海外旅行保険はクレジットカードで十分か!? あまり知られていない補償内容の仕組みや 「自動付帯」と「利用付帯」の違いを徹底解説!

7月に入り、そろそろ夏休みを取る人も増えてくる季節になりました。休みを利用して海外旅行の準備をしている方も多いのではないでしょうか?
海外旅行に行く場合、空港などで海外旅行保険に加入する方もいると思います。たとえ、クレジットカードに旅行保険が付帯していると知っていても、クレジットカードの海外旅行傷害保険だけだとなんとなく不安という方も多いのではないでしょうか。
しかし、上手に使えば、クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険でも、補償内容、補償金額を充実させることが可能です。今回はクレジットカードの海外旅行傷害保険がどれほど使えるのかを、AIU等の海外旅行保険との違いを確認しながら解説していきます。
クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険と
保険会社に保険料を支払って加入する海外旅行保険の違いとは?
まず、クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険とAIU等の保険会社に保険料を支払って加入する海外旅行保険の大きな違いは、「補償対象範囲と金額」と「治療費の支払い方法」です(今回はAIUの海外旅行保険を例にします)。
「補償対象範囲と金額」をよく見てみると、クレジットカードの海外旅行傷害保険では対応できないトラブルがあります。例えば、「疾病死亡」「緊急歯科治療費用」などです。
旅行中に病気で死亡した場合は、クレジットカードの海外旅行傷害保険では補償されません。一方、AIU等の海外旅行保険の場合は、旅行中に病気で死亡した場合も補償の対象となります。
また、治療費等の金額がクレジットカードの海外旅行傷害保険よりも高額に設定されている場合が多いのも特徴です。
「治療費の支払い方法」を比較すると、クレジットカードの海外旅行傷害保険の場合は、基本的には現地での治療費をいったんは建て替える必要があり、帰国後に請求しなければなりません。一方、AIU等の海外旅行保険の場合は、治療費を自己負担することなく治療を受けられる場合があります。
これだけ見ると、やはりクレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険だけではなく、別途、保険料を支払って海外旅行保険に加入したほうがいいなと思ってしまいますね。
確かに、現地での治療費の立て替えをしなくて済むようにしたいなら、AIU等の海外旅行保険に加入したほうがいいのですが、「補償対象範囲と金額」についてはクレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険でも十分だという見方もできるのです。
カードの付帯保険と保険会社の保険を徹底比較!
重要な補償はAIUの海外旅行保険のほうが高額な設定に
まずは、旅行日程が10日までで、契約タイプが「傷害死亡時に3000万円」のAIU海外旅行保険の保険料と補償内容を調べました。「傷害死亡時に3000万円」の場合、支払う保険料は約1万円です。次に、年会費が1万円程度のクレジットカード「DCMX GOLD」に付帯している海外旅行傷害保険の内容を確認しました。この2つを比較したのが次の表です。
AIU海外旅行保険 | DCMX GOLD | |
保険料/年会費 | 1万10円 | 1万800円 |
保険期間 | 10日まで | 90日まで |
傷害死亡 | 3000万円 | 1億円 |
傷害後遺障害 | 最高3000万円 | 最高1億円 |
傷害治療費用 | 無制限 | 最高300万円 |
疾病治療費用 | ||
救援費用 | 最高500万円 | |
緊急歯科治療費用 | 10万円 | ─ |
疾病死亡 | 1000万円 | ─ |
賠償責任 | 1億円 | 最高5000万円 |
携行品 | 30万円 | 最高50万円 (自己負担額3000円) |
旅行事故緊急費用 | 5万円 | ─ |
最初に書いたとおり、「疾病死亡」「緊急歯科治療費用」の項目が「DCMX GOLD」に付帯している海外旅行傷害保険にはありません。また、予期せぬ偶然の事故によって負担した交通費や宿泊費等を補償する「旅行事故緊急費用」も付帯していません。
しかし、あくまで個人的な感覚ですが、「疾病死亡」については、病気を患いながら海外旅行に行くこと自体が間違っていますので、10日間程度の旅行であれば(旅行終了日から30日以内に死亡した場合が対象)、疾病死亡補償があるかないかはあまり関係ないと思われます。
続いて、「緊急歯科治療費用」についてですが、海外では歯科治療費が非常に高額です。しかし、こちらも10日間で治療が必要なほど痛むということは、それ以前からある程度の痛みがあるはずですので、治療してから行きましょう。もし、長期で海外に滞在することがある場合は、事前に虫歯治療などをしておくことをおすすめします。
それ以外で大きな違いは、「傷害治療費用」「救援費用」でしょうか。無制限なのか上限が決まっているのかという違いです。例えば、海外で骨折して入院し、「傷害治療費用」「救援費用」が350万円かかった場合は、「DCMX GOLD」の海外旅行傷害保険では上限が300万円と設定されているので50万円が自己負担となってしまいます。一方、AIUの海外旅行保険は「傷害治療費用」「救援費用」の支払限度額が無制限ですので、たとえ1000万円かかったとしても自己負担は0円です。
また、他人を怪我させたり、お店の品物を壊してしまったりした場合の「賠償責任」についても、AIUの海外旅行保険が1億円なのに対し、「DCMX GOLD」の付帯保険では5000万円と、2倍の開きがあります。最初に書いたとおり、AIU等の旅行保険のほうが重要な項目で補償額も大きく、安心ということがわかります。