10年間、サンタに代わって返信を続ける男性カップル(画像は『Metro 2020年12月9日付「Couple who get hundreds of Santa letters by mistake have replied for 10 years」』のスクリーンショット)

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間もなくやってくるクリスマスを前に、子供たちはサンタクロースに願いを込めてペンをとる。10年前、米ニューヨーク州のアパートに引っ越したカップルのところに、なぜか子供たちから大量のサンタクロース宛ての手紙が届くようになった。その手紙の内容に心を打たれたカップルはボランティアなどの力も借りながら返信を続け、その数は10年間で2000通を超えるという。『Metro』『Internewscast』などが伝えている。

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男性カップルのジム・グラウブさん(Jim Glaub、40)とディラン・パーカーさん(Dylan Parker、39)は10年間、子供たちがサンタクロースに宛てた手紙に返事を書き続けている。

遡ること2010年、米ニューヨーク州マンハッタンの22番街のアパートに引っ越したばかりの2人のもとに、なぜかサンタクロース宛ての手紙が届くようになった。最初は数通だった手紙はクリスマスに近づくにつれてどんどん増え、ポストに収まりきらずに届けにきた郵便配達員と喧嘩するほどの量だったという。

当時のことをジムさんは、このように振り返っている。

「前に住んでいた男性が退去する時、私たちにこう言ったんです。『この家には子供たちからサンタクロース宛ての手紙が届くんだ。何通かだけどね、一応伝えておくよ』とね。」

「男性の言う通り、数通の手紙が届き始めました。それが11月には100通を超え、12月になると400通を超える数になったんです! 本当にびっくりしましたよ。」

2人はこれらの手紙がどこから届いているものなのか調べるために開封したところ、手紙の内容に心が張り裂けそうになったという。そこには寝床のない子供や、洋服や学用品などが必要な子供たちからのメッセージが多数綴られていたのである。

また手紙には自分のことよりも他のきょうだいの幸せやプレゼントを願うものも多く、子供たちの純粋さに胸を打たれたジムさんとディランさんは、届いた手紙にサンタクロースとして返事を書き始めた。しかしたった2人ではその数にも限界がある。

そこでジムさんはマーケティング、ソーシャルメディア、ウェブデザインなどの仕事で関わっていたブロードウェイでの人脈を生かし、人々に支援を呼びかけた。すると家族や友人をはじめとした多くの有志が集まり、プレゼントの寄贈や手紙の返信への協力を申し出てくれるようになった。

2010年には450通の手紙のうち150通のリクエストに応えることができた2人は、より多くの子供たちに応えるべく「22番街の奇跡(Miracle on 22nd Street)」という非営利団体を立ち上げ、今年で10周年を迎える。同団体のウェブページでは、サンタの存在が必要な子供たちとその使い魔である“エルフ(ボランティアの人)”とのマッチングができるようになっている。

手紙の数は年々増えているといい、「Miracle on 22nd Street」のFacebookグループには現在11,593人のメンバーが参加している。

ジムさんとディランさんがこのアパートに住んでいたのは2010年から2年ほどで、その後2人は結婚してイギリスに移り住んだ。しかし2人の後に入居した住民らは、今でも「サンタ宛ての手紙」をアパートの伝統として引き継ぎ、手紙の整理やイギリスへの転送などに協力してくれるそうだ。

2人はこれからの活動について、次のように語っている。

「私たちはイギリスでも『Miracle on 22nd Street』の活動を広めたいと考えています。あのアパートに住んでいた2年間、イギリスの人から届く支援に感激していました。」

「『私たちにもこの団体からの手助けが必要だ』と多くのイギリスの家族から申し出がありました。すぐにでも(アメリカから)海を渡ってこの活動を広めることができたらいいなと思っています。」

なおジムさんとディランさんは、10年経った今でも「なぜサンタクロースへの手紙が22番街のアパートに届くのか、確かな理由は分からない」という。

ただ2人の住んでいたアパートのすぐそばには、作家のクレメント・クラーク・ムーア氏(Clement Clarke Moore)が詩『クリスマスの前の晩(The Night Before Christmas)』を書き上げた家があるため、「もしかしたらクレメント・ムーアの家の住所と近いことが原因かもしれませんね」とジムさんは話している。

画像は『Metro 2020年12月9日付「Couple who get hundreds of Santa letters by mistake have replied for 10 years」』『Miracle On 22nd Street 2019年12月7日付Instagram「TUNE IN ALERT」、2020年11月6日付Instagram「This year marks TEN YEARS of connecting families in need with real-life elves!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)