40歳で「年収400万円」の場合、NISAに「月10万円」は多すぎますか? わが家は“貯蓄ゼロ”なので、今からでも「上限ギリギリ」まで積み立てるべきですか? NISA貧乏を防ぐポイントとは

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老後資金の指標として知られる「老後2000万円問題」ですが、NISAへの拠出を意識するあまり、日々の生活が苦しくなるケースがあるようです。ある程度余裕を持たせながら老後資金を確保したい場合、毎月いくら積み立てればいいのでしょうか。   本記事ではいわゆるNISA貧乏に陥らないためのコツを、シミュレーターによる試算や年収からの投資割合といった参考情報を活用して解説します。

40歳から「老後2000万円問題」をクリアするには月いくら拠出が必要?

総務省統計局の家計調査(家計収支編)の2025年次平均によると、65歳以上の夫婦無職世帯における、毎月の平均的な収支バランスは以下の通りです。
 

実収入:25万4395円
消費支出:26万3979円
非消費支出:3万2850円
実収入-(消費支出+非消費支出)=25万4395円-(26万3979円+3万2850円)=▲4万2434円

老後30年の取り崩しは「4万2434円×12ヶ月×30年=1527万6240円」となる計算です。
従って、夫婦世帯における「老後2000万円問題」は、2025年の水準では「老後1500万円問題」になっている可能性があります。
金融庁NISA特設サイトの「つみたてシミュレーター」では、目標1500万円・積立期間20年(40歳~60歳)の場合、試算結果は以下の通りです。
 

想定利回り1%:5万6511円
想定利回り3%:4万5892円
想定利回り5%:3万6964円

NISAのみで資産形成を目指す場合、月3万7000~5万7000円程度の拠出が必要となりそうです。

「NISA貧乏」とは? 年収からの投資割合を確認

NISA貧乏とは、文字通りNISAの拠出を重視するあまり、生活が圧迫されている状態のことです。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、40歳代の手取り収入から金融資産(債券・投資信託・株式)への振り分け割合は平均15%となっています。例えば、手取り年収400万円だった場合、月5万円、年間60万円となる計算です。
仮に上記シミュレーターの利回り1%を念頭に置き、5万6511円で1年間積み立てた場合、原資は約68万円となります。投資額はおおむね年間60万円の範囲に収まるため、比較的平均に近い、無理のない投資といえそうです。
対して、掲題のケースは毎月10万円と、およそ倍の金額を拠出しており、よほどの高年収でない限り負担の大きい投資割合かもしれません。NISA貧乏に陥らないためには、生活資金まで投資に回すのは避けるべきでしょう。

つみたて投資枠は上限にこだわる必要なし! 投資は余剰資金で行うのが鉄則

株式会社400Fが実施した「オカネコ 新NISA3年目の利用実態調査」によれば、新NISAの生涯非課税保有限度額である1800万円の使い切り計画については、「投資期間10~15年以内」が37.6%で最多となっています。年間投資枠を最大限活用し、5年での最短達成を目指す「最短(2028年まで)」は24.8%にとどまりました。
つみたて投資枠の月10万円・年間120万円の「使い切り」を意識するあまり、NISA貧乏に陥るのは本末転倒です。「投資は余剰資金で」という原則を守り、無理のない範囲での拠出を心がけましょう。

まとめ

総務省統計局による家計調査を基に試算すると、夫婦世帯における「老後2000万円問題」は、2025年の水準では「老後1500万円問題」になっている可能性があります。また、これを達成するためには、3万7000~5万7000円程度の拠出が必要です。
40歳代の平均的な金融資産への振り分け割合を考慮しても、掲題の毎月10万円はよほどの高年収でなければ負担の大きい投資かもしれません。
 

出典

総務省統計局 家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 表番号3-12 2025年
金融経済教育推進機構 家計の金融行動に関する世論調査 2025年
株式会社400F オカネコ 新NISA3年目の利用実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー