タンスにしまったままのスカーフやブローチ。すてきだと思って買ったものの、「巻き方が難しい」「つける位置がわからない」と感じて、使いこなせていない人も多いのではないでしょうか。ここでは、佐賀県有田町に住む彫金家・オオクボスミエさん(70代)の、スカーフとブローチを上品に楽しむコツを紹介します。

※ この記事は『75歳、おしゃれの決め手 自分を演出する楽しみ』(KADOKAWA刊)に掲載された内容を一部抜粋・再編集して作成しています

【写真】スカーフのドレープの完成図

スカーフを上手に使いこなす奥義

スカーフの巻き方に苦労している人が多いと聞きました。たしかに、街行く人を眺めていると、首回りがモコモコしてスッキリしなかったり、結んだところが団子になっていたり、左右のバランスが悪かったりと、なかなかかっこよくとはいかないようです。

実際、スカーフを上手に使いこなすのは難しいと思いますが、ここさえきちんとできていればきれいに見える、というスカーフ術の奥義があるのです。それは、自分の目線の届かないところ、つまり後ろ側です。

鏡には前しか映らないので、いい加減な処理をしてしまいがちなのですが、鏡を見なくても、じつは上手に巻けるコツがある。それが、いちばん最初のスカーフの始末、ドレープをきれいにつくることです。

ありがちな三角に折るやり方では、布が重なり合って首の後ろがもたついてしまいますが、そうならないように、最初にきれいなドレープをつくってしまえば、そのあと、巻くのも結ぶのもやりやすくなります。きれいなドレープのつくり方の手順を写真で紹介します。マスターして、スカーフの自由なアレンジを楽しんでください。

スカーフのドレープのつくり方

(1) 長方形のスカーフは、対角線に折ると山が2つできる。(※正方形のスカーフの場合は、少し対角線をずらすこと)

(2) 端っこより少し内側を持って、4本の指でプリーツをつくるようにたぐり寄せる。

(3) 十分たぐり寄せたら、左右同じバランスで肩にかける。すると、胸元に自然なドレープができ、首の後ろも、背中ももたつかない。

(4) この状態から結んでも、そのまま垂らしても美しい。コートインで使うと、肩、背中が暖かい。

シニアこそ、ブローチでおしゃれになる

ブローチといえば、英国のエリザベス女王が見事なものを胸元にとても美しく着けていた姿が印象的でした。ブローチは、ワンランク上のおしゃれです。そのブローチが、最近、流行り始めているようです。このタイミングで、シニアこそ積極的に着けて、おしゃれの幅を広げてほしいと思います。

●大きめなブローチがおすすめ

アクセサリーをもうひとつ、と考えているのなら、少しくらい値段がはっても、シニアには、ネックレスより大きめなブローチがおすすめです。

ペンダントやネックレスはたくさん持って、使いこなしているシニアは多いのですが、ブローチとなると手が出ない。着けてみても、位置や角度が難しい。普段着に合わせづらく、おしゃれにならない。そんな声をよく耳にします。たしかに、ブローチは、使いこなすのにはハードルが高いアイテムです。

ブローチの定位置は「鎖骨のすぐ下」

でも、ご存知でしょうか? ブローチには、失敗しない着け方の基本ルールがあることを。いちばんのポイントは、ブローチを着ける位置です。胸元に、シャツの衿元に、でも、それがなんとなくでは、決まるものも決まらない。焦点がぼやけてしまうのです。

ブローチを着けるベストな位置は、鎖骨のすぐ下です。まず、そこに位置を定め、あとはブローチの向きを上げたり、右向きにしたりと、調整すればいい。顔から遠からず、近からず。品よく落ち着いて、洗練されます。

そして、ブローチもまた、大ぶりなものがおすすめです。むしろ小さい方が、服に合わせるのが難しいくらい。大胆なくらいデザイン性のある大きいブローチは、真っ先に目がとまります。

●人にも思い出してもらえる

私は、自分用にスペシャルな、直径10センチ以上もある楕円形のブローチを制作して持っています。シャツやジャケットに、カジュアルに着けていますが、必ず声をかけられます。「そのブローチ、ユニークですね!」と。

そして、それが印象に残って、次に会うときには、「あのユニークなブローチを着けていたオオクボさんね」と思い出してもらえるのです。ブローチも、アートやオブジェを身に着けるくらいの感覚で。きっと、楽しいと思いますよ。