蔡総統の自著翻訳…前原志保さん「日本を考えるヒントになれば」/台湾
昨年1月の総統選挙で民進党の蔡英文主席が当選。ほどなくして白水社が蔡氏の自著の日本語版出版を計画すると、台湾に詳しい専門家らの推薦で前原さんに翻訳者として白羽の矢が立った。ただ、総統選まで約4年の歩みをつづった「蔡英文 新時代の台湾へ」の出版が正式に決まったのは同年4月1日。5月20日には総統就任式が行われるため、その日に全国の書店に並ばせることが目標となった。
そんな中で全員が心がけたのは「高校生が読んでも大丈夫な本にすること」。台湾と中国大陸の関係を意味する「両岸」という言葉をどう説明し解説するかなど、台湾ではごくありふれた言葉をいかに日本人の読者にわかりやすく表現するか、常に連絡を取り合いながら細心の注意を払った。
前原さんは「台湾に関することについて、ステレオタイプの見方をする人がいる。それに対して、そうじゃないっていう一面が、この本には書かれている。それを微力ながら表現できた」と語る。また、「もしかすると日本よりも台湾の方が政治は進んでいるんじゃないかと感じた」とし、「日本を考える何かのヒントになれば」とも。
2月上旬には再び翻訳を手がけた新刊「蔡英文自伝 台湾初の女性総統が歩んだ道」(蔡英文著、劉永毅構成)が白水社から出版される。政治と関係のない一般家庭に生まれた蔡氏が政治の舞台に上りつめる過程が書かれており、前原さんは、「私たち一般人が政治に対して無力ではなく、きっと何かできることがあるはずということを感じ取ってもらいたい」と話している。
(齊藤啓介)
