高額品を買いまくればいいワケではない…モナコの大富豪に教わった「ハイブランドの正しい買い方」
※本稿は、『結局、「手ぶらで生きる女(ひと)」がうまくいく』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■モナコの大富豪はお気に入りの店でしか買い物しない
モナコに移住したばかりの頃、私はある大富豪の男性からこんなアドバイスをもらいました。
「買い物は、気に入った『たった一つのお店』を選んで、そこだけで買い続けるんだよ。日用品でも高級品でも同じ。『このお店!』と決めたら、そこ以外では買わないんだ。それが、この土地で生きるための『信頼』を形づくっていくことになるからね」
正直、このアドバイスを受けたときは、「わかるような気もするけど、何を言っているのかしら?」とまったくピンときませんでした。
なぜなら当時の私は、その日の気分に合わせて、ふらりと立ち寄ったお店で自由気ままに買い物をすることが好きだったからです。
日本で暮らしていた頃も、ウィンドウショッピングで気になるお店を見つけては、「これ安い!」なんてプチプラアイテムを買うことを楽しんでいました。ファストファッションを取り入れてご機嫌になることもありました。
また、ビジネスで成功してからは、ルイ・ヴィトン、エルメス、グッチ、シャネル、ディオール、ルブタンなど、いろいろなハイブランドのお店に立ち寄っては、気に入ったものをあれこれ買っていました。
しかし、数多くの大富豪と知り合いになるにつれて、彼らが一様に大切にしているものがあるということに気づきました。
■人生の目的がお金の使い方に表れる
それは、「ライフ・パーパス(Life Purpose)」。日本語に訳すと、「人生の目的」。
モナコの人たちは、男女問わず、人生の目的がはっきりしています。
そのため彼らはいつも自信を持ち、希望に満ちあふれ、人生を楽しんでいます。彼らは、ライフ・パーパスを誰かに決めてもらうようなことはしません。子どもから大人まで、やりたいこと、好きなこと、心を傾けたいことは、すべて自分で決めています。

ライフ・パーパスが決まっている人には、「お金の使い方」にもブレがありません。私は、お金の使い方には、その人の生き様が表れることを、彼らから日々学んでいます。
だから、モナコで暮らして5年が経った今は、彼のアドバイスの意味がよくわかります。私の気ままなショッピングを戒めていたわけでも、無駄遣いを責めていたわけでもありません。
彼のライフ・パーパスは「人からの信頼を得る」ということでした。
「信頼関係を築くためには、たった一つの『お気に入りのお店』『信頼しているお店』で買い物をしたほうが、関係が深まるんだ。そして、その信頼関係が、あなたをもう一つ上のステージへ、つまり、『人生の目的』が満たされた豊かなステージへ引き上げてくれるんだよ」
お金について何も知らなかった私は、「人生の目的」がお金の使い方に表れるということを、彼の言葉から学んでいくことになりました。
■「お金」より「信頼」の方が価値は高い
お金は単純で、使えばなくなりますし、仕事をすれば手に入ります。また、不運に見舞われて一瞬にして失うこともあれば、幸運に恵まれて増えることもあります。
お金はずっと手元に留まるものではなく、出ていったり、入ってきたりするものです。
一方、コツコツと築き上げた「信頼関係」は、よほどのことがない限り崩れません。
また、その信頼関係の数が多ければ多いほど、「何があっても大丈夫」と安心して生きていくことができます。困ったとき、窮地に陥ったときに、信頼関係で結ばれた人がたくさんいれば、救いの手はそのぶんだけ多く伸びてくるからです。
■ルイ・ヴィトンでの買い物を続けて届いた招待状
そんな「信頼関係」の上に成り立つ安心安全な暮らしを組み立てる方法の一つが、「買い物は、自分の気に入った『たった一つのお店』を選んで買い続ける」というお金の使い方だったのです。
そのアドバイスの真意がわかってからは、私は浮気心を自制して、「たった一つのお店」で買い物をしていこうと心に決めました。
たとえば、ハイブランドを一つ選ぶとしたら、ルイ・ヴィトンにしようと決めました。デザイン、素材、ブランドの精神や歴史、ポリシー、そこに込められた意味などのすべてに魅了され、心からリスペクトしている大好きなブランドだったからです。

そして、モナコのルイ・ヴィトンを何度も利用し、ライフスタイリングを相談していくうちに、その店のゼネラルマネージャーと親しくなっていきました。
するとある日、私が住むモナコのメゾンに、一通の招待状が届きました。
それは、そう簡単には入居できない豪華なレジデンスで開催される、ルイ・ヴィトンのプライベートイベントへの招待状でした。
■店の特別顧客として認められた
私がヴィトンで使う金額は、モナコに住む大富豪と比べたら、ほんのわずかなものだったでしょう。それでもこの街に暮らしながら、少しずつ少しずつ買い物を続けていくうちに、お店の「特別顧客」として認めてもらえたのです。
「限られた人にしか届かない」とうわさされていた招待状が、自分のメゾンのポストに入っているのを見つけたとき、私は飛び上がるほどの嬉しさを感じました!
大富豪のアドバイスに従ってお金の使い方を変えてみたら、嬉しくてめまいがするほどの素晴らしいステージの扉が開いたのです。
■ハイブランドが「似合う人」「似合わない人」
ドキドキしながら迎えたプライベートイベントの当日、モナコで最も華やかなカジノと地中海が一望できるレジデンスの一室に向かいました。
家賃が1カ月5千万円とも言われているそのレジデンスの一室は、ルイ・ヴィトンの家具で美しくしつらえられていました。飾られている花をよく見てみると、ルイ・ヴィトンのレザーで作られています!
部屋のあちらこちらには新作のアイテムや定番商品が置かれ、特別オーダーのハイジュエリーやクロコダイルのバッグがさりげなく、しかし確実な存在感を放ちながら展示されています。
旗艦店などのブティックでは表現しきれないルイ・ヴィトンの世界観に感動した私は、「人生の目的」を決めて生きていくことの大切さを改めて思い知りました。
日本で暮らしていた頃の私は、ハイブランドのアイテムを持っていることが成功者の証だと思い込み、「これだけ高価なアイテムを持てる私には価値がある」という誤った考えを持っていました。「自分は価値のある人間だ」ということを、ハイブランドのアイテムを持つことで必死に示そうとしていたのです。
でも実際には、ハイブランドのアイテムをたくさん持っていれば、その人の価値が上がるというわけではありません。ハイブランドのアイテムを持つ人には価値があって、ファストファッションのアイテムを身につけている人には価値がないなんて、そんなおかしなことはありませんよね。
■大切なのは人生の目的に従って選んだものを身につけること
持ち物でその人の価値は決まりません。
持ち物で人生の豊かさが決まるわけでもありません。
ハイジュエリーを身につけていたって、高級車に乗っていたって、ハイブランドの服を着ていたって、人生の目的が明確でなければ、それらはただの「飾り」にすぎません。
大切なのは、人生の目的に従って選んだものを身につけているかどうか。
ハイジュエリーはそのままでも美しいものですが、それにふさわしい人物が身につけると、さらにその輝きを増します。
「あの人ほど、あのジュエリーが似合う人はいないよね」
「あの人って、本当にあの服が似合っているよね」

人がそのように表現するとき、そこには、持ち主の人柄がにじみ出ています。
お金を得ることは、人生の目的そのものにはなりません。
お金は、人生の目的に従って生きていくための道具にすぎません。
収入が多いか少ないか、ハイブランドを持っているか、お金持ちかいなかで人生の豊かさは決まりません。ハイブランドではなくても、プチプラのお店でもいいのです。
「私はこのブランドの考え方が好きだな」
「ここの店員さんは親身になってくれるから、このお店で買い物がしたいな」
そんな基準で、「たった一つのお気に入りのお店」を決めてみませんか?
人生の目的に従って優先順位を決め、心が満たされる場所を選んでお金を使っていきましょう。それが、次のステージを開くことにつながっていきます。
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エミチカ起業家プロデューサー、美容家
EMICHIKA Co.Ltd 代表取締役。三重県出身。モナコのパレスエリア(王宮前)で暮らす唯一の日本人。50歳のときに眼科医の夫が急逝し、2人の子どもを抱えながら2 億円の負債を抱える。51歳で美容ビジネスを立ち上げ、わずか5年で年商7億円企業に成長させる。しかし、その後大病を患い、生き方やビジネスの進め方の大転換を迫られる。その経験から、「古い価値観を手放して手ぶらになる生き方」にシフトし、本物の自由を手に入れる。2018年には、知り合いなし、コネなし、語学力なしの状態から、持ち前の行動力で次々とコネクションをつなぎ、「大富豪でなければ住めない」と言われ、世界中のセレブが集まる国・モナコで暮らし始める。また、「本物の幸せを見つければ人生は変わる」というアイデアをスピーチした海外TEDxは、2022年7月度の世界最高再生回数を記録(日本人女性初のランクイン)し、好評を博している。現在は、モナコのパレスエリアと日本を行き来しながら、多くの女性たちのプロデュースを手がけている。
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(起業家プロデューサー、美容家 エミチカ)
