夏は気温の上昇、落雷、休暇中の電源断等の影響で1年の内で最もPRAID・サーバーに障害が発生しやすい季節である。例年夏になると、RAID・サーバーのデータ復旧の依頼が平年の10%程度増えるという。(写真は日本データテクノロジーの技術開発プロジェクト責任者の西原世栄氏、写真撮影:サーチナ)

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 夏は気温の上昇、落雷、休暇中の電源断等の影響で1年の内で最もRAID・サーバーに障害が発生しやすい季節である。例年夏になると、RAID・サーバーのデータ復旧の依頼が平年の10%程度増えるという。故障したHDDのデータ復旧サービスで、7年連続日本一の実績をあげる日本データテクノロジーの技術開発プロジェクト責任者の西原世栄氏に、夏季シーズンのサーバー担当者が注意すべきポイントを聞いた。

―― 一時期「ゲリラ豪雨」というのが話題になりましたが、気温が高いと気候が不安定になり、夏場には落雷も多くなります。落雷がRAIDやサーバーに及ぼす影響は?

 落雷による停電や過電流がトラブルのもとになります。

 たとえば、停電による影響ですが、急な電源断が発生すると、稼働中のプログラムが強制的に停止してしまいます。強制的に停止される為、データを正常に保存できず、内部プログラムに障害が発生しやすくなります。

 停電とは少し異なりますが、お盆休みで一時的にサーバーを停止していたものを、再稼動させた途端に、サーバーが故障したというご相談が、この時期に必ず発生しています。というのも、RAIDやサーバーは、連続稼動することを前提に設計されていますから、正しいプロセスで電源を落としたとしても、処理情報量の問題で障害が発生するリスクが高くなってしまうのです。

――過電流というのは?

 落雷によって一時的に電力線に大きな電流が流れる場合があります。電力線や電話線などを伝って、PCやRAID、サーバーなどに、大きな電流が流れると、その影響で機器が壊れることがあります。電子機器は全般に電流の変化に弱いので、近くで雷が鳴っている時などには注意が必要です。

――落雷によるトラブルでお問合せされるお客様はどのような方が多いですか?

 RAID機能を備えたNASをご利用のお客様からの問合せが多いです。落雷トラブルに関する問合せの約5割がRAIDのお問合せなのですが、その内の約6割はTeraStation、LANDISK、LinkStationといった一般家庭から企業・SOHOなど幅広く使われているNASのお問合せです。

 大企業が導入するような数十台構成のサーバー機器とは違い、手軽に導入できるので大変人気が高いのが特徴です。

 しかし、サーバー機器と比べ安価で手軽に導入できる為、トラブルを防ぐ為の事前策を怠りがちで、落雷などイレギュラーな事態が発生した時に故障してしまうケースが非常に多いです。

――落雷によるトラブルを避けるためには、どのような対策が有効ですか?

 一番いいのは、雷が近づいて来ることが分かったら、PCで行う作業を中断し、正規の手順に従って電源を切って、コンセントを抜いてしまうことです。ただ、会社においては、仕事中にPC作業を一斉にストップするということは、現実的ではないので、UPS(無停電電源装置)を導入することをオススメします。

 UPSは、コンセントとRAIDなどの間に接続して使いますが、停電時には予め充電してある蓄電池から数分間は給電を行いますので、一時的な停電に対する対策として有効です。

 また、落雷による停電については、完全に電気が消えてしまうような停電はめったに起きなくなりましたが、瞬間的に電圧が下がって、ごく短い期間は電力供給が途絶える「瞬断」という現象は珍しくありません。たとえ「瞬断」であっても、RAIDやサーバーの異状につながることがありますので事前の対策が重要となります。しかし、UPSも万能ではありませんので、停電が長時間続く事も想定し社内対応マニュアルを作成し共有されるのが良いでしょう。

 また、過電流についてはUPSでは防げないので、サージ(電流)プロテクターなどの導入を検討してください。

――夏の雷シーズンに向けて、RAIDやサーバー管理者が気をつけることは?

 さきほど、申し上げましたUPSやサージプロテクターによる対策を行うだけでなく、夏場はバックアップ回数を通常時よりも増やすべきだと考えます。というのも、UPSやサージプロテクターで対策を行っていても障害が発生してしまうケースがあるからです。

 先日、ご依頼いただいた『停電』によりLinkStationに障害が発生したお客様は事前にUSPを導入していました。UPSを導入していた為、異状は発生していないだろうと考えていたようですが、停電後にエラーメッセージが出てアクセス出来ない状態になったそうです。障害の発生原因はわかりませんが、対策をしていても精密機器故に思わぬ障害が発生してしまうケースもあります。

 また、お盆休み中はビル内のメンテナンスが行われることが多く、ビル内停電が実施されるケースが多いです。RAIDやサーバー担当者の方に共有される事なく、ビル内停電が行われ結果としてRAID・サーバーの障害が発生する事も珍しくありませんので、休暇に入られる前に必ず確認するようにして下さい。

 落雷や停電による障害でデータ復旧をご依頼いただく内の、約5割がRAIDサーバー管理者の方々からです。停電や過電流対策が十分になされているかどうか、今一度ご確認されることをオススメします。

 また、お盆休みで一時的にサーバーの電源を落とすときには、是非、休み前にバックアップをとった上で、休みに入るようにしてください。

 そして、万一、落雷等でRAIDやサーバーが故障してしまった場合は、ご自身で復旧作業を行うことなく、専門家に相談するようにしてください。特に、RAIDは復旧実績を重ねた専門家が障害対応に当たらないと、思わず深刻な障害に発展し、データ復旧が不能になることがあります。(編集担当:徳永浩)