Jリーグは今後損し続ける!?欧州への期限付き移籍が懸念されるリスクとは
多くの若きJリーガーが欧州移籍を夢見て日夜研さんしている。
近年は一定の成績を残した優秀な選手は、欧州へ移籍できる時代となったが、ある移籍形態がJリーグにおいて危惧されている。
今回、危惧されている買取りオプション付き期限付き移籍の危険性などを解説する。

買取りオプション付き期限付き移籍とは
まず買取りオプション付き期限付き移籍とは、期限付き移籍により一定の期間で選手を貸し出し、完全移籍の諸条件をクリアまたは貸し出されている選手が完全移籍で買い取る価値があると貸出先のクラブが判断した場合に優先的に買い取りを行使できる移籍の形態だ。
諸条件を設定している場合は、完全移籍を移行する上での出場試合数、出場時間、得点数、アシスト数、クリーンシート数などが設定されている。その数字をクリアすれば、自動的に完全移籍へ移行できる仕組みとなっている。
また条件が設定されていなければ、期限付き移籍期間以降に戦力として計算できると貸出先のクラブが判断した場合、優先的に買い取りを行使することができる。
前者と後者の種類に分かれるが、欧州と日本間で取り交わされる期限付き移籍は後者が圧倒的に多いと言われている。
欧州クラブに圧倒的有利な期限付き移籍
そのため同移籍形態は欧州側が圧倒的に有利な側面がある。
まず諸条件が設定されている設定されているタイプであれば、選手の実力がチームにフィットしない場合は貸出元のクラブに復帰させることができるため、移籍金を投資するリスクを軽減することができる。
また、財政的に買い取りが厳しかったとしても、同形態の移籍をうまく活用すればその場しのぎの緊急補強を日本から仕入れることができる。
仮に諸条件が設定されている場合であっても、買取りの意志がない場合は飼い殺しという形で出場させなければ貸出元へ何の問題もなくバックすることができる。
そのためJリーグクラブはこうした期限付き移籍の存在により、移籍金を得にくい状況になりつつある。
この期限付き移籍がなぜ増加したのか。新型コロナウイルス感染拡大により、欧州クラブの経営は大きく悪化した。そのため移籍市場においても契約満了となったフリーの選手獲得、期限付き移籍での獲得などなるべく低予算で収まる移籍が増加傾向になった。
そして欧州と比べて平均的に違約金が低い日本であっても、お試し的な期限付き移籍により日本人選手の獲得が増えつつある。
今後国内復帰増加の懸念
欧州に圧倒的に有利であるなら、欧州の期限付きオファーを断れば済むと考える人間もいるが、そう簡単な話ではない。
優秀な若手選手の多くは将来的な欧州移籍を夢見ており、欧州移籍に寛容ではないクラブに移籍を嫌がる傾向にある。
期限付きオファーを断るということは、代理人、選手間にすぐ広まるトピックスであるため、優秀な若手選手の獲得が難しくなる可能性がある。
そのため、期限付き移籍のオファーを受け入れざるを得ない歪な需要と供給が生じている。
今季欧州から期限付き移籍で国内へ復帰した主な選手はJ1湘南ベルマーレMF田中聡(ベルギー1部コルトライク)、J1名古屋グランパスエイトFW前田直輝(オランダ1部ユトレヒト)、J2清水エスパルスDF原輝綺(チューリッヒ)らがいる。
グールニク・ザブジェ(ポーランド)へ期限付き移籍中の #奥抜侃志 選手が、1.FCニュルンベルク(ドイツ)へ完全移籍することで、クラブ間の基本合意に達しました🐿️
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— 大宮アルディージャ (@Ardija_Official) June 30, 2023
もちろん、欧州で成績を残せば欧州に留まることはできる。J2大宮アルディージャからポーランド1部グルニク・サブジェに期限付き移籍したMF奥抜侃志は、保有元が買取りの意志を示さなかったため、「日本人MFは所属元クラブに戻る」とアナウンスしていた。
だが欧州の活躍が認められて、奥抜はドイツ2部ニュルンベルクに完全移籍した。
クラブ関係者は今後を懸念
あるJリーグクラブ関係者は
今後こういった欧州からの期限付き移籍が増えると思う。一部のエージェントも若手選手に声をかけて、欧州のチームに移籍できるようにこういった期限付き移籍を引き出すように売り込みや交渉をしていると聞いている。
そうなれば原くん、前田くんのように国内復帰する選手は今後増加すると思う。
Jリーグクラブからしたら選手の価値も落ちかねないのでひどい話だよ。
とコメントしていた。
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健全な需要と供給を形成できなければ、今後買取りオプション付帯の期限付き移籍は増加するだろう。この歪な需給関係を解消しなければ、Jリーグクラブは苦境に追い込まれるかもしれない。
