83分、ヘディングシュートを決める上田(20日、メキシコ・モンテレイ近郊で)=飯島啓太撮影

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 【モンテレイ(メキシコ)=平島さおり】サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3か国大会で20日(日本時間21日)、日本はメキシコ・モンテレイで1次リーグF組の第2戦に臨み、チュニジアに4―0で勝った。

 今大会初勝利で勝ち点4。1試合4得点は日本のW杯史上最多記録となった。

 日本は4分、鎌田大地(クリスタルパレス)の2試合連続ゴールで先制。31分に上田綺世(フェイエノールト)が追加点を決めるなどリードを広げ、3―0で迎えた83分には、上田がW杯で日本選手初の1試合複数得点となる2点目を決めて突き放した。この試合はW杯通算1000試合目だった。

 25日(日本時間26日)の第3戦でスウェーデンに勝つか引き分ければ、決勝トーナメント進出が決定。敗れても他の試合の結果次第で勝ち上がる可能性がある。

 W杯で躍動する日本人FWがついに現れた。1トップで先発した上田が31分、ミドルシュートを決め、83分には右クロスに高い打点で合わせた。69分には、後方からのパスを巧みにつないでチーム3点目を演出。「悔しい思いをした4年前(のW杯)から積み上げてきたものがつながった」と破顔した。

 就任当初、森保一監督には悩みがあった。「1人でFWができる選手がいない」。世界の主流は、ボールを収めて攻撃の起点になるポストプレーや守備など、何役もこなせる選手を最前線に置く「1トップ」のシステム。しかし、1トップとして世界で活躍している日本人FWはいなかった。

 指揮官は無名の大学生に目を付けた。力強いシュートに滞空時間の長いジャンプ、DFを置き去りにするスピード――。2019年、粗削りながら抜群の身体能力を誇る上田を代表に抜てきした。一方、上田は得点を奪うことに特化するFW像にこだわっていた。森保監督から、「このままだと(代表選手として)終わるぞ」と伝えられたこともある。前回W杯は45分の出場で無得点。「何もできなかった」と無力感を味わった。

 その後、オランダの名門クラブに移籍。出番が限られた2年間、味方を生かすプレーを磨き、今季は先発に定着。1部リーグで日本人初の得点王となり、2度目のW杯に乗り込んでいる。

 昨年8月に亡くなった釜本邦茂さんが五輪得点王に輝き、日本が銅メダルを獲得したのは同じメキシコの地だった。「一番大きな仕事の得点という結果で貢献できた」。今の上田にも、チームを世界の上位に導く力が備わっている。(星聡)