親戚からの大学入学祝い「10万円」は誰のもの? 親が学費に充てるのは一般的なのでしょうか?
子どもがもらったお金は親が管理できる?
2022年、日本の成年年齢は20歳から18歳に引き下げられました。これにより、現在は18歳の誕生日を迎えた時点で成年に達することになります。
法務省によると、民法の定める成年年齢は「親権に服することがなくなる年齢」という意味も持つとされています。
親権の効力のひとつが、民法第824条が定める「財産の管理及び代表」です。その内容については「親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する」と記載されています。
つまり、成年になるまでは子どもの財産を親が管理できますが、18歳になった時点で、法的にはそれができなくなるということです。
親戚から「子ども本人への入学祝い」として10万円をもらった場合、子どもが18歳になっていれば、親が本人の意思に反して学費へ充てることに異議を示す余地はあると考えられます。
入学祝いを学費に充てるのは一般的?
一般的には大学入学にかかる費用は親が負担するため、もらった入学祝いを学費に充てる家庭もあるでしょう。その理由のひとつに、贈与税が関係していると考えられます。
通常、個人から贈与を受けた財産には贈与税がかかります。しかし国税庁によると「扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」には贈与税はかかりません。
ただし、ここでいう「扶養義務者」とは配偶者や兄弟姉妹・直系血族などを指します。叔父や叔母・従兄弟などは個別事情によって扱いが異なる場合があるため、注意が必要です。
扶養義務者に該当しない親戚からの入学祝いであっても、1年の間に受け取った財産の合計が110万円以内であれば、贈与税はかかりません。今回は「10万円」ということなので、ほかに100万円を超える財産を受け取っていないか確認しましょう。
大学にかかる教育費
日本政策金融公庫によると、大学入学初年度にかかる教育費の平均は表1の通りです。
表1
出典:日本政策金融公庫「教育にかかる費用は?」を基に筆者作成
このほかにも、受験費用や入学しなかった大学へ支払った納付金、自宅外通学のために必要な費用などがかかる場合もあるでしょう。
18歳以上なら法的に親は子どものお金を管理できなくなる|贈与税の課税関係を考慮して学費に充てる家庭もあると考えられる
18歳になると成年に達し、原則として親権による財産管理の対象ではなくなります。そのため、親戚からもらった大学入学祝いを親が学費に充てることを拒否できるかもしれません。
しかし実際には、教育費に充てるために取得した財産は非課税になる可能性があるため、学費に充てるという家庭もあるでしょう。
大学入学時には入学費や授業料などをあわせて多額の費用がかかるため、具体的にいくらくらいなのかを事前に確認しておくことをおすすめします。
出典
法務省 民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について
デジタル庁e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)(財産の管理及び代表)第八百二十四条
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
株式会社日本政策金融公庫 教育費を知ろう!お役立ちコンテンツ 教育にかかる費用は?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

