この記事は以下の動画を基に、動画投稿者の承諾を得た上で、AIライターが執筆しております

「いま現在の国際情勢に照らせば、現実問題として発生することを具体的に想定しているものではない」2015年9月、参議院の平和安全法制特別委員会。ホルムズ海峡での機雷掃海について問われた安倍晋三首相(当時)は、そう答弁した。あれから約10年半。その「想定していない」とされたシナリオが、現実の議論として浮上している。イラン情勢の緊迫化により、日本が輸入する原油の約9割、半導体製造に不可欠なヘリウムの供給路が脅かされているからだ。YouTubeチャンネル「たかまつなな Social Action!」では、安保法制の制度設計に深く関わった公明党幹事長・西田実仁氏と、政治記者の今野忍氏を招いて議論した。イラン情勢への対応、自衛隊派遣の可否、憲法9条改正論議まで、日本の安全保障の現在地が率直に語られた。

※この記事は、YouTubeチャンネル『たかまつななのSocial Action!』のために4月1日に収録した内容を元に作成しました。

◾︎中東の安定の上に成り立っている日本人の生活
安全保障と聞くと、多くの人はどこか遠くの戦場やミサイルの話を想像するかもしれない。しかし西田氏がまず問題にするのは、「国民の生活や産業をどう守るか」という視点が抜け落ちていることだ。今の中東情勢、特にホルムズ海峡の緊張は、かつてのオイルショックとは違う次元の危機を日本に突きつけている。

特に深刻なのが、代わりがきかない資源の供給が止まるリスクだ。半導体の製造や医療用MRIの冷却に欠かせないヘリウムは、その3~4割を中東に頼っている。もし供給が止まれば、半導体の減産を通じて自動車産業などのGDPが大きく落ち込む恐れがある。他の地域から調達しようとしてもコストは2倍近くに跳ね上がる可能性があり、中東産の原油に合わせて作られた日本の精製施設を切り替えるにも、膨大な時間とお金がかかる。

事態が長引けば、政府は計画停電や車の利用を控えるよう求めるといった、踏み込んだ対応を迫られることになる。私たちが当たり前に使っている電気も、自由に車で移動できる日常も、中東の安定の上に成り立っている。

◾︎ホルムズ海峡に自衛隊を派遣できない理由
トランプ大統領が「自分の国の船は自分で守れ」と主張し、ホルムズ海峡への自衛隊派遣をめぐる議論があった中で、西田氏は現行の安保法制のもとではそれができない現実を説く。

西田氏によれば、自衛隊の海外派遣や集団的自衛権の行使にはいく重もの縛りがある。第一に、「憲法上の縛り」がある。※1集団的自衛権、すなわち「自分は攻撃されてないけど同盟国、密接な国が攻撃されたら助けに行ける」という権利の行使には縛りがあり、「日本という国の存立に明白な危険がある場合」に限られ、行使も「なるべく最低限」にとどめなければならない。第二に、国際法上の正当性、自衛隊の安全確保、民主的統制からなる「自衛隊の海外派遣三原則」。※2第三に、日本が自主的に判断する 、平和外交の努力 などの「政策上の歯止め」だ。

なかでも現在の情勢において決定的なのが、国際法との整合性だ。西田氏は、2015年の安保法制審議における岸田文雄外務大臣(当時)の答弁を引き合いに出す。岸田氏は『国際法に従っていない国を支援することはありえません』と国会で明言していた。たとえ密接な関係にある同盟国であっても、その武力行使に国際法上の正当性が認められない場合、「同盟国だから」という理由だけで後方支援や派遣を行うことは、法的には認められない。

一方で、かつてとは国際秩序が大きく変わりつつある今、安保法制の見直しや憲法9条への自衛隊明記についても、改めて議論が必要だと西田氏は述べた。

◾︎軍事力だけでは平和は守れない
今後の日本の防衛を考えていく上で、軍事力を高めることは避けられない課題だ。今野氏が指摘したのは、日本の政治家が持つ外交パイプの衰退だ。かつては中東や中国に太いパイプを持つ政治家がいたが、今は特定の国への訪問に偏り、多方面のルートが失われつつある。西田氏もこの流れを心配しており、抑止力に注ぐエネルギーと同じくらいの熱量を「外交力」に向けるべきだと強調する。公明党が提唱するのが、北東アジア版のOSCE(欧州安全保障協力機構)のような常設の対話の場だ。何か問題が起きてから電話をかけ合うのではなく、用があってもなくても定期的に顔を合わせ、日頃から話せる関係を作っておくことが、いざというときの安全網になる。

安保法制の施行から10年。どれだけ優れた法律や装備を整えても、最後に問われるのは「国民の強い抵抗の意思」だと西田氏は言う。政府が情報を開示し、なぜこの防衛力が必要なのかを発信し続け、国民がそれを自分のこととして受け止める。そのプロセスがあって初めて、防衛力は実体を持つ。

※1
憲法第9条のもとで許容される自衛の措置としての「武力の行使」の新三要件
①わが国に対する武力攻撃が発生したこと、またはわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
②これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/kihon02.html

※2
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H4P_U5A300C1PP8000/

チャンネル情報

あなたの悩みを解決する、"社会問題解決型"の市民メディア。 社会問題の当事者や専門家の取材動画などを配信しています。