レベルデザインとはゲーム開発における作業の1つで、ゲーム中に登場するエリアの空間を設計したり、障害物やアイテムを配置したりして、プレイヤーが楽しめるステージを作成することです。ゲーム開発に携わっていない人にとっては取っつきにくそうなレベルデザインですが、レベルデザイナーのBobby RossさんがFPSやTPSなどのシューティングゲームにおけるレベルデザインの基礎を公式ブログで公開しており、わかりやすい内容になっています。

The Visual Guide for Multiplayer Level Design - Level Art+Design Portfolio

http://bobbyross.com/blog/2014/6/29/the-visual-guide-for-multiplayer-level-design

◆01:デザインに考慮すべき要素

プレイヤーの行動はレベルデザインにとって重要な要素で、隠れながら行動するステルス・常にヘッドショットを狙うスナイパー・ぶらぶらと歩き回るローマー・敵陣に向かって一直線のラッシャー・敵を待ち伏せるキャンパーなどがあります。プレイヤーの行動に大きな影響を与える障害物は、高低をつけ、壊れるものと壊れないものを作成。プレイヤーが行う戦闘は、格闘で戦う超接近戦からスナイパーライフルで敵を仕留める遠距離まで計4レベルを考慮します。



レベルデザインにおいてプレイヤーの行動と同じくらい需要なのがゲームモードで、敵陣の旗を取りあうCTF・敵陣を制圧するCP・特別なプレイヤーのみ得点を得られるVIP・撃破人数を競うDMがあり、それらを組み合わせた、爆弾を目的地まで運んでセットするBombや1人のプレイヤーを目的地まで連れて行くEscort・撃破してポイントを得られるプレイヤーが交代していくPredatorなどがあります。



◆02:戦略

敵陣に攻め込むために通るルートは最低でも3つ必要です。攻めるチームと守るチームに別れて爆弾を使用するゲームモードでは、爆弾をセットするエリアへの入口を3つ用意し、そのエリアに守るチームが攻めるチームよりも早く到着できるようにデザイン。



敵陣につながる3つのルートはトップ・センター・ボトムの3種類。トップは中心部に向かうほど複雑に設計し、センターは敵陣に向かうには最短に見えるけれども、少し進むにも苦労するくらい難しいレベル。ボトムはステルスプレイに適しているルートで「敵陣近くにトラップをセットして別ルートに移動」といったプレイをできるように、敵陣近くでルートを変更できるようにします。



例えばジャングルのようなマップでは、トップに隠れやすい大きな岩があるエリアと明るくて敵に見つかりやすいエリアの両方が必要。ボトムには暗くて敵に見つかりにくい洞窟を敵陣の近くに設置します。



◆03:戦術

プレイヤーが自陣から一直線に敵陣を目指した時に、ちょうどプレイヤー同士が遭遇するエリアはバトルエリアと呼ばれていて、バトルエリアへの入口は1つだけではなく、少なくとも2つ用意します。



キャンパーが身を潜める場所を最小限にするため、2つの入口のうちどちらかにだけ障害物をおいたり、攻めているチームの攻撃オプションが増えるように障害物を配置。



FPSプレイヤーは画面のどの高さに照準を合わせるとヘッドショットを狙えるか熟知しています。それを防ぐには高低のあるマップデザインが有効です。



エリア内に抜け道のような特別なルートを用意する場合、その道を通るのは危険だけれども、通れれば有利な状況を生み出せる、ハイリスクハイリターンのルートにします。



◆04:マップスケール

マップの大きさは、ミッションを達成したり、重要なバトルエリアにたどりついたりするまでの時間によって変わってきます。攻めるチームと守るチームの双方に均衡が取れたマップでは、敵に最初に遭遇するまで短くて15秒、長くて45秒ほど。敵陣にたどり着くのは短くて30秒、長くて90秒ほど、と考えてマップをデザインします。



プレイヤーの移動スピードが秒速5mとすると、プレイヤーは10秒間に、平坦な道だと50m・高低差のある道だと30m進めます。



◆05:配置とナビゲーション

武器やアイテムをマップに配置する場合は、武器の手前に階段を設置して、プレイヤーに「何かある」と思わせるように心がけます。ほとんどのプレイヤーがマップの武器の位置を覚え込むことも念頭におくこと。また、部屋の入口近くに何もないと、プレイヤーが敵の攻撃に恐れをなしてなかなか入ってこないという状況を作り出してしまいます。こういった状況を防ぐには、部屋の入口に障害物を設置すると有効です。



プレイヤーが現在地を把握するためにも、ジャングルや洞窟など、1つ1つのエリアを全く違うものにします。



プレイヤーの気を引きつけるようなモノをプレイヤーの視界に入る位置に設置することをフォーカルポイントと言います。フォーカルポイントは、次のエリアへの道しるべになるので注意して配置します。



フォーカルポイントはプレイヤーの視界を9等分したときに、中心の長方形の4隅に見えるように配置。



マップにストーリーを付け加えることも重要。例えば、「村」「クモに侵略されている森」「クモの巣」というエリアでマップを区切れば、プレイヤーは現在地がどのような場所なのか理解でき、またゲームへの集中力も上がります。



マップにストーリー性を持たせることはフォーカルポイントを強調する役目もあります。「この先危険!」「出口」といった、進路の先に何があるのかを示す看板が特に有効です。



フォーカルポイントにはアイテムから看板などさまざまなモノがありますが、最も重要なのが大きな建造物です。大きな建造物はプレイヤーが道に迷うのを防ぎ、現在地を把握するのに非常に大きな役割を持っているのです。



ライティングはカラーリングよりも重要。プレイヤーは地形や物体を、光や光によってできる影で認識します。コントラストの強いライティングは、強力なフォーカルポイントになるのです。



◆06:左右対称マップ

左右対称のマップは簡単に作成でき、双方のチームバランスを取ることが可能です。ただし、マップの左右にビジュアル面での大きな違いを表現しないと、プレイヤーが混乱に陥る可能性があります。



左右対称のマップは作成が簡単。



左右非対称のマップは作成が難しく時間もかかり、双方のチームのバランスを取りにくいといった欠点がありますが、物体の配置やナビゲーションは左右対称のマップよりも簡単。



左右非対称のマップは見ての通り、左右対称のマップよりも作成難易度が上がります。



◆07:キャラクターデザイン

下記の図にある2つのキャラクターは異なる性質を持っており、その性質がマップデザインに影響を与えます。例えば、移動スピードが早く体力も多い左のキャラクターは危険を顧みずに突進するタイプ。移動スピードが遅く体力も少ないキャラクターを使うプレイヤーは広いマップで能力を発揮するとのこと。こういったキャラクターの特性を考えてレベルデザインを行うことも重要です。