風呂場によくある、温度設定機能が付いた給湯器。

これを「42度未満」の低い温度で使い続けると、風呂の水栓(サーモスタット混合栓)が早くて5年で壊れる――。そんなツイートが話題になっている。


風呂場によくある給湯器のリモコン(写真は編集部撮影)

はたして本当だろうか? 筆者はいつも40度前後に設定しているのだが、そのせいで壊れてしまったらどうしよう......。

不安になったので、Jタウンネット記者は、2021年2月2日、水まわりの住宅設備メーカー「TOTO」(本社=福岡県北九州市)に、話を聞いてみることにした。

給湯器の推奨温度は50〜60度

同社の広報担当者によると、低い給湯温度で使用を続けたせいで水栓が故障したという事例は、同社製品に関しては「今までない」そうだ。

ただ、風呂場に設置されていることが多い「サーモスタット混合栓」(以下、サーモ水栓)の説明書には、「(給湯器は)50〜60度での使用を推奨する」旨が書かれているという。

サーモスタット混合栓とは、自動温度調節機能が付いた水栓のこと。片側にはシャワーかカラン(蛇口)のどちらから湯を出すか切り替えるハンドル、もう片側には湯の温度を設定するハンドルが付いているものだ。


お風呂の蛇口(画像はイメージ)

なぜそんなことが書かれているのかというと、水栓から設定温度のお湯を出すための仕組みが関係しているらしい。

前述のとおり、サーモ水栓には湯の温度を設定するハンドルが付いている。シャワーやカランから出るお湯は、このハンドルで設定した温度になるよう、水栓内で調整されているそう。

つまり給湯器で60度に設定していようが、水栓で40度に設定していれば、40度の水が出てくるというわけだ。

ではなぜ、給湯器は50〜60度に設定するのか。

広報担当者によると、水栓内で温度を下げるときは、お湯と水の間の温度差が大きい方が、調整しやすいそう。

具体的に言うと、42度のお湯を40度に微調整するよりも、50度のお湯を40度にする方が簡単だというのだ。

「そのため、(給湯器の給湯温度は)50〜60度に設定して使うほうが、水栓から設定温度のお湯を出しやすいのです」

とのこと。

サーモ水栓を使っている人は、シャワーから出る温度がなんだかイマイチ...と感じたら、一度給湯器の設定温度を上げてみるといいかもしれない。