「気持ちいいねぇ」と娘の腕をさすさす… 赤ちゃんへの“無許可タッチ”に怒りの声 母親がとった“平和的すぎる防衛策”
知らない人が、突然幼い我が子に触ってくる――。そんな経験をした人は意外と少なくないようだ。対処法が難しく、全国の親たちを悩ませているこの問題に対して、一人のSNSユーザーの投稿が注目を集めた。
赤ちゃんに勝手に触ろうとしてきた見知らぬ女性
話題となったポストはこうだ。
「知らん(おばあさんの絵文字)が急に『かわいいねぇ~』って言いながらうちのベイビーを勝手に触ろうとしてきたから、私が手出して握手したらすんごい軽蔑したような目で見られたwww こっちも同じ気持ちなんですが?????」
見知らぬ高齢女性が、赤ちゃんを勝手に触ろうとしてきたため、代わりに自分の手を差し出して握手をしたというこの体験。
投稿には、「平和な防止方法でとても良い」「私も触られそうになったらそうしよう」といった反応が集まった。
この問題の難しさは、相手に悪意がないこと。親としては戸惑っても、強く拒みづらいからこそ、対処が難しい。
投稿者の30代女性「うぱー」さんは、握手によってこの場を切り抜けたというが、当時の状況をさらに詳しく聞いた。
場所は近所のスーパーで、買い物をしているとき。相手は70代~80代くらいに見える高齢女性で、ニコニコしながら「かわいいねぇ~」と声をかけて、赤ちゃんに手を伸ばしてきた。そこで、うぱーさんは上記のような行動をとった。
「そのとき、相手の方とは特に言葉は交わしていません。私が手を差し出して握手をした後、相手の方は何が起きたか分からないといった様子で、怪訝そうな顔をされていました。
私はそのままニコニコと笑顔を崩さず、会釈。相手の方はすぐに私から離れて、また何事もなかったかのようにご自身のお買い物に戻っていかれました」
うぱーさんの子どもは、まだ0歳児。1歳を過ぎないと打てない予防接種も多く、感染症などが心配な時期だったため、とっさの判断でこのような対処をしたという。
ただ、うぱーさんも、相手の女性に悪意があったとは思っておらず、「ただ純粋に『赤ちゃんを見つけて可愛い!』と思って近づいてこられただけなんだろうなと思います」と振り返る。
とはいえ、悪気がないことと、突然触られることへの抵抗感は別の問題だ。
高齢女性の“ダル絡み”に娘もうんざり顔で……
「相手が直前に何を触ったかも分からない手で我が子に触れられるのは、正直とても抵抗がありました」
かといって、強く拒絶して相手を刺激したり、わざわざ角を立てたりはしたくない。そんな思いから、とっさに出たのが“握手”だった。嫌な顔をせず、「笑顔」を武器にしてうまく受け流すことが、波風を立てずにその場を収めるための対応だったそうだ。
悪気がないからこそ断りづらい、子どもへの“無許可タッチ”問題。こうした場面は決して珍しくない。
2歳の娘を育てる都内在住の40代男性は、一度の外出につき、一度は経験するほど頻度が高いと話す。
「電車の中やエレベーター、病院の待合室など、少しその場にとどまる状況で起きることが多いですね。触ってくるのは高齢女性が多い印象です。頭をなでられたり、手を触られたり……」
中でも印象に残っているのは、回転寿司店の待合室での出来事だ。娘の隣に老夫婦が座っており、高齢女性が娘にハイタッチを求めてきた。
「娘は応じませんでした。でも、相手の方はそれにめげず、3分くらいずっとチャレンジし続けてくるんですよね……。これはもう終わらないなと思い、最終的に僕が娘の手を持ってハイタッチさせました。
相手の方は嫌なことをしているつもりはなく、子どもが喜ぶと思ってやっている。だから難しいです。ただ、そのときは娘は嫌そうな顔をしていたし、基本的には知らない人に触られて喜んだりしませんが」
一方で、地域や生活環境によって、経験の頻度には差もあるようだ。
群馬県在住で1歳半の息子を育てる30代夫婦は、外出先で「かわいいね」と声をかけられることはあっても、「勝手に触られることはほぼ経験がない」と話す。
「触るとなるとちょっと抵抗はありますが、息子がほめられること自体は悪い気はしませんね。ただ一度だけ、ちょっとびっくりした経験がありました」
「気持ちいいねえ…」急に娘を触ってきたおばあさん
近くの大型ショッピングセンターで、抱っこ紐で息子を連れて歩いていた際、息子が少しぐずったことがあった。すると、近くにいた高齢女性が突然「泣かないで」と言いながら、赤ちゃんの背中をトントン叩いたという。
「まず、『泣いてないけど……』と思いましたし、いきなり手が伸びてきたのでびっくりしました。ただ、とっさに『ありがとうございます』と返してしまいました。自分でもなんでそんなことを言ったのかはわかりませんが、たぶん、向こうが良かれと思ってやっていたからでしょうね」
女性は笑顔で満足そうに、そのまま去っていったという。
こうした証言から見えてくるのは、親たちが「赤ちゃんに声をかけられること」そのものを必ずしも拒んでいるわけではない、ということだ。好意自体に困っているわけでもない。
ただ、触るとなると話は別だ。
感染症への不安、衛生面、そして親の防衛感情がある。たとえ相手に悪気がなくても、全員が善良な人とも限らないため、突然我が子に手を伸ばされれば警戒するのも当然だ。
SNSには、ほかにも多くの体験談があがっている。
「お寿司屋さん並んでたら、後から来た知らんおばあさんが急に娘の二の腕をさすさす触ってきてびっくり『気持ちいいねぇ』じゃないんよ…」
「今日初めて赤ちゃんを勝手に触ってくるおばあさんに遭遇した! ほんまにおるんや!笑 私はコートの中に赤ちゃんを入れて抱っこしてて、触れんようにしてたのに、コートにガッと手を入れて、寝てる赤ちゃんの背中をゴシゴシこすってきた笑」
「今電車で赤ちゃんを抱えたお母さんがいて、その後ろに年配の男性が立ってた。その男性はお母さんが見てない時に、赤ちゃんの腕や足をずっとツンツンして触ってた」
一方で、突然触られることをなんとも思わない親も一定数いる。今回の反響に対しても、「スーパーとかで店員さんが可愛いね~何ヶ月~?って手とか触ってくるの別になんとも思わんのやけど。笑顔で返しちゃう笑」「老人が勝手に赤ちゃん触ってくるやつ経験したんだけど、私自身がおばあちゃん子すぎて全然大丈夫だった」といった声もあった。
悪気がないうえに、人によって許容できる範囲が違う行動だからこそ、注意や線引きは難しい。ただ少なくとも、人の赤ちゃんに勝手に触れないよう心がけることは、いまの時代に必要な距離感であるだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部
