元日本代表PG橋本竜馬

写真拡大

 B2リーグのレギュラーシーズンは先月26日に全日程を終了した。優勝を目標に掲げたベルテックス静岡は15勝45敗で西地区最下位と低迷。リーグ全体でも14チーム中12位に終わり、B2参入3シーズン目で初めてプレーオフ進出を逃した。戦前は優勝候補の一角にも挙げられながら、開幕から低空飛行。2度の11連敗を喫するなど迷走した原因を探った。

 ベルテックスがスタートからつまずいた。開幕直前にけが人が続出。特に、ガード陣の負傷が相次いだ。新司令塔として期待されたPG柏倉哲平(31)が開幕戦に間に合わなかったのが、ほころびの始まりだった。

 不運は重なった。元日本代表PG橋本竜馬(38)が開幕4試合目に負傷。森高大ヘッドコーチ(36)の計算が狂った。「PGが定まらなかったのが痛かった」。頼りだった経験豊富なベテランは一時はコートに戻ったものの、今季は16試合の出場にとどまった。

 主力PG2人を欠き、左アキレス腱断裂から復帰した鍋田隆征(24)を中心に据えるしかなかった。本来SFのクリス・エブ・ンドウ(32)やSG橋本尚明(33)が緊急的にPGを務めたが、付け焼き刃だった。開幕3戦目から7連敗。2勝2敗の後、11連敗して3勝21敗と大きく出遅れ。昨年に続き、特別指定選手として163センチの山本愛哉(22)が途中加入し、持ち直した時期もあったが、その山本も左肩負傷で1か月離脱。けが人が戻っても、新たな負傷者が出る“負の連鎖”は止まらなかった。

 シーズン60試合の8割に当たる48試合以上に出場したのは4選手のみ。B2リーグ14チームの中で最も少なかった。「メンバーが定まらず、目の前の相手に対策するのが精一杯だった。チームとして熟成させる時間がなかった」と、指揮官が嘆いた。開幕前のロスター(特別指定選手、ユース育成枠を除く)13人が一度もそろうことがないのは異例の事態だった。

 スポーツにけがはつきもの。負傷者続出の要因は様々だが、自前の体育館がないのがその一つだろう。今季は静岡市内の企業に体育館を借りた。チーム関係者は「リングを新調したり、トイレをきれいにしてもらうなど最大限の配慮をしていただいた」と、感謝。だが、選手がコンディション調整を行いたい時に使用できないなど、施設を持たないチームの泣き所だった。冷房が欠かせない夏場は公共体育館を渡り歩く「浮草生活」を強いられた。

 体が資本のプロスポーツ軍団。2030年のプレミア入りを本気で目指すチームにとって「専用練習場」は喫緊の課題となる。(塩沢 武士)