中国時代劇ドラマ「逐玉:翡翠の君」の人気の理由は「中華文化への自信から」―香港メディア
香港メディア・香港01はこのほど、中国時代劇ドラマ「逐玉:翡翠の君」が人気を博した理由について分析する記事を掲載した。
記事は初めに、「3月の配信開始後、『逐玉:翡翠の君』は驚くべきスピードで世界を席巻している。動画配信サービスのプラットフォーム・愛奇芸(iQIYI)では香港、台湾、シンガポール、タイのランキングで1位を獲得。ネットフリックスでは非英語圏の週間ランキングで4週連続ランクインし、最高で5位を獲得した。これは中国のドラマ作品として初めてのことだ」と伝えた。
メディア評論のウェイボー公式アカウント「ponette」の分析によると、同ドラマが成功した理由は、制作チームの努力のほかに、感動を呼ぶほど中国伝統文化の神髄が描かれているからだという。
記事では、儀式、審美眼、社会構造、政治制度、文化的象徴、道徳的基盤の六つの角度から「逐玉:翡翠の君」の人気を深掘りした。
一つ目の儀式については「春節の場面を例に挙げると、同作を見れば、海外の視聴者が中国の新年とはどういうものかを理解できるくらい、爆竹や春聯など細かい点まで再現されている。婚礼のシーンも同様で、ティエン・シーウェイ(田曦薇)演じるヒロインの樊長玉がチャン・リンホー(張凌赫)演じる謝征に贈った『髪帯』も伝統文化ならではの記号性を示している」と述べた。
二つ目の審美眼については「同作は古代ギリシャ起源のオリンピック精神のような力強さとは異なる中国の美学を示した。東洋は優雅さと英雄的精神を融合した『腹に詩書あれば気自ずから華なり』といった、知識と学識に裏付けされた内面から自然に醸し出される優雅さを重視する。チャン・リンホー(張凌赫)演じる謝征の姿を見ていれば、西洋の美学では言い表せない美学がそこにある」と指摘した。
三つ目の社会構造については「江湖と市井の流動的な様子を十分に描き切っている。チャン・リンホー演じる謝征が身分を『鏢師(※古代中国でいう用心棒)』と偽るところなどは、信頼と武力によって成り立つ『鏢局(用心棒の派遣元)』の民間契約システムをうまく描いているし、当時の金融市場における質屋や、油紙などの小物の発明史に関わる点までドラマに厚みを持たせている」と指摘した。
四つ目の政治制度については「古代の厳密な戸籍管理システムや路引制度(通行許可制度)、身分の差まで、中国古代の統治システムをよく描いている」と指摘した。
五つ目の文化的象徴については「ティエン・シーウェイ演じるヒロインの樊長玉の女将軍の設定は、歴史的伝承の中にある女傑そのものであり、チャン・リンホー演じる謝征の兜の上部を飾る『雉鶏翎』は、京劇のような戯曲の美学の表現として視覚的な印象を深めている」と指摘した。
六つ目の道徳的基盤については「同作は中国の道徳観念を表す八文字『孝悌忠信、礼儀廉恥』の価値観をキャラクターの行動や運命にうまく溶け込ませている。他にも劇中では祖先の位牌に礼を尽くす場面が何度も出てきて、中国人独特の信仰の形を表現している」と指摘した。
記事は最後に「同作の成功は、中華文化に対する深い自信に根ざしている。むやみに西洋文化に取り入るようなまねをするのではなく、中華文明の土壌に根ざしている」と論じた。(翻訳・編集/原邦之)
