この連載では、投資にまつわる疑問・お悩みに、SBIネオトレード証券の担当者が答えます。今回取り上げるのは「決算って、個別株投資にどう役立つんですか?」です。

ニュースでよく聞く「決算」ですが、実際にどこを見ればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。

今回は、投資家が決算で注目しているポイントや、株価が大きく動く理由、信用取引で意識したい点について聞きました。

○そもそも「決算」とは何ですか?

――そもそも「決算」とは何ですか?

「決算」とは企業が一定の期間で、“どれだけ稼いだか”、“コストをいくら支払ったか”を集計して損益を計算し、期間の最終日時点でいくらの「資産」と「負債」があるのかを明確にし、企業の価値や企業の経営成績を数値化することを言います。上場企業は、金融商品取引所や証券取引所の規則により、一定のスパンで決算速報の開示や、公式な報告書の開示が義務付けされております。

具体的には、決算期末から45日以内(推奨は30日以内)に決算の速報データを開示する「決算短信」(年4回)、第2四半期(半期)の終了後3か月以内に開示が義務付けられている「半期報告書」、年度決算終了後の終了後3か月以内に開示が義務付けられている「有価証券報告書」になります。「半期報告書」、「有価証券報告書」はともに、監査法人の点検が義務付けられており、決算短信に比べてより詳細な企業活動の内容が記載されます。

有価証券報告書の中でも「損益計算書(P/L)」「貸借対照表(B/S)」「キャッシュ・フロー計算書(C/F)」は最も重要な資料として扱われるほか「株主資本等変動計算書」もP/LとB/Sをつなぐ資料として、投資家は利用しています。

編集部作成

○投資家はなぜ「決算」を気にするのでしょうか?

――投資家はなぜ「決算」を気にするのでしょうか?

決算を見ることで、対象企業の業績や資産の状況が確認できるほか、今後の成長余地や財務状況の健全性などの投資判断を左右する指標も確認できる為、重要視されます。プロのアナリストが決算前に予測を平準化した水準(コンセンサス)と、実際の決算数値のずれによって、株価が大きく変動する場合もあります。

コンセンサスを上回る好決算だった場合をポジティブ・サプライズ、下回る場合はネガティブ・サプライズと呼ぶことがあり、一般的に前者では株価は上昇しやすく、後者は下落しやすい傾向になりますが、市場が過剰に反応していると判断できる場合は、逆に絶好の投資チャンスになりますので、テクニカル指標を併用しながら投資判断を行うことが重要です。

○個別株を買うとき、決算のどこを見る投資家が多いのでしょうか?

――個別株を買うとき、決算のどこを見る投資家が多いのでしょうか?

特に決算で注目されるのは、売上げや利益、キャッシュフローですが、それらのデータを元に算出された「ROE」「PER」「PBR」「自己資本比率」などの数値を確認する投資家も多いと考えられます。これらの数値は、業種や企業規模によって基準数値が異なってきますので、単独で数値を見るだけではなく、同業種・同規模の銘柄との比較や、時系列の数値と比較することが重要です。

○投資初心者は、「決算発表」をどう投資判断に生かせばいいのでしょうか?

――投資初心者は、「決算発表」をどう投資判断に生かせばいいのでしょうか?

投資初心者の方が「決算発表」を材料にして、投資判断を即決・即断するのは危険です。また、決算発表後は株価が急変する恐れがありますので、決算前に株の購入や売り建てをして、決算後に売却や返済をするといった行為は避けるのがリスク回避の観点で重要です。

投資検討をしている銘柄があった場合は、決算前からのトレンドを確認した上で、決算発表と市場のコンセンサスとの乖離を確認して、中長期のトレンドに変化が無く、一時的な下落と判断ができる場合は、発表後すぐではなく、少し値動きが落ちついた段階で「押し目買い」をするのが良いでしょう。

ただし、想定通りに株価が動くとは限りませんので、必ず押し目買いを実施する際も、損切りラインを決めて、トレンド転換によるリスク軽減を行える逆指値注文なども忘れずに入れておくことが肝要です。

○信用取引をしている、これからしてみたい場合、決算で見るべきポイントとはどこになりますか?

――信用取引をしている、これからしてみたい場合、決算で見るべきポイントとはどこになりますか?

現物取引は株価の上昇によって利益を得ますが、信用取引では、売りからスタートして下落で収益を狙えるチャンスがあります。コンセンサスを大きく下回る悪い決算が出た場合だけではなく、決算が良くても「市場の期待が良すぎた」ことで、織り込み済みとの判断から決算発表後に下落するということもあります。

信用取引は同一資金で繰り返し売買を行うことが可能ですので、銘柄特有の値動きなどを把握できれば、戦略の幅が広がるかもしれません。特に短期売買ではコンセンサスとのギャップ等により荒れた値動きになることも少なくありませんので、決算数値だけではなく、コンセンサスを発表前に見て、自分なりの予想を組み立てておくことも重要です。

SBIネオトレード証券 えすびーあいねおとれーどしょうけん SBIネオトレード証券は、国内株式や信用取引、IPO、ETFなどを取り扱うネット証券です。特に信用取引では、低コストな取引環境に加え、逆指値注文やOCO注文、IFD注文など多彩な注文方法に対応している点が特徴です。また、投資初心者向けの基礎解説から、決算、信用取引、テクニカル分析など実践的なテーマまで幅広い情報発信も行っています。 投資コラム一覧:https://www.sbineotrade.jp/stock/column/公式HP:https://www.sbineotrade.jp/ この監修者の記事一覧はこちら