飲食中に第三者から持ちかけられる「ひと口ちょうだい問題」…衛生面で抵抗感、どう断るか? 識者が提言
飲食中に親しい第三者から「それ、おいしそう。ひと口ちょうだい」と言われた時、気にしないタイプの人もいれば、衛生面の観点などから抵抗感を抱く人もいる。後者の場合、どのように対応すればよいのだろうか。「大人研究」のパイオニアとして知られるコラムニストの石原壮一郎氏がその対策を提言した。
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【今回のピンチ】
社内の休憩コーナーで高級アイスを食べていたら、異性の同僚が「うわ、おいしそうね。ひと口ちょうだい」と言ってきた。他人に口を付けられるのは超苦手である。どう断わる?
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あなたは30代の男性。今日は朝から外回りで、たっぷり汗をかきました。ひと息つこうと、コンビニで高級アイスをゲット。社内の休憩コーナーで食べていたら、通りがかった仲のいい女性の先輩に「うわ、おいしそうね。ひと口ちょうだい」と言われました。
その先輩のことは決して嫌いではありませんが、実は昔から、他人が口を付けたものを食べるのが超苦手です。しかし、断わったらムッとされそうだし、ケチと思われるかもしれません。さて、どうしたものか。
「ひと口ちょうだい問題」は、昔から多くの人を悩ませてきました。アイスクリームだけでなく、ソフトクリームやアメリカンドック、ペットボトルのお茶、ラーメンなどなど、いろんな食べ物や飲み物が、今日も「ひと口ちょうだい」というセリフを誘発しています。
「他人が口を付けた食べ物」に対する抵抗感は、人によってさまざま。全然、気にしない人もいれば、この男性のように超苦手で受け入れられない人もいます。
女性の先輩は、口を付けたり付けられたりすることに抵抗感がなく、親しみの表現として「ひと口ちょうだい」と言っているのでしょう。何とも困ったことになりました。
冗談めかして「いやあ、妊娠するといけませんから」なんて言ったら、大問題になりかねません。「間接キッスになっちゃいますから」も、気持ち悪い印象を与えるでしょう。
どうせもう食べる気がしなくなると思って、「全部あげます」と言いたくなるかもしれません。そう言われたら相手は、喜ぶどころか気分を激しく害するのは必至。今後の人間関係に深刻な影響を及ぼすでしょう。
困った様子で「えっと、ど、どこかにスプーンとかないでしょうか」と言えば、食べものを分け合うのが苦手だと察してくれるかもしれません。ただ、相手は「全然、気にしない人」だけに、「いいじゃない。そのスプーン貸してよ」と言い出しそうです。
ここは大胆な“告白”で相手を怯(ひる)ませましょう。深刻な口調で「食べてもらいたいのは山々なんですけど、実は僕、魔女に厄介(やっかい)な魔法をかけられていて、食べ物を人と分け合うとカエルになっちゃうんです」と話します。信じてもらえる可能性はゼロですが、あげたくないという強い決意は伝わるはず。
まあ、苦渋の表情で「すみません。分けるの苦手なんです……」と絞り出すように言った方が、すんなり納得してもらえそうです。シンプルに伝えるもよし、変化球を投げ込んで相手の反応を楽しむもよし。そこは状況と相手のキャラクター次第です。
「ちょうだいなんて言ってくるのが非常識だ!」と、相手を悪者にして怒りをたぎらせても仕方ありません。なるべく平和で、なるべく楽しめる対処法を貪欲に追求しましょう。それが自分を成長させて、実り多い人生を送る必須条件です……たぶん。
(コラムニスト・石原 壮一郎)

