アポロ11号で人生が変わったのは人類だけではなかった。なんとゴキブリも…
アポロ11号が初めて有人月面着陸を果たし、人類の歴史が変わりました。
でもその頃、ゴキブリたちもまた、ちょっと変わった体験をしていたのをご存知でしょうか。
なんと、月から持ち帰った岩石や土壌サンプルの一部を食べさせられていたんです。
かなり妙な話に聞こえます。でも、1969年当時としては大真面目な科学実験でした。
IFLSが紹介しています。
月から帰った宇宙飛行士は21日間も隔離された
1969年、ニール・アームストロング、バズ・オルドリン、そしてマイケル・コリンズを乗せたアポロ11号は、人類初の月面着陸を成功させました。
このとき彼らは、約21.6kgもの月の岩石や土壌サンプルを地球へ持ち帰っています。
もちろん歴史的快挙です。でもNASAは、ただ歓喜していたわけではありませんでした。
現在では「月に生命はいない」と考えられていますが、当時はまだ断定できなかったんです。月の土に、未知の微生物や有害物質が含まれている可能性も否定できませんでした。
そのため、持ち帰ったサンプルは密閉容器に入れられ、隔離施設で管理されることになります。さらに宇宙飛行士たちも、帰還後21日間の隔離生活を送ることになりました。
NASAはゴキブリに“月の土”を食べさせた
そんな月の物質を使って、NASAはさまざまな生物実験を行なっています。担当したのは、ミネソタ大学の昆虫学者マリオン・ブルックスです。
ゴキブリ、エビ、ハエ、小魚、カキといったさまざまな生き物に、粉末状にした月の土を食べさせたり、這わせたりしました。研究者たちは、月の粒子がガラス片のように鋭く、生物の体を傷つける可能性も考えていたんです。
ところが結果は、驚くほど普通でした。
ゴキブリたちは月の土を食べても特に異常なし。外骨格にも目立った損傷は見つかりませんでした。
ちなみに実験中、もっとも被害を受けたのは対照群(実験中に介入されないほうのグループ)の魚です。ただし原因は月の土ではなく、誤ってこぼれた消毒剤でした。
「月は安全か」を確認する必要があった
いま振り返ると、生き物に月の土を食べさせる実験はかなりシュールです。でも当時のNASAは、本気で「月から未知の何かを持ち帰る可能性」を警戒していたんです。
後年、アポロ計画の医療責任者チャールズ・ベリーは、「人間だけでなく、魚や鳥、植物を含む地球の生物圏を汚染しないことを証明する必要があった」と振り返っています。
つまりこの実験は、「月面環境は地球にとって安全なのか」を確認するための作業でもあったわけです。
現在、人類はアルテミス計画によって再び月を目指しています。その安全確認の歴史の片隅には、月の土を食べたゴキブリたちもいたのかもしれません。
Source: IFLS

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