AIはノートPCの苦境を救えるか?【道越一郎のカットエッジ】
メーカー関係者からは、来年10月に控えるWidows10のサポート終了に伴う買い替え需要の盛り上がりに期待する声は大きい。しかし、近年ではOSのサポート終了に伴って、極端に大きな買い替え特需は発生しにくくなっている。今回もあまり期待できないかもしれない。また、eスポーツなどの盛り上がりを受け、ゲーミングPC需要も徐々に高まっている。ゲーミングPCはグラフィックボードを搭載し、高機能なディスプレイも備えるなど単価も高く、注目のカテゴリーだ。しかし、ノートPC全体の数パーセントにすぎない少数派であることから、市場全体を活性化するパワーには欠ける。
一方、ここに来て一気に期待感が盛り上がっているのがAI PCだ。インテルが昨年12月に発売したCPU「Core Ultra」シリーズは、NPU(Neural Processing Unit)を備えるAIチップ。徐々にではあるがノートPCに搭載され始めている。実際には4月現在で、ノートPC全体に占めるCore Ultra搭載モデルの台数構成比は0.83%、金額構成比でも1.38%という状況だ。AI PCに対応するソフトもまだ少ない。メーカー関係者からは「正直言って、今の時点でAIチップを搭載してどんなメリットがあるのか、イマイチよく分からない」という声も聞く。しかし「AI PCはインターネットの登場に匹敵するインパクトがある。今年の夏以降、秋ごろからドライブをかけていく」と話すメーカー関係者も多い。今後、AI PCに市場を刷新するパワーがあるかどうかは未知数だ。しかし、AI PCのプロモーションが本格化する今年の夏以降には、ノートPCに勢いが戻る可能性が出てきた、とは言えそうだ。(BCN・道越一郎)

