スターバックス「47JIMOTOフラペチーノ」に首をかしげる人たち(ニュースリリースより)

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スターバックスコーヒージャパン(東京都品川区)は2021年6月23日、日本上陸25周年を記念した商品「47JIMOTOフラペチーノ」を30日から発売すると発表した。47都道府県ごとに、それぞれ異なるフレーバーのフラペチーノを展開する。

各地域らしさをイメージしたフレーバーには、青森の「りんご」、沖縄の「ちんすこう」など、名物グルメが使われるケースが目立つ。ただ、中には「なぜうちの地元はこれなんだ?」など、その地域のフレーバーがイメージと結びつかない、という声も聞かれている。

「全都道府県飲みたい」「夏休みはスタバ巡り」

「47JIMOTOフラペチーノ」は各都道府県にあるスターバックスのパートナー(従業員)がアイデアを出し合い誕生。各都道府県の店舗で、それぞれ対応する1種を用意した。販売期間は8月3日までだが、なくなり次第終了となる。

6月23日にラインアップが発表された。目立ったのは、その土地ゆかりのグルメを使うケースだ。たとえば北海道なら「とうきび」を使った「とうきびクリーミーフラペチーノ」、青森県ならリンゴのシロップを使った「じゃわめくりんごストロベリーフラペチーノ」といった具合だ。いずれも地域の特産品として知られる。

また、宮城県の「だっちゃ ずんだ抹茶フラペチーノ」、長崎県の「カステラコーヒーやん!クリームフラペチーノ」、沖縄県の「かりーちんすこうバニラキャラメル フラペチーノ」など名物お菓子を使ったものも。石川県の「いいじ棒ほうじ茶フラペチーノ」、福岡県の「八女茶やけんフラペチーノ」など、その土地ならではのお茶を使ったフレーバーもある。

ラインアップが発表されると、ツイッター上では「スターバックス」「フラペチーノ」などがトレンド入りし、大きな話題に。「ずんだ抹茶フラペチーノめっちゃ飲みたい」「ちんすこうがめちゃくちゃに気になります」など各県のメニューに対する関心の声が聞かれたほか、「全都道府県飲みたい」「夏休みはスタバ巡り」と意欲を示す人もいた。

一方で、一部ではこんな声も聞かれている。

「なぜうちの地元はこれなんだ?」
「なんでその味なのか全然ピンとこないな」

自分が住む地域で販売されるフレーバーが、その地域の持つイメージとなかなか結びつかない、という指摘だ。

「山口がごまなの謎すぎない?」

例えばゴマを使用した山口県の「かさねちょるごまっちゃクリームフラペチーノ」。ゴマといえば、国内で流通する99%を海外からの輸入に頼っていることで知られる。農水省生産局の調査によると、山口県でのゴマ収穫量は年間1トン程度(2007年)だ。決してゴマが特産とはいえないことから、「山口がごまなの謎すぎない?」「因果関係が分からない...」「脈絡がなさすぎて逆に文句も言えない」などの声が聞かれた。

また、栃木(らいさまパチパチチョコレートフラペチーノ)、佐賀(ちかっとカリカリシュガー&チョコレートフラペチーノ)はいずれも「チョコ推し」だ。これに対しては「栃木はとちおとめあるしイチゴ系かと思った」「佐賀は何故チョコ?有名なもの無かったの?」といった声が出ている。

各都道府県のフレーバーについて、ニュースリリースには「地域を象徴する山や川などの雄大な自然に見立てたものや、地域ならではの食文化にインスピレーションを受けたもの、また、地域の特産品に着目したものなど...」とある。名物グルメの使用は、あくまで各都道府県のイメージを表現するための手段の一つのようだ。

スターバックス公式サイトのページでは、都道府県ごとにそのフレーバーが選ばれた理由が説明されている。例えば山口の「かさねちょるごまっちゃクリームフラペチーノ」は、同県に歴史に名を残した人物が多数存在したことと、紀元前3000年頃から食べられていたとされるゴマを結び付け、「歴史と自然が融合した山口県を表現しました」としている。

また、栃木の「らいさまパチパチチョコレートフラペチーノ」は、同県が日本でも有数の雷の多い県であることを受け、マンゴーパッションソースを使い「真っ暗な空に光る雷様を表現」。佐賀の「ちかっとカリカリシュガー&チョコレートフラペチーノ」は、かつて佐賀を経由し日本に砂糖文化を広めた「長崎街道シュガーロード」をイメージし、チョコレート風味の茶色のベースに白いラインを描いたという。