超機能AI時代になれば日本は滅亡する…日本経済にトドメをさす高市政権「円の価値は歴史的低水準に」もうこの国がもたない!
AI関連株が市場をけん引し、世界中で「AI革命」への期待が高まっている。しかし、その熱狂の中心に日本は本当にいるのだろうか。生成AIの進化によって、いま米国と中国では、半導体やデータセンター、電力網をめぐる“AI覇権戦争”が激化している。一方で、日本では円安が進み、AI時代に不可欠なGPUやインフラ設備を調達するための購買力が低下しているとの指摘もある。専門家は「AI競争は企業同士の戦いではなく、国家そのものの競争に変わりつつある」と警鐘を鳴らす。高市政権の事実上の円安容認政策は、日本をAI覇権戦争から取り残す要因になりかねないというのだ。
【画像】現在、世界のAIを事実上支配している「トップ7」とは
市場というものは、性能だけでは決まらない
かつて日本は、「技術立国」と本気で信じていた時代があった。NEC、富士通、東芝、シャープ。日本の電機メーカーは世界最強だと言われていた。実際、性能や品質だけを見れば、世界最高峰だったのだろう。しかし、その日本はWindows95とインターネットの波に呑み込まれ、一気に世界標準から脱落した。
なぜか。日本は「性能」で勝負していた。しかし米国は「標準」で勝負していたのである。
この構図は、かつてのソニーのベータマックスとVHSによるビデオテープ覇権争いにもよく似ている。
技術的にはベータのほうが優れていると言われた。しかし最後に勝ったのはVHSだった。録画時間、価格、レンタル網、映画会社、流通、普及台数。性能そのものではなく、生態系を握った側が勝ったのである。
市場というものは、性能だけでは決まらない。世界のルールを握った者が勝つ。もっと言えば、「世界の空気」を支配した者が勝つ。それが資本市場の本質だ。今回のAI競争も、まさに同じ構図になりつつある。
世界のAIを事実上支配している「トップ7」
日本では未だにAIを「便利な技術」として語る人が多い。しかし、米国と中国のトップ企業群は、AIを単なる技術ではなく、「文明インフラ」として扱い始めている。ここを理解しない限り、今回のAI相場の本質は見えてこない。
現在、世界のAIを事実上支配しているのは、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ、アップル、エヌビディア、オープンAIという「トップ7」である。
そして、その周辺を固める「トップ15」には、中国勢のテンセント、アリババ、ファーウェイ、バイドゥ、バイトダンス、SMIC、カンブリコン、ムーア・スレッズ、エンフレイムなどが入ってくる。
つまり、世界のAI覇権は、事実上、米国と中国の「トップ15」によって独占されているのである。ここに日本企業の名前はほとんど出てこない。これが現実だ。
しかも彼らは、もはや通常の企業ではない。現在、市場では彼らを「ハイパースケーラー」と呼ぶ。
猛烈な勢いで「脱エヌビディア」を進めるトップ7
「ハイパースケーラー」は単なるIT企業ではない。国家級の計算能力、電力、通信、クラウド、AI基盤そのものを支配する“準国家資本”である。年間数兆円、いや数十兆円という規模でAIインフラへ投資している。
しかも一回きりではない。毎年である。電力、送電網、データセンター、冷却設備、AI半導体、高速通信、クラウド、AI人材、水資源、軍事転用技術。そのすべてを押さえながら、AI時代の「標準」そのものを握ろうとしている。もはや企業というより、「新しい列強」に近い。
マイクロソフトはオープンAIとの連携を軸にしながら、自社AI半導体「マイア」を開発している。アルファベットは長年、自社AI向け半導体「TPU」を進化させ続けてきた。
アマゾンは「トレイニアム」と「インフェレンシア」を展開し、クラウド内部のAI計算基盤を自前化しようとしている。メタは「MTIA」を開発し、SNS、広告、生成AIを支える巨大計算網を自社最適化しようとしている。
アップルはiPhoneやMacで培ったアップル・シリコンを、次世代AI処理の中核へ進化させようとしている。中国ではファーウェイが「アセンド」、バイドゥが「崑崙」、アリババが「含光」、カンブリコンが「思元」などを開発している。
ここが極めて重要だ。現在、AI覇権を争うトップ7の多くは、表向きにはエヌビディア製GPUの大量供給を受けながら、その裏側では猛烈な勢いで「脱エヌビディア」を進めている。
なぜなら、AI時代においてGPUとは、単なる半導体ではなく、電力、送電網、クラウド、データセンターと並ぶ国家級インフラだからである。
AIインフラ覇権戦争、2028年を境に「更に異次元へ」
つまり現在のトップ7は、今この瞬間はエヌビディアに依存している。しかし、本音では「依存し続けること」を最も恐れているのである。
これは国家で言えば、エネルギーを他国に全面依存している状態に近い。だから彼らはエヌビディアGPUを大量購入しながら、その裏側で、自社AI半導体にも数兆円単位の資金を同時投入している。
市場は今、「エヌビディア一強」という分かりやすい物語に熱狂している。しかし実態は、トップ7全社による次世代AIインフラ覇権戦争なのである。しかも、その戦争は2028年を境に、更に異次元へ入る可能性がある。
AIは、もはや便利ツールではない。新しい国家中枢へ変わろうとしているのだ。
日本にとってより深刻なのは、高市政権による事実上の円安容認政策
AIがAIを設計し、AIがAIを最適化し、AIがサイバー空間を防衛し、同時に攻撃も行う。そこでは国家安全保障、金融、防衛、通信、電力、インフラのすべてがAIと直結する。つまり次の時代は、「AIを持つ国」が強いのではない。「AIが国家そのものを動かす国」が強くなる。
だから米国は、中国版AIの急速な進化を恐れている。米国AI業界では既に、中国が短期間で同等級AIへ追いつくことを前提に議論が始まっている。つまり今、米中が争っているのは、単なる生成AI競争ではない。次の文明OSそのものなのである。
しかし、日本はどうか。未だに「AIをどう活用するか」という段階に留まっている。もちろん、それ自体は重要だ。しかし、米中トップ15が見ている世界は、その遥か先だ。彼らはAIを便利ツールとしてではなく、国家そのものとして見始めている。競争している階層が、既に違うのである。
そして、日本にとって更に深刻なのは、高市政権による事実上の円安容認政策である。AI時代は、半導体もGPUも電力設備もデータセンターも、すべてドル建てで争奪される世界だ。つまり、国家としての購買力そのものが、AI競争力になる。
しかし、日本円は実質実効為替レートで見れば、既に歴史的低水準に沈み込み、国際的購買力を大きく失っている。これは単なる円安ではない。国家としての「買う力」そのものが劣化しているということだ。
ゲームは最初から通貨覇権と直結している
例えばエヌビディア製GPUを大量導入しようとしても、円安になればなるほど、日本企業の負担は膨らむ。一方、米国トップ企業群は、自国通貨であるドルを使い、数兆円、数十兆円単位でAIインフラを積み上げていく。つまり、このゲームは最初から通貨覇権と直結しているのである。
にもかかわらず、日本では株価上昇だけが成果として語られる。しかし、それはドル建てで見れば、実はそれほど強くない。円が弱くなれば、海外投資家から見れば日本株は割安化する。だから海外マネーは流入する。
しかし、その一方で、日本国内の購買力は静かに削られていく。これは繁栄ではない。むしろ、通貨安で演出された株高に近い。
高市政権は台湾有事や安全保障を強く打ち出し、支持率を維持してきた。しかし、その裏側で最も静かに悪化しているのが、実は日中関係である。
日本市場ではAI関連株だけが熱狂的な買いを集めている
AI時代において、中国は単なる地政学リスクではない。巨大市場であり、巨大生産基地であり、巨大AIプレイヤーでもある。本来であれば、日本は米中対立の狭間で、極めて冷静かつ現実的な外交バランスを求められる局面に入っている。
しかし現実には、政権は台湾有事発言を繰り返す一方で、日中関係悪化については、ほとんど踏み込んで語ろうとしない。なぜか。安全保障強硬論のほうが、国内支持率に直結しやすいからである。
しかし、市場は本来、感情ではなく、現実で動く。中国経済減速、中国不動産問題、米中分断、サプライチェーン再編。日本企業はそのすべての影響を真正面から受ける立場にある。
しかもAI時代に必要なレアアース、電池材料、電子部品供給網まで考えれば、中国との関係悪化は、日本経済そのものに直結する。
にもかかわらず、日本市場ではAI関連株だけが熱狂的な買いを集めている。ここが恐ろしい。株価だけを見ると、日本もAI革命の中心にいるように見える。しかし実態は違う。
上がっているのは、AIに関係ありそうな株である。半導体関連、電線、電力、データセンター、冷却。AIという単語が決算資料に入るだけで買われる。しかし、それはAI文明を支配していることとは全く違う。市場はそこを混同し始めている。ここがバブルの怖さだ。
ITバブルもそうだった。リーマンショック前もそうだった
市場で最も危険なのは、皆が同じ未来を信じ始めた時である。ITバブルもそうだった。リーマンショック前もそうだった。皆が「今回は違う」と言い始めた時、市場は最も脆くなる。今回も同じだろう。
AI革命そのものは本物である。世界を変える。仕事を変える。国家を変える。しかし、それとAI関連株が永遠に上がり続けることは全く別問題だ。むしろ私は逆に思う。今のAI相場は、世界経済の弱さを覆い隠す巨大なメッキになっているのではないか、と。
現実には、世界中で中間層は疲弊している。猛烈なインフレ、住宅価格高騰、実質賃金低下、物流コスト上昇、エネルギー不安、債務膨張、更にAIデータセンター急増による電力不足、水不足、送電網問題まで始まっている。
スーパーでは値札を見て商品を棚へ戻す光景が珍しくなくなり、地方ではガソリン価格そのものが生活コストになっている。電気代、通信費、外食、教育費、保険料。生活のあらゆる場所で「静かな値上げ」が続いている。
日本円の価値は歴史的低水準に沈み込んでいる
それでも市場だけは、AI革命で未来は明るいと言い続けている。つまり現実社会は、決して強くない。それなのに、株価だけがAI期待で爆上げしている。私はそこに、バブル末期特有の危険な静けさを感じる。
日経平均は史上最高値を更新する。しかし、その一方で、日本円の価値は歴史的低水準に沈み込んでいる。この異様な光景を、「我々は本当に豊かになった」と言ってよいのだろうか。
AI関連株は上がる。半導体株も上がる。だが、国そのものの購買力は落ちている。つまり今、日本市場で起きていることは、国力低下と株高の同時進行なのである。
これは極めて危うい。なぜなら、市場は最後まで幻想を買い続けるからだ。そして、幻想が最も膨らんだ瞬間に、相場は必ず逆回転を始める。
先日、日本へAIエンジンを最初期に持ち込んだ友人と話していた時、こんな言葉が返ってきた。彼は現在、日本を代表する企業群ともAI戦略を議論しているという。その彼が静かに漏らした。
日本という国の存在感そのものが危うくなる
「今、日本企業のAI戦略に関わっていて感じるのは、技術競争というより、“国家そのものの競争”へ変わり始めていることです。しかも、日本はその変化にまだ本気で気付けていない気がする」
更に彼はこう続けた。
「近い将来、世界は一気に様変わりするかもしれない。私は正直、日本という国の存在感そのものが危うくなる可能性すら感じています」
私はその言葉が忘れられない。AI革命は、おそらく本物だろう。しかし、本当に恐ろしいのは、その革命の中心に、日本がいない可能性がかなり高くなりそうなことである。
文/木戸次郎 写真/shutterstock
