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はじめに

いまだに、可能な限り多くのニッチマーケットへSUVを送り込もうとしているメーカーは数多いように見受けられる。しかしごく一部、たとえばシトロエンあたりは、少なくとも車高が低めでスマートな選択肢へ回帰しようとしている顧客がいると、明らかに確信していると見える。

【画像】写真で見るシトロエンe−C4Xとライバル 全16枚

ステランティスのフランス部門によって投入される、新たなクロスオーバータイプのモデルを追いかけるのは、じつのところ難しくなってきている。2021年にはシトロエンが、地上高を引き上げたファストバックのC5Xを、翌2022年にはその兄弟車である408をプジョーが、それぞれ発表している。


テスト車:シトロエンe−C4Xシャイン    LUC LACEY

今回のテスト物件は、C5Xと同じようなスタイルではあるものの、よりコンパクトで安価なC4X、そのEVバージョンだ。表面上はC4ハッチバックの拡大版だが、その中身は車名から想像するようなものではないといえる。

つまり、C4をリフトアップしてクロスオーバー化しただけのクルマではないということだ。全長は伸び、大きな荷室が与えられ、細長く引き伸ばされたプロポーションとなっている。その結果、今あるいかなるクロスオーバーよりも、1980〜90年代に見られた中型ハッチバックがベースのセダンを思わせるクルマができあがった。

5ドアハッチバックのクロスオーバー的なものとなった現行C4から、SUV的なデザインのDNAを数多く受け継いだ今回のe−C4X。クロスオーバーSUVにも、ハッチバックにも、そしてセダンにも見えるスタイリングを得たわけだが、これは紛うことなきシトロエンだ。言い換えるなら、100%普通じゃないクルマである。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

シトロエンはe−C4Xを、ファミリーカー市場の手頃な価格帯に投入したいと考えた。それも、大型ハッチバックやコンパクトSUVよりエレガントで、空力性能で上回り、しかも実用性は損なわないものを。これはかなりタフな話だ。

いまやさほど大きいほうではない18インチホイールは幅も狭く、地上高は比較的高め。フロント横置きモーターとボディ後部の延長により、オーバーハングは前後とも長い。デザイン的な踏ん張り感はない。


この18インチのダイヤモンド切削2トーンホイールは、全グレード共通装備。タイヤは60扁平で、高さのあるサイドウォールが快適志向であることを示唆している。    LUC LACEY

バルキーで、場所によっては不恰好の一歩手前にある。しかし、ハッチバックのC4のように、独自性は強く、長くなったシルエットは全体のプロポーションにバランスと洗練された感じを与えている。

その下にあるメカニズムは見慣れたものだ。ベースとなるのは、ステランティスの電動車用プラットフォームであるe−CMPだ。今のところ、グループ内の電動車はほとんどがこのアーキテクチャーを使用しており、そのなかでC5Xは、欧州市場における最大のモデルだ。

ヴォグゾール・コルサ・エレクトリックやプジョーe−2008がそうであるように、136ps/26.5kg−mの同期モーターをフロントに、駆動用リチウムイオンバッテリーをキャビン床下に積む。バッテリーの実用容量は46kWhで、充電性能は最高で急速100kWだ。

このサイズのクルマとしてはかなり控えめなバッテリー容量だが、そのぶん車両重量は抑えられた。テスト車の実測1623kgというウェイトは、キア・ニロEV 65kWhの1739kgやMG 4ロングレンジの1692kgより軽い。

そのうえ、e−C4ハッチバックより空力に優れており、それらの恩恵はWLTP混合モードで356kmという航続距離に表れている。EVに対する心理的な障壁を取り去るほどではないが、長距離走行より優秀なエネルギー効率を重視するなら納得できる数字だ。

4.6mの全長はC4ハッチバックより240mm長いが、その延長しろはリアのオーバーハングに集中している。シトロエンによれば、リアシートのリクライニング角度が増したことで後席の居住スペースが広がったというが、拡大したスペースのほとんどは荷室に充てられている。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビームで、前後ともコイルスプリング。シトロエンによれば、独自のバンプストッパーであるプログレッシブハイドロリッククッション(PHC)により、トラベルの限界でプログレッシブにダンピングを制御することで、スプリングレートをソフトにできるという。結果、乗り心地が全体的に改善されるとも。

なお、このクルマに採用されたPHCは、フロントが伸びと縮みの両方向、リアが縮み方向のみに作用する。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

シトロエンがこのクルマで、C4からホイールベースを伸ばさなかったのは、多少とはいえ残念だ。とはいえ、プラットフォーム的に見ればやむを得ない話なのだろう。

そんなわけで、e−C4Xの室内は、ハッチバックと同程度のスペースで、実測値としてはフォルクスワーゲンID.3やMG4より後席が狭い。キャビンの快適性が売りのクルマとしては、あまりいい出発点ではない。もっとも、広さ以上に快適性を左右する要素は、当然ながらあるのだが。


メーターは、表示は単純化されているが読み取りやすい。シートは快適だが、サポート性は物足りない。穏やかなファミリーカーらしいとも言えるが。    LUC LACEY

メモリーフォームを組み込んだシトロエン独自のアドバンストコンフォートシートは、これだけでも買う価値がある。テスト車の場合、部分的にレザーを使用した豪華仕様で、しかも前席は電動マッサージ機能付き。どちらも3万5000ポンド(約595万円)のファミリーカーに付いていることを期待していなかった装備だ。

このシート、ソフトでワイドなのは間違いないがややフラットで、横方向のサポートととなる張り出しはない。座面の角度や長さの調整もなく、脚の長いドライバーはやや悩まされるかもしれない。

シートやスペースの問題はさておき、視認性はほぼどの方位もなかなかのもので、とくに後席からの眺めがいい。前席からは、合流の際などに肩越しの視界をBピラーが多少遮るが、前後はクリアだ。

やや単純化しすぎだが非常に読み取りやすいメーターディスプレイは、ほどよいサイズのステアリングホイールのリムの内側によく見える。さらにヘッドアップディスプレイが、少ない情報量ながらも自然な視界内に表示されて、使い勝手を高める。

メーター画面の表示内容は、トリップコンピューターのデータやモーター出力とエネルギー回生量、ナビの方向指示か運転支援情報から選択できる。しかし、さらにモードごとに異なる要素を組み合わせることもできる。

運転席周辺の収納スペースは、平均的だが使いやすい。リアエンドに追加された積載スペースは、ハッチバックではなく3ボックススタイルのトランクリッドからアクセスする。C4ハッチバックの荷室ほど高さはないが、幅と奥行きは大きく、大きめのスーツケースや収納ボックスも呑み込む。ただし、電源ソケットや荷物を固定するネットはなく、装備的には物足りない。

中型ファミリーカーとして、快適で魅力的なインテリアと言えるかは、個人の価値観によるだろう。平均的と見るひともいれば、立派なものだというひともいるはずだ。それでも、価格に照らせば合格点を付けていいのではないだろうか。

走り ★★★★★★★☆☆☆

馬力荷重比は84ps/tで、これは1991年に1.6Lエンジンを積むシトロエンZXの中級グレードと同程度だ。出力と重量の変化に鑑みれば妥当なところだが、電気モーターがもたらすはずのパフォーマンスやドライバビリティに対する期待には応えられていない。

パワートレインの動的要素においてキーとなる強みは、スムースさと洗練性、レスポンスやリニアさ、そして控えめながらも扱いやすい低速からのピックアップに効くトルクだ。エネルギー回生のドライバーによる操作面が改善され、もう少しだけ硬くてプログレッシブさを高めたブレーキペダルがあれば、状況はよりよくなるだろう。


動力性能はほどほどだが、快適志向のEVとしては納得いくもの。回生ブレーキの効き具合をスイッチやパドルで調整できれば、エネルギー効率の向上も図れそうなのだが。    LUC LACEY

パワーがもっとあれば、それに越したことはない。しかし、走りにクオリティに求めるものがスポーティな運動性以外にあるクルマである以上、絶対不可欠と感じることはまったくない。

電子制御トラクションコントロールは、50km/h程度で自動的に起動するものの、発進時にはオフにできる。それでも、ドライ路面では、ホイールスピンさせようとしても、しそうな気配すら見られなかった。0−97km/hは10秒近く、まだまだ伸びしろはありそうだ。

しかし、ステランティスは昨年、e−CMP電動駆動ユニットのファイナルレシオをロング化。コストパフォーマンス重視のEV購買層は、加速性能より航続距離でクルマ選びをする、という判断らしい。

これはなかなか賢明な判断だった。というのも、このクルマはエキサイティングではないが、ドライバビリティに優れ、そこそこ速い。そして、穏やかでリラックスしたクルマなので、2点間移動は爽快かつシンプル、また静かで、かなり効率的に行える。

とはいえ、シトロエンが回生ブレーキにドライバーが操作できる調整機構を加えていたら、効率はもっと高められたはずだ。ところが実際は、走行モードをエコからノーマル、そしてスポーツへ切り替えても、スロットルを抜いた際の回生エネルギーの発生量に明確な違いは見られない。

トランスミッションには、即座にエネルギー回生性能を最大限引き出すBモードが設定されているが、パドルやスイッチ、タッチ画面などでの切り替え操作はできない。繰り返すが、それさえあれば、開けた道でもっとも効率的な運動エネルギーの保全ができるのだが。

使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆

インフォテインメント

中級グレード以上では、最新のインフォテインメントシステムであるマイシトロエンドライブプラスを採用。これは、すでにC5Xへ導入されているものだ。タッチ式画面は10.0インチで、コネクテッドナビを備え、スマートフォンとの接続はAppleもAndroidもワイヤレス。最上位機種のシャイン・プラスにはワイヤレス充電器がオプション設定されている。

システムのメニュー操作を行うハードスイッチの類は限られていて、カーソルのコントローラーはない。しかし、タッチ画面のインターフェースはなかなかうまく構築されていて、操作は容易だ。うれしいことに、エアコンパネルは画面と別に常駐している。


タッチ操作主体ながら、メニューの操作性は上々で、エアコンパネルが別体なのもいい。ナビも上出来だが、お節介なオートズームはもっと簡単にオフにしたいところだ。    LUC LACEY

音声操作は、目的地入力がじつに安定して行えて、ナビゲーションのルート選定は賢く、渋滞情報もリアルタイムで反映してくれる。気になるのはノースアップ表示でのオートズーム機能で、役に立ってくれない上に、頑固なほど機能が停止しにくい。

燈火類

LEDヘッドライトには自動減光、フォグライトにはコーナリングライト機能が備わるが、ロービームのレベル調整は手動。そのロービームは良好だが、ハイビームのパワーは平均程度。

ステアリングとペダル

ペダル配置は、大ぶりな靴を履いているとやや窮屈に感じる間隔だが、ブレーキング時にスロットルペダルへ引っかかったのは1度か2度くらいで済んだ。フットウェルは脚の長いひとには浅いが、そこをカバーできるだけのテレスコピック調整が、ステアリングコラムには備わっている。

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

シトロエンが自社のクルマで目指す、労力の少ない、快適志向の運動性は、e−C4Xにも当てはまる。それは十分に感じられるが、並外れていいというほどではない。

それでも、ハンドリングの正確性をないがしろにはしていない。といえるのは、1980年代のBXや1990年代のZXのように走らせると、単なる今風のファミリーカーとは言い切れない感覚があるからだ。


快適志向はほぼ狙い通りで、どんな道でも楽に、穏やかに走ってくれる。ハンドリングは整っていて、日常使いに適したアクセスしやすいパフォーマンスをみせる。    LUC LACEY

走りにソフトさやダンパーの効いた感じはあるが、過剰なふわつきやロールはない。路面を隆起が横切るようなところでは、前後サスペンションが理想的な働きを見せ、ショックの吸収はじつに穏やかだが、マンホールや小さめのバンプなど、左右輪で異なる入力への対処は、そこまで穏やかではない。

カントリーロードで上下に動かされたときに見せる、ロール軸を中心にした挙動からわかるのは、縦方向より横方向のほうがサスペンション剛性が高いということ。スプリングは柔らかいが、スタビライザーは硬め、といったほうがわかりやすいかもしれない。

そのスタビライザーは、コーナリングでのロールを抑え、シトロエンが望む高速安定性を確保する。いっぽうで、クラシックなフランス製高級サルーンをダウンサイジングした現代解釈版を期待しているなら、それに添う走りは得られない。

グリップレベルはほどほどライトだが、スムースなカーブであれば活気あるコーナリングスピードを保てるくらいには強い。ステアリングはとくに低速域では軽いが、高速域では手応えが重くなる。スポーツモードでは、その傾向が顕著だ。

そのため、ハンドリングの気まぐれさや過敏さを感じさせる大きなリスクはない。同時に、路面の感触もない。

電動パワートレインはそれほどイージーにハイペースで走れないが、速度を上げすぎると、ロードホールディングのマージンがじつに小さいことが感知できるが、常に作動しているスタビリティコントロールがうまく制御してくれる。

限界域での挙動は安定していて、アンダーステア傾向。しかし電子制御系が、かなり攻めない限りはそこに達するのを防いでくれる。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

快適性こそ、e−C4Xがライバルに差をつけなくてはならないポイントだ。結論から言えば、なかなかよくできている。ただし、並外れたレベルにはやや届かない。

現代の乗用車としては小さい転がり抵抗と高い空力性能を持ち、総じて静かだ。騒音計での計測では、80km/h巡航で62dBAを記録。これはID.3より2dBA、MG4より3dBA静かだ。ただし、MGのテスト時は今回より穏やかでないコンディションだったが。


快適性も静粛性もまずまずだが、不整路面ではややサスペンションの能力不足を感じることもある。    LUC LACEY

ロードノイズはかなり低く、風切り音も同様。しかし、シトロエンの油圧バンプストッパーは、路面の隆起や荒れた舗装を乗り越える際の、車軸からくるショックや衝撃音を常にうまく打ち消せているわけではない。そのため、サスペンションはやや減衰が足りず動きが激しく感じられることもある。

フロントシートはまずまずのスペースとアジャスト性、そして快適性をもたらす。テスト車の運転席側は電動機構や調整式ランバーサポートが備わっていたが、これはオプション仕様。また、気になる点もあることは、先に内装の説明で述べたとおりだ。

レーンキープシステムは、高速道路での長距離移動をリラックスしたものにしてくれる。ただし、A級道路のワインディングでは切りたくなるが。その他の運転支援機能は、おおむね介入が気にならない。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

e−C4Xの価格は3万1995ポンド(約544万円)から。この価格帯のEVは、わずかな例外を除けばBセグメント級で、前後席とも大人が満足に座れるものは1〜2車種くらいしかない。

フォルクスワーゲンが、ID.3の廉価グレードの英国導入を見送ったことからもわかるように、3万5000ポンド(約595万円)以下のEVで納得できる利益を確保するのは難しい。生産の方法や工場のロケーションを、かなり入念に考える必要がある。


EVの残価予想は、数年前とは状況が変わってきているが、少なくともe−C4Xはライバルに太刀打ちできるレベルにある。

となれば、ポールスター2くらいのサイズで、航続距離も大目に見て対抗馬になりうる程度で、価格はまるまる3割安いとなれば、かなりの注目を集めることができるはずだ。テストした中間グレードのe−C4Xは、3万5000ポンドを切るが、装備は充実。コストパフォーマンスは高いと思える。

リアルな航続距離は公称値に比べてやや物足りないが、ひどく見劣りするほどではない。残り距離の表示は過大評価気味だが、フル充電で320km以上は確実。ただし、それを達成するには市街地での運転か、カントリーロードでの80km/h走行に徹することが求められる。英国の典型的な高速道路巡航では、240km程度に落ち込む。

これは日産リーフの下位機種をはじめとするライバルを凌ぐが、まだまだ安心感タップリとはいかない。とくに、主なライバルよりスローな直流急速充電性能を考えると、ますますそう感じる。

スペック

レイアウト

ステランティスのコモンモジュラープラットフォーム(CMP)系EVモデルとしては、欧州市場ではC4Xが最大級だ。駆動系のモーターはフロントに、バッテリーはキャビンの床下に搭載される。

サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビーム。テスト車の前後重量配分は55:45と、C4の1.2ピュアテック130の62:38よりバランスは改善されている。

パワーユニット


欧州におけるe−CMP採用モデルとしては最大級。テスト車の前後重量配分は55:45と、C4の1.2ピュアテック130の62:38よりバランス良好だ。

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:永久磁石同期電動機
駆動用バッテリー:リチウムイオン・400V・50.0kWh(グロス値)/46.2kWh(ネット推定値)
最高出力:136ps/−rpm
最大トルク:26.5kg−m/−rpm
最大エネルギー回生性能:−kW
許容回転数:−rpm
馬力荷重比:84ps/t
トルク荷重比:16.3kg−m/t

ボディ/シャシー

全長:4600mm
ホイールベース:2670mm
オーバーハング(前):880mm
オーバーハング(後):1050mm

全幅(ミラー含む):2050mm
全幅(両ドア開き):3620mm

全高:1525mm
全高:(テールゲート開き):1825mm

足元長さ(前):最大1050mm
足元長さ(後):最大690mm
座面〜天井(前):最大1000mm
座面〜天井(後):最大900mm

積載容量:510L

構造:スティールモノコック
車両重量:1621kg(公称値)/1623kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前・後:6.5Jx18
タイヤ前・後:195/60 R18 96H
ミシュランe−プライマシー
スペアタイヤ:なし(パンク修理剤)

変速機

形式:1速リダクションギア
ギア比
リダクション比:4.53:1 
1000rpm時車速:28.8km/h
113km/h/129km/h時モーター回転数:−rpm/−rpm

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:5.6km/kWh
ツーリング:5.3km/kWh
動力性能計測時:4.2km/kWh

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):8.9km/kWh
中速(郊外):−km/kWh
高速(高速道路):−km/kWh
超高速:−km/kWh
市街地:−km/kWh
混合:6.6km/kWh

公称航続距離:356km
テスト時航続距離:261km
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:トーションビーム/コイルスプリング

ステアリング

形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.8回転
最小回転直径:10.9m

ブレーキ

前:302mm通気冷却式ディスク
後:268mmディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動式・センターコンソール左側にスイッチ配置

静粛性

アイドリング:−dBA
全開走行時(145km/h):70dBA
48km/h走行時:56dBA
80km/h走行時:62dBA
113km/h走行時:65dBA

安全装備

ABS/ESP/HSA/アクティブセーフティブレーキ/LKA/FCW
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人−%/子供−%
交通弱者保護性能:−%
安全補助装置性能:−%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温11℃
0-30マイル/時(48km/h):3.9秒
0-40(64):5.3秒
0-50(80):7.2秒
0-60(97):9.7秒
0-70(113):12.6秒
0-80(129):16.4秒
0-90(145):21.4秒
0-402m発進加速:17.3秒(到達速度:133.1km/h)
0-1000m発進加速:32.0秒(到達速度:151.3km/h)

ライバルの発進加速

ライバルの発進加速
MG4ロングレンジSE(2023年)
テスト条件:豪雨/気温3℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.2秒
0-50(80):5.5秒
0-60(97):7.1秒
0-70(113):9.2秒
0-80(129):12.0秒
0-90(145):15.7秒
0-402m発進加速:15.7秒(到達速度:145.2km/h)
0-1000m発進加速:29.0秒(到達速度:169.1km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):2.7秒

30-50(48-80):3.3秒

40-60(64-97):4.2秒

50-70(80-113):5.3秒

60-80(97-129):6.7秒

70-90(113-145):8.7秒

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温11℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(80km/h):23.2m
70-0マイル/時(113km/h):45.7m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.74秒

ライバルの制動距離

MG4ロングレンジSE(2023年)
テスト条件:豪雨/気温3℃
30-0マイル/時(48km/h):10.2m
50-0マイル/時(80km/h):28.3m
70-0マイル/時(113km/h):55.1m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

所詮このe−C4Xは、電動ハッチバックのニッチな派生モデルで、商業的な大成功は見込めないだろうと切り捨てるのは簡単だ。しかし、実際にはそれ以上のものを見せてくれるクルマだった。

なによりもまず、急拡大を続けるファミリー向けEV市場において、コストパフォーマンスの高い選択肢だ。これは歓迎したい。このカテゴリーをバラエティに富んだものにしてくれるという点も喜ばしい。


結論:ほかとは違うEVの走りとコストパフォーマンスが際立つが、成功を認められる要素も見出せる。    LUC LACEY

シトロエンがコンパクトなファミリーカーに新たなコンセプトを持ち込んだり、独自のテイストやプライオリティを顧客に提供する能力は、このクルマを多くの競合車とは似ていないものに仕立てている。ひととは違うものがほしいなら大いに気にいるだろうし、クルマの出来は非常によく、しかも価格は手頃だ。

残念だったのは、シトロエンがサスペンションのテクノロジーやチューニングに関して、スタイリングほどの冒険をしなかったことだ。というのも、そのことで、快適志向に大きく寄せたはずの走りのアイデンティティをより明確に打ち出すことができなくなってしまっているからだ。

同じく、キャビンの広さや航続距離の向上、急速充電の性能アップも果たせていないのが悔やまれる。

それでも、価格を考えれば、このシトロエンの提案にケチをつけるのは難しい。値付けは上々で、個性も多少なりとも打ち出せているクルマだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

個人的には、e−C4Xの効率面の大胆さは好意的に見ている。航続距離を伸ばそうと思ったら、バッテリーのサイズも重量も増し、少ない見返りを打ち消してしまいかねない。しかし、エネルギー回生のマニュアル調整が追加されれば、もう少しドライビングを楽しめるだろう。

イリヤ・バプラート

e−C4と比べて思うのは、この2台が同時に企画とデザインを行なったものなのか、ということ。一般的なハッチバックのC4と、リアエンドが伸びたリフトバックスタイルのC4Xを併売することが、より広い購買層へのアピールにつながるのか、是非とも知りたいところだ。

オプション追加のアドバイス

エントリーグレードのセンスでも、重要な装備の欠如はたいしてない。595ポンド(約10万円)のメタリック塗装と、180ポンド(約3万円)のリアパーキングカメラは追加したい。

改善してほしいポイント

・スタビライザーのレートを落として、シャシーチューニングを完全にコンフォート志向にしてほしい。そして、前後輪からボディへ伝わるノイズやショックの遮断を改善してもらいたい。
・シートの快適性は要改善。最低限、座面の角度調整は必要。あと、サイドサポートも修正してもらいたい。
・回生ブレーキ調節用のパドルがあれば、リアルな航続距離をもっと伸ばせるはずだ。