今年の天皇杯決勝、浦和vs大分はシーズンの最後を締めくくるにふさわしい熱戦でした。90分の大分の同点ゴール、後半アディショナルタイムの浦和の決勝ゴールと、あまりに劇的な展開に興奮しました。

両チームともここまで来るのにストーリーがありました。浦和は槙野智章、宇賀神友弥などこれまでチームを支えてきた選手の退団と阿部勇樹の引退が決定していましたし、大分はJ3からJ1までチームを引き上げてきた片野坂知宏監督の退任が決まっていました。

退団が発表された選手は、その後どうチームと関わっていくか難しいものです。特にそれまで他の選手を牽引する役を担っていたら余計にそう感じるはず。ですが浦和は最後までみんなが同じ方向を向いていました。去って行く選手が次のチームのことを考えていたら、こうはならないと思います。

また監督の退任が発表されると、その後チームを引っ張るのは難しいものです。しかも来季のJ2リーグへの降格が決まっていたら、さらに困難だと思います。ですがチーム全員が気持ちを切らさず、バラバラにならずにまとまっていました。だからこそ決勝まで来られたのではないでしょうか。

長く苦しんできた浦和ですが、こうやってタイトルを獲ったことで、チームはさらに進歩していけるでしょう。リカルド・ロドリゲス監督は積極的に若手を起用して成長させました。就任1年目に実績を作ったことで、今後の采配も期待できます。

来季、大分が戦うのは4チームが降格したことでかつてない激戦になったJ2リーグです。ですが決勝まで来た誇りは必ず次に繋がります。J2でも当然上位に入るチームでしょうし、1年でトップリーグに復帰する希望は、この決勝で持てました。

勝敗は付きましたが、両チームは見る人の心を熱くさせる試合をしてくれました。浦和と大分に感謝の拍手を贈りたいと思います。