ方にも秘密がありそう。

「満腹になりすぎると頭が回らず、セリフも言いにくくなってしまうので、仕事に集中する間は“腹七分目”に。私はその方が動きやすいのですが、これだと少しずつやせてしまって。ですからお休みにはたくさん食べて、取り戻しています」

ものより“思い出”にお金を使う

天海さんがお金を使うのも、今は“食”であることが多いそう。

「自分のものを買うことは、本当に少なくなりました。もちろんたまには欲しくなりますが、必要なものはもうだいたい持っているので、新たに買うより、それらを使いこなすことを考えた方がいいなと思っています。それより今は、『旬の時季だからこれを食べに行こう』とか、『誕生日だから集まろう』と、だれかとの楽しい時間や食事にお金を使う方が満たされます。ものもお金もあの世には持っていけませんが、シェアした思い出は心にずっと残りますよね。それがいちばんじゃないかと思っています」