未知のお酒、店主の趣味全開な店内…通いたくなる「キャラ濃いめ酒場」のススメ

旨い酒と相性抜群の料理やつまみ。その関係性はもはや“普通じゃない”ほど、濃密で個性的。また、それらを供するお店は店主たちもキャラ濃いめで、ある意味必然なのかも……。そんな、酒・料理・店主もおいしい酒場、ご案内します。
『QWANG(クワン)』 @西麻布
本格タイ料理にして実はバーというアメージングな大人のアジト
バーなのにタイ料理?そんな店、世界中どこを探してもここだけでしょ。そう思ったあなた、そうなんですよ!
シェフの純子さんはタイ料理の老舗レストランで腕を磨いた料理人。タイ人シェフから受け継いだ伝統的なレシピを、化学調味料などをいっさい使わずに作っている。唐辛子やハーブはフレッシュなものを贅沢に使うから香りや味がみずみずしい。しかも辛いものはしっかり辛い。
一方、店主の康弘さんはエモーショナルなカクテルの達人。スパイスやハーブ使いが絶妙で、そこに投入するお酒でさらにひと捻りを加える。
例えば「きゅうりのミント炒め」に合わせた「タイ・コリンズ」は、エキゾチックな香りのジンをベースにタイ料理に使うバイマックルー(こぶみかん)を添えた。
きゅうりのミント炒め 1100円×タイ・コリンズ 1760円
料理に沿わせつつも完全なるマッチングを狙っているわけではないという。お互いにアドリブしまくりなのに料理と酒がちゃんと共鳴するのは、阿吽で息の合うふたりだから。このふたりを出会わせた神様ありがとう(笑)。

[住所]東京都港区西麻布3-1-18 RD西麻布地下1階
[電話]03-5410-8998
[営業時間]18時〜翌1時 ※土曜日はドリンクのみ
[休日]日・祝
[交通]地下鉄日比谷線六本木駅1a出口から徒歩6分
『Bar&Dining“Stage”(ステージ)』 @蔵前
美にして旨し!ボタニカル香る“エシカル”なジンと料理のペアリング
クラフトジンを楽しめる店は随分増えたが、ここは中でもちょっと違いがある。1階には『東京リバーサイド蒸溜所』。そこで造られるジンを使ったオリジナルカクテルが味わえるのだが、そのジンがエシカル。
わかりやすく言うと酒粕など本来廃棄されてしまっていた未活用素材に価値を見出し、再蒸留したサスティナブルなジンだということ。そしてそれが驚くほど繊細で香り高く、何とも美しい味わいなのがいい。
きのこ巻き揚げ 900円 × TOKYO LIBRE 1400円

加えて、ダイニングの名前通り、それらと合う食事も楽しめる。たとえばメインボタニカルにコーヒーの出し殻を使ったジンをベースに、バラとフランボワーズが香る一杯。これには、発酵いちごのドレッシングを使った牛ハツのカルパッチョを。色も香りも味わいも、いやはや楽しいことこの上ないのだ。

[住所]東京都台東区蔵前3-9-3 臼井ビル東京リバーサイド蒸溜所2階
[問い合わせ]stage@ethicalspirits.jp
[営業時間]18時〜23時(フード22時LO、ドリンク22時半LO)
[休日]日・月・火・水
[交通]都営浅草線蔵前駅A0出口から徒歩2分
『TACOS Shop IKEJIRI(タコス ショップ イケジリ)』 @池尻大橋
自由な構成のタコスを好みのメスカルと合わせよう!
246沿いに控えめに建つ、床5坪ほどの三角柱型のビル。3フロアすべてがこちらの店で、1階カウンターではトルティーヤの焼き上がりを眺めながら、タコスとメキシコの蒸留酒・メスカルを楽しめる。
そのタコスもカルニータス(豚)などお馴染みの肉系だけでなく、ビーツなどの野菜、旬魚も具材にするなど、ユニークな展開。
タコス カルニータス、タコス カボチャ、タコス ビーツとニンジン 各400円 × メスカルソーダ(アルタレス デミ ティエラチョコレート) 1400円

「トルティーヤで包めば、タコスですから」と店主の近藤輝太郎さんはきっぱり言い切るが、一方でタコスの具だけの注文も可能。酒が進むならタブーなしの姿勢が、なんとも天晴れなのだ。
また、メスカルの自由さに惹かれた近藤さん。「テキーラと比べて原料のアガベの種類が多く蒸留法も多彩。ソーダ割り、カクテルのベースにも向いているので、タコスと自在に組み合わせてみてください」

[住所]東京都世田谷区池尻2-31-17
[電話]なし
[営業時間]16時〜翌1時LO
[休日]不定休(SNSにて告知あり)
[交通]東急田園都市線池尻大橋駅南口から徒歩4分
『BAR 頻伽(びんが)』 @阿佐ヶ谷
店主の酒への愛情が 訪れた酔客の心を遠い異国に誘う
1956年創業のスナックを受け継いだ店内は昭和の雰囲気のまま。店の至る所には、中・東欧や北欧のマニアックな蒸留酒が並ぶ。いくら中央線のバーカルチャーがディープといえど、度を越していないか?
しかし、尻ごみするべからず。店主・さちさんがニコニコと話すお酒への愛を聞けば、未知のスピリッツへの興味がグッと湧く。「レコードと酒の収集が趣味なので、アナログを買うようにお酒も買っちゃいます」
ビーツのシュクメルリ 1000円 × アワー・ワイン ルカツィテリ アクホエビ(グラス) 1100円

そのさちさんが、どハマり中なのがジョージア。素焼きの甕を地中に埋めて発酵させるクヴェヴリワインを頼めば、トークのボルテージは最高潮に達する。その話を聞きつつ、端正な飲み口のアンバーワインをジョージアの煮込みと合わせれば、まるでかの地を旅した気分になるから不思議だ。

[住所]東京都杉並区阿佐谷南2-20-4
[電話]なし
[営業時間]19時〜24時LO
[休日]不定休(SNSにて告知あり)
[交通]JR中央線阿佐ヶ谷駅南口から徒歩4分
『マッキーズ ガンボ』 @中野
ピリッと辛い陽気なケイジャン料理とファンクな音楽がお出迎え
店名のガンボとは、香味野菜と肉や魚介をスパイスで煮込んだシチュー。マッキーとは、店主・岡村まきすけさんのこと。俳優であり、写真も撮る岡村さんは、カレーを出すバーで働いた経験あり。
そんなことから、店を出すならスパイスを使った料理をやろうと考えた。カレーじゃなくてガンボにしたのは「カレーよりもお酒に合う」と考えたから。
ミックスガンボ(ケイジャン シュリンプ+オクラトッピング) 1800円 × バーボンソーダ 600円〜

ガンボはアメリカ・ルイジアナの家庭料理なので、バーボンはもちろん距離的にも遠くないメキシコのテキーラに合わないわけがない!
オリジナルのケイジャンスパイスが効いたガンボやチリコンカンをバーボンやテキーラのソーダ割でやって、ファンクな音楽で陽気になって、最後はバーボンのストレートで〆る。あぁなんて素敵!こんな店を待ってました。

[住所]東京都中野区中野5-50-1 AMビル2A
[電話]070-9066-7476
[営業時間]11時半〜15時(14時半LO)、17時〜24時(23時半LO)、日・祝:11時半〜18時(17時半LO)
[休日]不定休、11/20〜11/23は臨時休
[交通]JR中央線ほか中野駅北口から徒歩8分
『Tafia(タフィア)』 @西麻布
透明なラムと寄り添う料理が濃密に詰まったカリビアン!
ショットグラスになみっと注がれた透明なラムをクイッとやると、力強くも繊細にいろんな要素が詰まってる。サトウキビの滋味や青さ、なんなら風、土の香りまで。
「現地のよさを体感してもらえたら」と言うように、ここは店主の多東千惠さんが偏愛する中南米カリブ、そしてラムの愉しみが横溢してる空間だ。
パルミット 600円 × ビエールラムブラン59度(ショット) 1000円

中でも特に多東さんの推しはサトウキビジュース100%から造られ、樽熟成させないアグリコールのブラン。より現地らしく、個性的な風味が詰まっているからだ。
そんなラムたちに合う料理がまた楽しい。パルミット(ヤシの新芽の芯)やホコン(緑ホオズキのスープ)など現地らしい料理や、ライムやハーブを使った旨々な味が多々。しかもそんなカリビアンな時間を昼から楽しめるのもまたうれしい。

[住所]東京都港区西麻布2-15-14 ウエストポイントビル1階
[電話]03-3407-2219
[営業時間]11時半〜24時
[休日]日
[交通]地下鉄日比谷線六本木駅2番出口、千代田線乃木坂駅5番出口からともに徒歩10分
『BAR Julep(ジュレップ)』 @池尻大橋
カシャッサを片手に池尻大橋で感じるブラジルの風
ブラジル産のサトウキビが原料の蒸留酒・カシャッサ。その魅力に早くから気づき、都内、いや日本随一のラインナップを誇るのが、2002年開業のこちらの店だ。
口開けにカシャッサがベースのカクテル「カイピリーニャ」をと、店主の佐藤裕紀さんに好みを伝えれば、「サトウキビ由来なの?」と思うほどの爽やかな香りが鼻を掠める。
フェイジョアーダ 1430円 × セレッタハイボール 1100円

聞けば、これこそが木樽熟成の賜物らしく、熟成に使われる樽の木の種類は40以上。熟成期間も鑑みれば、カシャッサの味わいは無限大なのだ。
その多様なフレーバーには、佐藤さんお手製のブラジルフードを合わせたい。適度な塩味の肉と豆の煮込み「フェイジョアーダ」、スパイス風味の揚げ肉団子風「キビ」が杯を進めること。心ゆくまで食べて飲み、ブラジルを感じよう。

[住所]東京都世田谷区池尻2-34-16 1階
[電話]03-3422-7650
[営業時間]18時〜翌1時半LO(日は〜24時半LO)
[休日]無休
[交通]東急田園都市線池尻大橋駅南口から徒歩6分
『Indian Street Food & Bar GOND(ゴンド)』 @お茶の水
スパイス好きのみんなが待ってた!ありそうでなかった本格インド酒場
カレーは飲み物?いやいやカレーはつまみ、飲み物は酒という方はこちらへいらっしゃい。惜しまれつつ閉店した銀座の名門インド料理店『ダバ・インディア』の流れを汲むと聞けば、カレー好きには見過ごせない。
マトンビリヤニとライタ 1400円 × ハイボール( ポールジョンニルヴァーナ) 780円

店内に一歩足を踏み入れると、インド人シェフが鍋を振るオープンキッチンから、スパイスの香りが弾けている。エキゾチックな壁の色や絵画など、まるでオールドスタイルのインドの邸宅へ招かれた気分だ。
それだけでもテンションが上がるが、ここはただのインド料理店じゃない。ストリートフードとお酒を楽しむ、いわばインド居酒屋なのだ。
料理に合わせるのは最近ますます注目のインドウイスキーやスパイスを効かせたサワーなど。インド料理店には珍しく酒リストが豊富なのもうれしい!

[住所]東京都千代田区神田駿河台3-5-15 荒井ビル1階
[電話]03-3259-2800
[営業時間]11時半〜15時(14時半LO)、17時〜22時(21時LO)、土・日・祝の昼は〜15時半(15時LO)、夜は〜21時半(20時半LO)
[休日]月
[交通]地下鉄千代田線新御茶ノ水駅B3出口から徒歩1分
『七一飯店』 @渋谷・東
中国の国民酒 白酒が多様な酒肴に合う万能サワーに!
中華圏の映画では、人々が宴席で白酒(パイチュウ、とうもろこしなどの穀物が原料の蒸留酒)をストレートで煽るシーンをよく見かける。筆者も上海に行った際、クイッとやってみたが……。喉元に未体験の熱さを感じた。平均度数50以上の酒は、相当なインパクトだった。
「逆に僕は仕事で中国に通ううちに、白酒にハマりました。飲み口が多彩で、フルーティーな銘柄も多いんです」。日本で白酒を広めるべく、サワーでの提供を閃いたと話すオーナーの越後貴史さん。
大葉&鷹の爪入りサワー「バイチュウキンギョ」は甘みもあって、たしかに飲みやすい。
チャイローファン 1430円 × バイチュウキンギョ 935円

そして酒に合う料理担当は長野雄さん。ルーローハンの“頭”だけ出すという、心憎い演出もありだ。〆の麺もアテ仕様ゆえ、サワーを口開けに、心ゆくまで白酒の魅力に酔いしれたい。

[住所]東京都渋谷区東2-20-2 三和ビル1階
[電話]なし
[営業時間]11時半〜15時、17時〜22時
[休日]火・水・木
[交通]JR山手線渋谷駅新南口から徒歩10分
撮影/貝塚隆(クワン、ステージ、ゴンド)、西崎進也(イケジリ、頻伽、マッキーズ ガンボ、タフィア、ジュレップ、七一飯店)、取材/岡本ジュン(クワン、マッキーズ ガンボ、ゴンド)、池田一郎(ステージ、タフィア)、岡野孝次(イケジリ、頻伽、ジュレップ、七一飯店)

※2023年12月号発売時点の情報です。
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