【新華社南昌5月6日】中国江西省上饒(じょうじょう)市婺源(ぶげん)県にある篁嶺(こうれい)風景区は、山あいに静かにたたずむ600年の歴史を持つ崖上の古村として知られる。「梯雲(ていうん)村落」と呼ばれる地形を生かして階段状に広がる集落や収穫した農作物を天日干しする「晒秋(さいしゅう)」の風習が、地域の特色となっている。かつては人口流出が進み、集落の空洞化という課題にも直面していた。

 古村の保護と文化・観光の発展という二つの課題を解決するため、同風景区は伝統建築様式「徽派建築」の古民家を一括で借り上げて修繕と保全を進め、元住民のUターン就職と文化・観光サービスへの参加を促した。もともとは農耕生活の一部だった晒秋の風習は、視覚的魅力と文化的特徴を備えた中国の象徴的風景へと進化した。

 古村は今では、民俗習慣の没入体験、無形文化遺産の実演、山地リゾートを融合させたノスタルジックな雰囲気が味わえる観光地へと生まれ変わった。段々に連なる建物と晒秋の風景が注目を集め、「晒秋おばさん」(農作物の天日干しで模様を描く地元の女性住民)は特色ある文化観光IP(知的財産)として知られるようになった。伝統演劇「徽劇」の公演や彫刻芸術「徽州三雕」などの無形文化遺産の技法の実演も定期的に行われている。従来の路地の構造や生活の様子はそのままに、伝統文化は新たな活力を得て、国連世界観光機関(UNWTO)の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」にも選ばれた。

 2025年に風景区を訪れた観光客は延べ360万人、観光収入は5億8千万元(1元=約23円)に達した。文化・観光産業の波及効果も引き続き拡大している。(記者/袁慧晶)