人民元の国際化が加速、ドル体制の構造変化を背景に

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中国銀行が発表した『人民元国際使用白書(2026)』によりますと、海外の貿易パートナーの間で人民元建て決済を受け入れる意欲が高まっています。調査対象となった国内企業の6割超が「取引先が人民元決済を受け入れている」と回答し、3割超が受け取った人民元を預金として保有していると答え、その割合は過去5年で最高を記録しました。

世界的なマクロ環境の不確実性が高まり、安全で安定した資産への配置需要が拡大する中、人民元の国際化は着実に進展しています。人民元は単なる越境貿易の決済通貨から、投融資通貨や準備通貨へと役割を広げており、人民元資産の戦略的価値が一段と際立っています。

中国社会科学院金融研究所の張明・副所長は、現在生じている複合的な要因が従来の構図を変え、ドル覇権の調整サイクルを加速させていると指摘しています。米国の関税政策がもたらす「トリフィンのジレンマ(流動性と信認のジレンマ)」の深刻化や、中東情勢の緊迫化に伴う長期金利の上昇により、国際投資家がドル建て資産を減らす動きが生じています。こうした世界の通貨体制における構造変化は、人民元の国際化が従来の制約を突破し、飛躍的に発展するための貴重な機会を生み出しました。

現在、以下の3つの動向が注目されています。第一に、コモディティ決済の強化と応用シーンの拡大です。中露間の原油貿易はすでに大部分が自国通貨建てで行われており、中国と中東諸国との取引でも人民元建て決済の割合が急増しています。第二に、資金調達通貨としての存在感の向上です。中国の市場金利が米国を下回る状況が続く中、オフショア人民元建て融資や点心債、パンダ債などの市場が急成長し、資金調達通貨としての魅力が高まっています。第三に、越境決済システムの多極化です。デジタル人民元2.0の導入により、従来の決済システムと新たなデジタル決済システムが並行して機能する体制が形成されつつあります。

中国人民銀行の陶玲・副総裁によりますと、2025年以降、同行は国家外貨管理局などの関連部門と共同で、人民元の国際利用における手続きの複雑さやオフショア市場での流動性不足といった課題に対応するための政策を整備してきました。これには、多国籍企業による国内外資金の柔軟な配分と管理コストの削減、国内企業による海外での資金調達の円滑化、そしてオフショア市場への人民元流動性の供給拡大を支援する新たな制度の導入が含まれています。(提供/CGTN Japanese)