この言葉が頭をよぎると仕事効率が2分の1以下にダダ下がる…集中力を一気に下げる危険な「タブーワード」
※本稿は、佐藤孝幸『仕事と勉強を両立させる時間術』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■その日に「返さないといけないメール」を残さない
私は自分でも仕事が早い方だと思っているのですが、特に意識しているのは何でもすぐに片付けてしまうということです。今できることなら、その瞬間にアクションを起こします。今日やるべきことは必ず今日中にやり、明日に持ち越しません。
そうすることで、明日何らかのトラブルが起こっても余裕をもってあたることができるので、スケジュールをコントロールしやすいのです。
たとえばメールですが、私は事務所にいるときメーラーを常に立ち上げっぱなしにしています。仕事の案件などは、だいたい私を介して入ってくることが多いものですから、スタッフにふるにも自分で確認しないといけません。
1日に数十のメールのやり取りがありますので、とにかく心がけているのは、「返さないといけないメール」を残さないことです。その際、テクニックとまではいきませんが、返信した受信メールはゴミ箱へすぐに捨ててしまうようにしています。
返信、捨てる。返信、捨てる。返信、捨てる。
これを繰り返すと、「返さないといけないメール」の数はどんどん減ります。
すると、受信ボックスに残るのは「今返信するよりあとで返信する方がいいメール」ということになります。そして、それも頃合が来たらさっさと返信し、ゴミ箱へ。
こうすれば「あとであれをやらなきゃ」という余計なストレスを抱えることはありません。すぐやってしまった方が気持ちよく他の仕事に集中できるのです。
ちなみに、私は勉強用に買った本なども、とにかくその日のうちに読みはじめます。
そして、少なくとも1週間以内にはすべて読み切ります。延ばし延ばしやっていると、いつまでたっても新しいことをはじめられませんし、“なぁなぁ”で終わってしまうからです。やるべきことは絶対に残さないようにしてください。

■「面倒だ」と思った瞬間、効率は2分の1以下になる
やるべきことを残さないためには結構な集中力が必要ですが、集中力を一気に下げるタブーワードがあります。それは、「面倒くさい」です。
これは思っていてもダメですし、言ってしまったらもっとダメです。
目の前のことが面倒だと思った瞬間、気が重くなり、体や頭が動かなくなってしまいます。面倒くさいというのは、「それを言ったらおしまい」というタブーワードなのです。
世の中に面倒でないことなどありません。労をかけずに得られるものなどないのです。
私の場合、食事をしないでも生きていけるならその方がいいですし、寝なくてもいいのなら寝ない方がたくさん時間をつくることができます。その分、好きな本を読んだり、もっとお金を稼いだりもできるわけです。
しかし、そんなことは不可能なわけで、しょせんは「もしも」の世界です。
食事をするのも眠るのも、働くのも、現実として私たちが生きていくには必要不可欠なことであり、それを否定することはできません。
基本的に、人間は欲望に正直な生き物です。そのため怠け者で、どうしても易きに流れてしまうのですが、それをやらない理由にしてはいけないのです。
どんなことにしろ、どうせやらなければいけないことなのであれば、さっさとやってしまうに越したことはありません。嫌だという気持ちの中でやるより、割り切ってしまった方が何倍も楽に、そして早く終わります。
あまり気が進まないからこそ、短い時間の中で集中して片付けてしまう。やはりこれが原則なのです。
「面倒」という言葉が頭をよぎったら、「め……」のあたりで止めましょう。
目を閉じ一呼吸。そして姿勢を正し、気合を入れましょう。

■現状に固執することではなく、損切りをする
株式投資で大事な考え方に、「損切り」というものがあります。
損切りとは、持っている株の株価が下がってきてしまったとき、一定以下の金額になったら売ってしまうことです。つまり、若干の損は出てしまうものの、これ以上損が大きくならないうちに売り切ってしまおうというものです。
損切りの考え方は、人生においても非常に重要なものだと、私は常々思っています。
なぜなら、損切りの発想ができない人というのは「もしかしたら……」を考えてしまいがちだからです。
もしかしたら、待っていれば株価はあとで回復してくるかもしれない。
もしかしたら、今以上にもっとうまくやれる方法があるのかもしれない。
この「もしかしたら……」というのは本当に厄介です。ありもしない、起こりもしないことに期待をすることで、ロスが大きくなってしまう。
また、自分のやり方、今の状況に執着するあまり、次の行動を起こせないということにもなります。「もしかしたら」に賭けても、1つもいいことがないのです。例を出しましょう。
ある男性が交際していた女性にふられたとします。
しかし、男性は女性に対する未練があり、「もしかしたらまだ……」と連絡を取ろうとします。口実をつけ、食事に誘ったりもするでしょう。
ただ、女性の方にはそんな気はまったくなく、別に意中の人がいます。と、こういうのはよくある話だと思います。
男性自身、可能性は低いということをわかりながらしばらく未練を引っ張り続け、その間ムダな労力、時間、お金をつぎ込んでしまう。つまり、これが損切りができていない状態なわけです。当然、仕事にしたって勉強にしたって同じことです。
たとえば、資格勉強のための参考書を買った。しばらくやってみても、いまいち頭に入ってこない。そういうことは誰にでもあることだと思います。
私の場合、この段階でもう二度とその参考書は読みません。
頭に入ってこないというのは自分に合っていないということなので、読み進めていったところで劇的にわかりやすくなるということはほとんどないからです。
その参考書は数千円したかもしれませんが、より効率よく勉強するために、新たな数千円の参考書に投資をします。
しかしこれを、「せっかく買ったんだし」とか「読んでいるうちにわかるようになってくるかな」とか、そういう発想でいると時間と労力の損害は拡大していくのです。
そうならないよう、「続けているうちにもしかしたら……」なんていう発想はすぐに捨ててしまいましょう。
現状に固執することではなく、自分をさらに伸ばしていく方法を考えること。
損切りすることこそが、目標達成への近道なのです。

■とりあえず今夜は10時に寝てみる
勉強、仕事、どちらでもそうなのですが、効率を高めるためにはよく寝ることです。
私は常に7〜8時間は眠るようにしています。これはUSCPAや司法試験などの資格勉強をしていたときもです。

実際、今も夜10時にはベッドに入り、朝は5時半くらいに起きています。
なぜなら、時間を区切った中で最大のパフォーマンスを発揮するためには、体力的に余裕がないと難しいからです。眠いときはどうしてもボーっとし、効率が落ちます。
ですから私は、夜1〜2時間の時間を削って勉強するくらいなら、夜は何もしないで寝て、日中のパフォーマンスを最大限に高めるようにしているのです。そして仕事をさっさと切り上げて、残業はせず帰る。そして帰宅後の数時間を自分の好きな時間に充てるという生活を送っています。
そもそもの話、残業が多かったり勉強の時間が取れなかったりするのは、日中の仕事の仕方に原因があるのです。無理して夜に時間を作り、翌日眠たい頭で仕事に向かうより、規則正しい生活リズムでたっぷり眠って万全の体調で仕事するのが一番です。
中には休日の「寝だめ」を習慣にしている人もいるかと思いますが、それもやめましょう。寝だめは生活リズムを崩す原因になりますし、何より貴重な休日の時間を台無しにしてしまいます。
「眠りたいのはやまやまだけど、そんな時間がないから困ってるんだよ」という人も、とりあえず今夜は10時に寝てみてください。そして、朝は5時か6時に起きるようにする。
早起きした分、早めに出社してもいいですし、勉強でもネットサーフィンでも好きなことをしてみましょう。
この生活を1週間くらい続けてみると、効率の違いがわかると思います。夜の数時間が日常の業務にどれだけ支障をきたしているか実感できるはずです。

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佐藤 孝幸(さとう・たかゆき)
弁護士、米国公認会計士
公認内部監査人(CIA)・公認金融監査人(CFSA)・公認不正検査士(CFE)。早稲田大学政治経済学部を卒業後、外資系銀行に就職。職場における資格の強さを実感し、米国公認会計士資格の取得を目指す。働きながら勉強を開始し、わずか1年で米国公認会計士試験に合格した。その後、米国の大手会計事務所に就職し、渡米。帰国後を視野に入れて、米国在住のまま司法試験の受験勉強を開始。2年間の独学で、帰国後に一発合格、弁護士となる。現在、弁護士業務のかたわら、資格取得を目指す方の「資格勉強お悩み相談」を受け付けている。
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(弁護士、米国公認会計士 佐藤 孝幸)
