いんげんの筋取りが秒でできるベストな技。「やってはいけない」と思っていた禁断の方法の意味
野菜の調理は手間がかかるか
株式会社アイスタットが2024年に20歳から59歳の男女300人に調査した野菜の摂取量についてのアンケートによれば、野菜不足を感じていると答えたのは約65%。「そう思わない」と答えた人を大きく上回った。
1日当たりの成人の野菜摂取目標量は350ℊと言われているが、摂取できていない理由の中で、最も多かったのは、「調理の時間がないから」(21.2%)で、「野菜がおいしくないから」「今の量で充分と思っているから」(ともに18.2%)が続いた。
5人に1人以上が感じている「調理の時間がないから」は、つまり、調理に時間や手間がかかる、ということだろう。
たしかに、肉や魚なら、加熱して調味すればすぐに食べられるが、野菜は洗って、皮をむいて、切って、水にさらして……などの作業がある。さらに野菜によっては、筋取り、はかま取り、ひげ取り、柔らかい葉と固い茎に分ける、硬い芯を取り除くなどの下処理も。
急いでいる時に避けたくなるのは、誰もが思うことだ。
けれども、野菜側からすると、もっとシンプルに「こうしてくれたら、おいしくなれるのに」という、いいぶんがあるらしい。
そんな視点から、野菜との向き合い方を教えてくれるのが、『野菜のいいぶん 誰も教えてくれない秘密のレシピ130』(白崎裕子著/ダイヤモンド社)だ。
「だから水っぽくなっていたのか」
今年4月22日に発売されると、アマゾンのカテゴリー別ベストセラーで1位を獲得。
SNSに投稿されていた読者からの感想
「ああ、だから水っぽくなっていたのか、とか、臭みが出ちゃった時の原因なんかが、よくわかりました」
「同じ野菜でも採れる季節によって、調理や食べ方を変えるなんて普通の主婦にはハードル高いと思ったけど、一度知ってしまえば普段でも活かしていけると思いました」
が、この本の特長をよく表している。
本書は、野菜目線でそれぞれが「どうしたら、おいしく食べてもらえるか」を伝えるものになっているのだ。
本書からの抜粋で、野菜をもっと知って、もっと楽しくおいしく食べられるようになる短期連載。これまでに、にんじんの臭みを3秒で取るやり方、野菜室の奥のしなびたキャベツをごはんのおかずによみがえらせるレシピ、硬い、ねぎの青い部分の特性を生かした食べ方などを紹介している。
第7話では、下ごしらえがめんどくさいと思っていたいんげんの筋とりが一瞬でできてしまう画期的な方法を、本書より抜粋して紹介する。
いんげんのいいぶん
いんげんは、音で鮮度を教えてくれる野菜です。パキッと折れるのは、細胞の中に水がしっかり詰まっている証拠。張りがあるから、あんなに気持ちよく折れるのです。けれど、火を入れすぎると、その張りはすぐに消えてしまう。だからごま和えも、炒めものも、加熱時間は短く。あのパキッという音も、ほんの数十秒で失われます。
いんげんごまみそ和え
材料(2人分)
いんげん… 200g
A
みそ…大さじ1
てんさい糖…小さじ2
すりごま…大さじ2
塩…適量
作り方
1 いんげんはヘタをポキッと折って筋を取り、さらに1/3(短いものは1/2)の長さに手で折って筋を取る。
2 鍋に水と1%の塩(500mlに塩小さじ1)を入れて沸かし、いんげんを入れる。緑色が鮮やかになるまで2分ほどゆでる。
3 冷水にさらして色止めし、水気をよくきる。ボウルにAを入れて混ぜ、2を加えて和える。味をみて、塩で調える。
保存メモ
乾燥しやすい野菜。湿らせた紙に包んで袋に入れ、野菜室へ。早めに使うのが一番。
「包丁はいらないよ。遠慮しないでポキポキ折ってね。筋取りも楽みたい」とのいいぶんに、できるだけ折らないよう、注意しながら端から恐る恐る筋を引っぱり取っていたこれまでの苦労は、実はいらぬものだったのかと目からウロコの思い。
確かに、張りがあるからポキッと気持ちよく折れ、筋もラクに取れるのだ。
ところで、いんげんの足は意外に速い。「シンプルなごま和えは、いんげんの鮮度がおいしさの決め手。張りのあるものを選んで」と言われる通り、鮮度のいいものを買いたい。
でもうっかり日を置いてしまったら……。
大丈夫。「しんなりしてしまったら、炒めものや他の料理にしましょう」と、別のレシピを勧めてくれる。そんなところも何かと役立つ本なのだ。
第8話「栄養たっぷりでも足が速い「いんげん」。しんなりしてしまった後にごちそうに変える魔法」では、日の経ったいんげんをおいしく蘇らせる方法を紹介する。
