エマヌエル・ロドリゲス【写真:Getty Images】

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自身はきっちりウェートを作ったロドリゲスはネリに対して怒りをあらわに

 ボクシングの前WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(メキシコ)が、前日計量で規定の118ポンド(約53.5キロ)をオーバーし、前IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との挑戦者決定戦が中止となった。再計量には臨まず、金銭で解決しようとした元王者に対してロドリゲスが怒りを爆発させている。米メディア「ボクシングシーン.com」が報じている。

 MGMグランドでの前日計量。引き締まった肉体を披露したロドリゲスは秤の上で泰然自若の様子を貫いた。そして、リミットの118ポンド(約53.5キロ)でクリアすると、自信に満ちた表情で、両腕をパンプアップした。

 続いて登場したのはネリ。落ち着かない様子で秤に乗ると、両手を上げながらもどこか自信なさげな表情。あっという間に秤から降りると、係員からもう一度上がるように指示された。

 背後で半腰になるロドリゲス陣営のトレーナー、ウィリアム・クルーズ氏が半笑いで目方を覗き込む中、ネリの1ポンドオーバーがアナウンスされた。それでも、計量後のフェイスオフは実現。ネリを目の前に闘志を見せたプエルトリカンだが、金銭での解決策は拒否し軽量級注目のマッチアップは実現しなかった。

 記事によるとロドリゲスは「彼らは1ポンドの超過に対して金を支払うことを望んでいた。我々はそれを受け入れなかった」と語っているが、プロボクサーとしての誇りの問題だという。

「これはお金の問題ではない。我々が捧げてきた犠牲にこそ、価値を見出している。WBC王者のエリミネーターで、ウェートに準じる責務がある。ラスベガスに到着してからというものの、ネリが随分と重い状態だと聞いていた。これは我々の問題ではない。本当に嘆くべき事態だ」

ネリの過去にも言及「彼らの相手が彼の罠にかかってきた」

 ロドリゲスはこう語り、怒りを滲ませていたという。戦前からネリはバンタム級のリミットをオーバーしていたことはロドリゲス陣営の耳に入っていたという。

 記事ではネリの前科を紹介。2017年8月の山中慎介とのタイトルマッチ初戦でドーピング違反が発覚後、18年3月の再戦で大幅な体重超過を犯したことで、「許容範囲を逸脱」と断罪。さらに前戦のフアン・カルロス・パヤノ戦でも1度目の計量で失敗しており、「まだ教訓を学んでいない」と批判されている。

 またロドリゲスはネリの確信犯ぶりを看過できなかったという。

「我々は戦いたかった。だが、これまで彼が何度も繰り返してきたパターンを食い止める時がきたんだ。今後、彼が繰り返さないことを本気で祈っている。過去には、彼らの相手が彼の罠にかかってきた。そして、条件を受け入れてしまった。ここでは経済的な部分よりも自己犠牲という部分に、我々はより価値を置いた」

 5月のWBSS準決勝で井上尚弥(大橋)にTKO負けを喫したロドリゲスだが、ボクサーとしては当然ともいうべきプロ意識を示した。試合をキャンセルすれば、ファイトマネーは手にできない。お金を盾に、体重超過という優位性を手にするネリの手法に怒りを隠さなかった。(THE ANSWER編集部)