「いけいけゴーゴー」を「考えるゴルフ」に変えたプロ生活 渋野日向子が後輩2人とのラウンドで思い出した“初心”
これが約5カ月ぶりとなる今季2試合目の日本ツアー。スポット参戦でディフェンディング大会に臨んでいる渋野日向子の心を揺さぶったのは、同組で回った“後輩たち”のプレーだった。
「自分が一番年上でプレーする年齢になったんだなと、しみじみしながら回ってました」
現在メルセデス・ランキング1位に立つ21歳の山下美夢有と、2週連続優勝がかかる19歳の川崎春花。勢いのある2人とプレーした23歳の渋野は、「プロになりたての頃を思い出した」と、うれしそうに語る。そして「自分の時よりも、2人とも素晴らしいプレーヤー。一緒に回っていて楽しかった」と賛辞の言葉を並べた。国内通算6勝を誇る全英女王に、「勉強になりました」と言わしめるプレー内容だった。
今年から米国ツアーを主戦場にするスター選手が出場するとあって、武蔵丘には多くのギャラリーが足を運んだ。昨年初日のギャラリー数2902人に比べ、今年は5587人。渋野の組には、当然ながら大行列ができた。それは「ひさしぶりという感覚ではなく、緊張感がありすぎて」と、その環境に“慣れているはず”の渋野でさえも圧倒されるほど。そんななかで、川崎は6アンダーのトップタイ、山下も3アンダー・11位タイと持ち味を発揮した。
そんな2人に、かつての自分の姿を重ね合わせる。「強気で、いきあたりばったりというか“いけいけゴーゴー”でやってた」と振り返る攻めのゴルフで、数々の栄冠をつかんだ頃の姿だ。しかし、多くの選手がそうであるように、プロ生活も4年目となった今は“経験”がコース上でいろいろな選択肢を思案させる。すっかり「考えるゴルフ」が当たり前になった。
この日の渋野は、引っかけるショットや、傾斜の強いグリーンで下りのラインが残るピン奥につけるシーンも目立ち、「やりたいものとは全く反対のゴルフ」に終始。初日を終えて2オーバー・61位タイと、予選通過ラインを下回ってしまった。
そんななか目の当たりにしたのが、いわばピンだけを狙うプレー。「その頃の強気は今でも必要だと思う。忘れないようにしたい。私がやりたいプレーができている2人。そういうゴルフをすれば勝つよね、っていうものを見せてもらいました」。これがいい“勉強”になった。
3人の笑い声をよく耳にするラウンドだった。「まずは楽しむことを忘れないように。それは18ホールを通して思っていた」。積極的に後輩に声をかけ、組の雰囲気を盛り上げる役目も担った。今大会が初顔合わせだった川崎も、「(渋野から)話しかけてくれて、すごく楽しかったです」とその感激ぶりを口にする。米国での生活について聞くなど、ルーキーにとって貴重な時間になった。
「今年はキワキワで予選落ちの試合が多かった。その経験も踏まえて、あすは慎重にいきつつも、攻めなければいけない位置。メリハリ、いい内容のゴルフができるよう心がけたい」。そんな2日目は、さらに若い手塚彩馨(佐久長聖高)、小俣柚葉(代々木高)という高2のアマチュア選手とプレーする。プレーの“若々しさ”でも負けるわけにはいかない。この日思い出した「強気」も織り交ぜたプレーで、リーダーボードを駆け上がっていく。(文・間宮輝憲)
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