学生の窓口編集部

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俳句は世界最短の詩の形式といわれます。日本独自の文化ですが、最近では英語(および外国語)で作った「俳句」も知られるようになっています。いえ、実は日本人が知らないだけで、海外では俳句はポピュラーなものなのです。今回は、あなたの知らない「英語俳句」の世界をご紹介します。

■英語で「haiku」を作る際の注意点!

日本語の俳句は英語でも「haiku」です。日本語で俳句を作るときには「季語を入れること」「5-7-5」といったルールがありますね。では、英語で俳句を作る場合にはどのようなルールがあるのでしょうか。

英語俳句の専門家でもある日本大学の木内徹教授によれば、英語俳句を作る場合には次のような点に注意してほしいそうです。

●簡潔性を追求する
●できるだけ季節感を大切にする
●できるだけ5-7-5音節で書く
●「切れ」を入れる
●考えや思想や概念よりも、物を提示する詩にすること
●説明文や散文にならないように気を付ける

また、日本語で作る場合とは以下のような違いがあるとのことです。

●季節感あるいは季感は日本語と外国語では異なるので、季節の感じが出ていれば良い
●1行書きの日本語俳句と異なり、3行書きにするのが普通
●5-7-5音節だと盛り込む内容が多くなり過ぎるので、必ずしもこれにこだわる必要はない。2-3-2音節くらいで良い
●切れ(字)はダッシュやコロンなどで表す

日本語の俳句を基にしていますが、より自由な短い詩といった感じですね。ちなみに季語は「season word」あるいは「seasonal word」と呼ばれています。

■英語俳句の作品はこんな感じです!

英語俳句とはどのようなものか、作品を見てみましょう。夏目漱石の来熊100周年を記念して(夏目漱石は熊本県に暮らしたことがあります)始まった「『草枕』国際俳句大会」という俳句大会があります。

この大会では「外国語部門」が設けられていて、毎回多数の英語俳句が寄せられています。平成26年度の外国語部門で「草枕大賞」を受賞したのはIzetaさんの下の作品です。

the west burns down
in the pipe of an old man
quenching the century

西方が燃え落ちる
老人の燻らすパイプの中
この世紀の癒しに

Izeta Radetinac(セルビア)

対訳も相当うまいですが、なかなか深い味わいのある句ではないでしょうか。さらに「特選」に入った2句をご紹介します。

⇒「特選」入賞作品

leaf by leaf
the wind tears
away autumn

一葉ごとに
風が秋を
引きはがす

John Tiong Chung Hoo(マレーシア)

⇒「特選」入賞作品

Foggy bridge -
a tram
floats.

霧深き橋
列車を
宙に浮かべて

Daniel Gahnertz(イタリア)

■英語俳句の歴史はすでに100年以上になる!

木内先生によりますと「英語俳句」はすでに100年以上の歴史があるとのこと。初めて英語で俳句が書かれ、それが本になったのはなんと1901年のことだそうです。

単身アメリカに渡った野口米次郎さんが、アメリカで『The American Diary of a Japanese Girl』という本を書き、1901年に刊行されます。この本のラストに野口米次郎さん作の英語俳句があるのです(日本語版は1905年に刊行)。

ちなみに、この米次郎さんは、世界的な彫刻家であるイサム・ノグチさんのお父さんです。クリエーティブな血は息子にも受け継がれたわけです。

日本の俳句は欧米の詩人にショックを与えます。折しも、英語詩の世界に改革運動が起きていました。「イマジズム」運動のけん引者であったアメリカの詩人エズラ・パウンドも日本の「俳句」に出会い、その影響を受けました。

■第二次大戦後に俳句はさらに広がった!

さらに、第二次世界大戦後、日本の俳句に強く引かれたレジナルド・ブライスさんが、俳句の歴史、作例を紹介した『俳句』全4巻を刊行。ブライスさんの著作により、世界的に俳句が注目されるようになります。